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1月23日 てがみ
「ただいま、これ郵便物」
「ありがとう、喜雨。懐かしい名前ね」
「年賀状とか届かなかったの」
「昔は送ってくれたのだけれど忙しくなったみたいで御無沙汰だったのよ。今年は年賀状があったから嬉しかったわ」
ニコニコしながら封筒を丁寧に開けている。
「喜雨の年代だと時代遅れに思うかしら」
まあ少しは思うけど…
「何が書かれているか聞いてもいいのかな」
「気になりますか?世間話ですよ、お元気ですかとか今年は寒いですねとかですよ」
私もお返ししましょと意気込んでいる。
「手紙か、貰ったこともないけど、送ったこともないな」
「せっかくならお友達や漱印に送りますか?手渡しが恥ずかしかったら切手を貼ってもいいからね」
手紙を送るのはいいけど香取さんならまあいいけど、霧島や漱印に送るのは弄られそうだな
「送るならおじいちゃんやおばあちゃんに送るよ」
「それは嬉しいわね、せっかくならおじいちゃんと漱印も誘いましょうか」
便箋を買いに支度をして郵便局に向かった。




