122/206
3月27日 きっさ『ウソ』
霧島に宿題1人でしたら終わらないというくだらない理由で商店街にある喫茶『ウソ』に向かった。
「前は気づかなかったが、ウソと変な名前じゃの」
「店の中で名前を貶すのはどうかと思うよ」
「俺も驚いたぞ、もっと喫茶っぽい名前あったんじゃないか。例えば切り株とか」
「古時計とかかの」
霧島と漱印が喫茶店っぽい名前に盛り上がっている。
ここ店内なのにな
「そんなことより何か頼まないの迷惑だし」
「あ、あと1人くるからもう少しだけ待って」
あと1人って
「ごめんなさい、お片付けが遅くなっちゃって」
「大丈夫、さっき来たところだから」
香取さんを呼ぶって聞いてない
抗議するように霧島を見ると悪びれている様子がなかった。
わざと言わなかったな
漱印と席を交換して霧島以外はクリームソーダを注文した。
「霧島、コーヒー飲めるのか」
「俺くらいになると飲める」
「凄いね、私はカフェオレなら飲めるけど」
横目に見ると渋い顔をしている。
やっぱり強がってたか
子供らしくクリームソーダにすれば良かったのに
上のバニラアイスを食べ終えさくらんぼに手を伸ばした。




