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3月6日 びじゅつ
「次の授業は美術か、体育が良かったな」
「書道の方が良かったですか」
「書道より美術がいい」
まあそうだろうな…
うちの学校は書道か美術を選択式で、美術は道具の貸出があるけど書道は小学生の時に使ってた物を持ってこないといけない。
書道道具なら家にありそうだけど持ってくるのがな…それに墨で汚れるの嫌だ
絵を描くのが嫌だと言うやつが泣く泣く書道を取っていたのには同情したな
そんなことをぼんやりと考えながら美術室に向かった。
「それにしても美術のテストが無いのはありがたいな」
「別に書道もテスト無いですよ」
「書道ってどうやってテスト作るんだよ、俺の中学は美術の歴史?みたいなのが期末であったぞ」
そうなのか、社会じゃないのに歴史って…
「今日何するんだろな、何かスケッチするとかなのかな」
「作品を持って帰るとかじゃないですか」
「え俺まだ学校に置いてる教科書いっぱいあるんだけど」
「少しずつ持って帰れって言われてたでしょう」
作品持って帰るってならないでくれと無意味に祈っている霧島にそっと哀れみの目を送った。