チート校舎と寮? 誕生? 2
俺は、密かに思い描いた想像に修正を加えスキルを口にする。
「【【神級建築創造】】」
見る見るうちに、俺のイメージ通り五階建ての最新機能がある校舎と寮、それに美しい花々が咲き誇る庭園などが出来あがった。
花々が咲き誇る庭園は、自動散水などがあり全てが自動管理されている。
噴水は自動で清浄蒸留機能が付いており、飲む事も可能なほど綺麗で水が常に湧いている。
庭園と学校周辺を、二百体のゴーレムが巡回しており、ゴーレムは子虎と子狼と子狐の獣型モフモフ魔道警備ゴーレムだ。
この花の庭園はユグドラシルが喜びそうだ。
すると、ユグドラシルから
『「リリー様、ユグの大好きな花の庭園ありがとうございます」』
と『心情』が伝わってきた。
それに、噴水から大精霊ウンディーネが手を振っていた……いやいや、そんな所に大精霊なんて現れたら騒ぎが起こるよ。
『「ユグちゃん、お願いね」』
『「はい、リリー様」』
そして、何を考えたのかユグドラシルは大精霊ウンディーネに小さくなる指導を行いだした。
まあ、いいか。ユグドラシルに噴水の辺りは任せて、次の説明に……
一階には大教員室、教員指導室、宿直室、教員専用トイレ、購買部、校長室、巨大倉庫、大きな食堂、調理室等がある。
「ねえ、リリー? 私説明聞くの退屈だからアイビーと一緒に食堂と調理場見てくるね」
「えっ? まだ、食材とか何も置いて無いよ?」
「良いの」
「それに、キノットさん達の手伝いは?」
「食堂見てから、行くね……」
シルクがアイビーに乗って、目を輝かせながら食堂に向かった。
もしかしたら、アイビーにさり気なくお礼を伝える場所を探していたのかもしれない。
シルクとアイビーの後ろ姿を見ると、二人の笑い声が聞こえてきた。
うんうん、良い雰囲気ね。しかし、いやでも本当に何も無いからねシルク?
次の説明をと……
宿直室には、専用の洗面台、ウォッシュレット付トイレ、お風呂が付いている。
それに、消耗品は全て自動で補充される。
二階には教室が六教室あり、生徒用トイレが男女共十名まで対応できる様になっている。
どの教室にも、最新式の教師用机と椅子、五十名分の生徒用机と椅子が有る。
黒板の代わりに超巨大モニターが有り、教師が専用机と椅子に座り巨大モニターと連動しているタブレットに記載する事で巨大モニターに投影されるようになっている。
巨大モニターに投影された映像は、それぞれの生徒机に備え付けられたモニターにも投影される。
生徒机のモニターに投影される事で、目が悪い生徒にも対応可能である。
先生の声音も生徒机にあるヘッドホンで聞く事により、耳の悪い者でさえ骨伝導機能で正確に聞く事が可能である。
生徒の声音もマイクを通して、先生や他の生徒達の机のヘッドホンやモニターの下に文字や音声で届ける事が出来き、椅子には最新式の眠気防止機能やマッサージ機能の他に、身体温度調節機能まで付いており、快適なお昼寝も出来る様にリクライニング機能も付いた充実した快適仕様の椅子になっている。
三階と四階の寮には、キノットさんのホテルの小部屋のようにベットが六つ入らないがベット二つ分は入る余裕の広さがある個室が合計三百室あり、冒険者学校の募集人数を増やしても対応できるようになっている。
