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冥府魔道の君はNG  作者: 氷雨 ユータ
1st Deduct イジメはペケ
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明衣探偵NG

息抜きです。

 NG。

 それは俺達―――いや、把握出来ない範囲で皆が知っている。個人個人のやってはいけない行動。子供の頃からそれとなく肌で感じていた。親にも子にも、はたまた見知らぬ老人にも存在するNG。

 例えば俺こと郷矢乃絃ごうやのいとのNGは『一人になってはいけない』。とにかく一人ぼっちになるのはNGで、だから個人的に気が乗らなくても誰かが近くに居なければならない。この手の規則には具体性が求められる(例えば、一人になるとは半径どのくらいの範囲に人が居ないと成立するのか等)が、今まで提示された事もないし、わざわざ調べようとも思わない。

 NGを破った人間は必ず死ぬ。

 そう言われて育ってきたのに、何故試そうという発想が出るのか。実体験が伴った頃には死んでいるのだから試す訳がない。その言いつけを信じるのは生まれてから当然の了解だったが、NGを家族以外の誰にも明かさないというのもまた暗黙の了解であった。

 もし誰かのNGに気づいても口に出してはいけないし、それを破らせる様な真似はしてはいけない。その中で俺達は平和に生きてきた。中学に入って、アイツと出会うまでは。



 彩霧明衣さえぎりめい



 浮世離れした白髪が特徴的な、現実を否定した様な美人。こんな田舎には出過ぎた美人が転校してきて、一度クラスは盛り上がった。

 何て胸が大きいんだろう。こんな大きな胸は見た事がない。

 何て腰が細いんだろう。こんなくびれた腰は見た事ない。

 何て綺麗な腕だろう。こんな滑らかな腕は見た事ない。

 何て綺麗な脚だろう。こんな細い脚は見た事ない。

 田舎の女子に辟易……という言い方は悪意しかないが、見慣れた景色でしかなかった所に突如としてやってきた非現実。男子は彼女を持て囃した。女子も彼女を持て囃した。流石にその美貌を無視する事は出来なかったのだ。

 最初こそ平和だったが、事態は一変した。



 俺を除いたクラス全員が、NGを破って死亡したのだ。


 

「さっすが私。名探偵だ」

 そう。アイツが全部言い当てて、実行させやがった。皆、アイツに殺された。暗黙の了解など踏み潰し、デッドゾーンに踏み入った。


 






 



 高校に入って二年。俺はあいつの助手をしていた。


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