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3月15日 はなうた
「なんじゃその歌」
「うた?」
「無意識かの、鼻歌歌っていたぞ」
そうなのか、意識していなかったな
「漱印が聞いたことない歌だった?」
「うーむ…わしの聞いたことある曲では無いと思うような気がするような」
「ややこしい。どんな曲だったの」
「なんかふんふふんみたいな感じじゃ」
「分からないね」
「鼻歌をやってみろと言うたからやってみたのじゃ」
「漱印が聞いたことないなら学校で霧島が歌ってたやつかな、だってスーパーで聞いたやつじゃないしテレビで聞いたのでもないだろ」
「言われてみたらそうじゃの」
「漱印がいなかった時って学校くらいじゃないか、大体ついてくるし」
「大体ついてくるってわしのこと幽霊みたいにしてないか」
「幽霊なんだ守護霊とかもっと言い方あったのに」
「守護霊なら良いのじゃが、お主なら悪い方にすると思ったのじゃ」
「それはごめん、霧島だったらまた神社来るだろうしその時に聞いたら」
「そうじゃの」
「喜雨、こっち手伝ってくれるか」
「おじいちゃんに呼ばれたから行くね」
はーいと間の抜けた声で不安になるが受付を頼むことにした。