勿論、宿直室同様専用の洗面台、ウォッシュレット付トイレ、お風呂が付いているし消耗品は全て自動で補充される。
五階には男女分かれた更衣室と巨大温水プールがあり、全自動温水調節機能と水質自動清浄機能が備え付けられている。
それに、視聴覚室、完全防音音楽室、大講堂、大倉庫が有る。
屋上には、防御結界が張られた闘技場が有り、雨が降ってきた場合は開閉式の屋根が自動で開閉する。
一階から屋上まで、全ての施設に自動空調、自動清掃、自動消臭、自動補充機能が付いている。所謂、超最新式チート高級校舎と寮である。
勿論、キノットさんのホテル同様に複合鉱石魔法システム回路合金で作っている。
実は先ほど、俺は妄想を神級建築創造時に思い描いていた。
冒険者学校の地下施設にキノットさんのホテルで操作出来ない仕組みを組み込むことで――
キノットさんのホテルは、俺が初めて創造した建物の中で最強の防御力を誇り魔物や魔獣さえも破壊出来ない避難施設にもなる建築物だ。
謂わば基地のような物だと考えて良いだろう。基地は、その場から動けない。
しかし……察しの良い人なら分かるだろう。
そう、上に顔を見せている五階建ての校舎兼寮は地下施設を隠すための表の顔だ。
この国に、また今回のように予想をこえた死の軍団などが現れないと言う保証はどこにも無い。
ならば、俺がこの世界からいなくなった時の事を考えて、水・陸・空・宇・異を移動可能な戦艦を地下に創造。この国にある結界で対処出来なくなった事態が起こった場合は、地下施設にある戦艦を起動し、表の顔である冒険者学校の校舎兼寮と俺の自宅や大浴場それにキノットさんのホテルを地下に収容し、その巨大過ぎる戦艦が姿を現す……。
という、途轍もない計画を思い描いたのだが途中でスノーから
「リリー様、禁則事項ですぅにゃん」
と、手で二つの小さすぎる膨らみをぷにぷに触られたのだ。
そして、
「禁則事項の項目が含まれるシステムを備えている戦艦は禁則事項に当てはまりますぅにゃん」
とも言われたのだ。
と同時に、システムの方からも
【システム 現在の職種では創造可能な物の限界を超えています】
【システム 改めて職種を変更される等して下さい】
とシステムからも注意を受けた。
っていうか、いくら妄想に浸っていたからって言っても、スノーは今人型に変化しているのだからそんな所を手で刺激しないでほしいよ。
おかげで、変な声をあげて「ビクッ」となっちゃったよ。
と、途中から俺の妄想や勘考の部分もあったが丁寧な説明を校舎前で皆にした。
しかし、誰も話を聞いていないようだ。
スノーと葵も、俺が説明している途中で
「リリー様、キノットさんの所に戻りますぅにゃん」
「私もそろそろ戻りませんと、給仕が足りないと思いますの。ですが……スノー様だけ、リリーさまの膨らみを触れれるなんて狡いですの」
と言ってホテルに手伝いに戻った。
スミレちゃんだけが、俺と一緒にいて説明を聞いてくれた。
王様が声になっていない声をあげる。
「なんと……見事だ」
王様と対照的なのは王妃様だ。ニコニコしている。
「美しい校舎ね。リリーちゃん、早く中に入りましょ」
王妃様、まだ先生もZクラスの皆も来てないから待ってね。
「リリー様、この宰相感服致しました」
宰相さん、涙ぐみながらお腹摩っているよ。
……もしかして、ストレス性胃炎?
確かに、宰相さん過度なストレス感じていると思う。
後で、回復ポーションをあげるからね。もう少し、我慢してね。
王国護衛騎士百名は、全員俺の前に両膝を付き両手を合わせて奇跡だと呟き祈っていた。
「王国騎士団の皆様。跪かなくて良いからね」
と、俺が笑顔を向けると誰もが顔を緩ませてリリー様可愛いですと呟いていた。
そうしていると、息を切らしたカトレア先生がやってきた。
カトレア先生は、この場所にやって来ると崩れ落ちる様にして肩で息をしていた。
「陛下、火急の用件である為、私の発言をお許し頂けますか?」
「うむ。カトレアの発言を許す」
「アンデットの軍勢は、こちらには来ていませんか? 緊急時につき、生徒達は校舎に避難させました。新教室の調査に時間がかかっているようですが、この国の外壁周辺以外に、ここでも何か問題が生じたのですか?」
そうか……カトレア先生はAランク冒険者だ。
即ち、この国に厄災級の魔物などが現れた場合、真っ先に向かい対処するようになっているのだろう。
「いやそれは、リ……コホン。カトレアよ、魔物の軍勢は結界が浄化させこの国を守護してくれたのだ」
王様? 困った顔をして、今俺に眼で合図を送っているよね。
しかも、言い訳が雑……そういう俺も、何も思い浮かばないんだよね。
モフモフ達も手伝いに帰っちゃたし、モフモフ出来ないから良い案思いつかないし……いや、王様ウインクされても困るから。
あ! あの顔は、言い訳を諦めた顔だ。
「――――。校舎は、今しがた完成した所だ」
はー……言い訳が思いつかないから、校舎の話で誤魔化すつもりなんだ。
「何を言って……って、エェェェェェェ!」
仕方がない。適当に勢いで誤魔化すしか今は何も思いつかない。
「カトレア先生お待たせしました」
「リリーちゃん?」
「王様、王妃様、宰相さん、スミレちゃん、カトレア先生、今から中を案内するので遅れずについてきてね」
「ちょ、ちょっとまってー。リリーちゃん、皆呼んでくるからぁぁぁぁぁぁ」
カトレア先生は、もの凄い速さで他の皆を呼びに旧校舎まで走って行った。
先生に案内するねと言ったが、よく考えたら国王の贈り物という建前だ。
ここは宰相さんに、引き継いだ方が良いだろう。
俺は、もう一度校舎と庭園の説明を宰相さんにする。
俺が説明をしだすと、宰相の顔に冷や汗がどんどん溢れてきて顔色も次第に青くなっていく。
一通り説明をし終わった頃に、カトレア先生が皆を引き連れてやって来た。
「リリーちゃん、お待たせ。皆を連れてきたわよ」
「えっと宰相さんが、この校舎を案内してくれるので説明を聞い下さいね」
俺がそう言って宰相を振り向くと、宰相が気絶していた。
「えっ? 宰相さん? 宰相さん……」
「気絶しておるな……」
「王様、そのようですね」
未知の技術で創られた、未曾有の校舎と寮の未曾有の説明。
日頃の気疲れと激務も相まって、宰相さんの許容量を超えたのだろう。
俺は、王と王妃にどうしよう? という顔をした。
すると、王妃が聞いてくれていた様で任せてという合図を俺に送ってきた。
王妃は、皆について来る様に伝え案内しだした。
「リリーちゃんと、パー……スミレちゃんは私の隣に来なさい」
「「はい! 王妃様」」
王妃は、俺に小声で説明を聞きながら扉を開けていく。
扉を開けると度に、皆は校舎の豪華すぎる施設に驚愕している。
そして、説明しようとする王妃まで扉を開ける度に驚愕していた。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。
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冒険者学校の登校日、朝早くの出来事2
シルク「リリー、学校に行く前にちょっといい?」
リリー「シルク、何ー?」
シルク「あの子達が、呼んでいるわよ。えっと、いつもの姿に……」
リリー「どうしたのかな?」
テケテケテケ……
シルク「あっ! リリー、その姿じゃ……」
リリー「お客様、お呼びですかー?」
ルビナス「えっ? いや……」
エレモフィラ「やあ、お嬢さん。君の、お姉さんはいるかい?」
リリー「ふぇ?」
バレリアン「エレモフィラ君、小さなお嬢さんに、気障な雰囲気を醸し出したら
驚いちゃうよ。小さなお嬢さんは僕に任せて」
リリー「えーと……」
ルビナス「いや、ここは俺様が紳士に……」
エレモフィラ「いや、ここはもう一度俺が……」
バレリアン「何言ってるの? 幼い子は僕が……」
リリー「学校があるので、失礼しますぅー」
リリーは暫く、学校でも質問攻めをこの三人組から受ける日々を過ごす
のであった。




