天啓
すると、パープルちゃん改めスミレちゃんは急に光に包まれ唐突にシステムが起動した。
【システム パープル・パンジー・フォレストムーンが管理者に命名されたことにより進化します】
【システム及び女神システム起動 システム認証問題ありません】
【ダブルシステム リリー・ヴァリーとパープル・パンジー・フォレストムーンの絆が管理者の命名を受け進化を試みています】
実はパープルちゃんは、キノットさん達みたいに以前に信頼と親密が絆へと進化し、既に強い絆と信仰を持った信者になっているんだよね。
【ダブルシステム 限界突破しました】
【ダブルシステム 強い絆と信仰を持った信者が、進化を遂げ使徒となりました】
【ダブルシステム 使徒の正式認可を、リリー・ヴァリーに承諾として確認致します……】
【ダブルシステム 【はい】 【いいえ】を選んでください】
ダブルシステムさん、勿論【はい】を選びます。
【ダブルシステム 承諾を確認致しました】
【ダブルシステム 使徒 スミレ が第三級中位管理者リリー・ヴァリーに認められました】
すると、俺の眼前に文字が現れた。
【ダブルシステム 使徒 スミレ に、リリー・ヴァリーの下位職を伝授可能です】
【ダブルシステム 使徒 スミレ に、リリー・ヴァリーの【天啓】を授ける事が可能となりました】
パープルちゃんの名前を考えて、命名しただけで使徒にしてしまった……これ、大丈夫なのか?
しかし、都合が良いかもしれない。
あの日、パープルちゃんに出会った事で今の俺の平和な日常があると言っても過言ではない。
それに、今では毎日のように俺の元に来て家族のように慕ってくれている。
この国の王族は、暴君ではない。俺が知る物語などとは、明らかに違う。
俺が知る物語の王族や貴族は、民達を権力や武力で支配していた。
しかし、フォレストムーン王国の王族は、臣下や民達にも親切だ。
親しみを持って、下位の者達にも接している。
スミレちゃんに上位職を伝授する事で、この国の民を守れる盾となってくれるなら願ったり叶ったりだ。
それに、実技試験に伝授した能力を俺以外が使用することで俺の判断基準にもなる。
俺は、スミレちゃんに予め『使徒間テレパシー』を使用する事を伝え通信を行う。
『「スミレちゃん聞こえる?」』
『「はい。リリーちゃん」』
『「スミレちゃんは先日、私に対して強い絆と信仰を持つ信者になったの。そして今回、私がスミレちゃんを命名した事で進化を遂げ正式に私の使徒になったの」』
『「えっ? 私、リリーちゃんの使徒になったの? 本当に? 本当に、凄く嬉しいわ」』
スミレちゃんが使徒テレパシーに、泪を流し応えると
「リリー様、スミレ様の暖かい心情がユグにも伝わって参りました。花の精霊ユグも中位精霊王女ユグドラシルとして、リリー様にご報告致します。スミレ様の心情を確認しましたが、この世界に対して邪な心は一切無いと断言できます」
と、ユグドラシルから心情が伝わってきた。
花の精霊として、人の気持ちに鋭い精霊王女であるユグドラシルがそう言うのならそうなのだろう。
『「スミレちゃん、今から伝える事をよく聞いてね。使徒となった事で私が持つ下位職が伝授可能となったの。でもね、この下位職はとても強い力を持っているわ」』
『「強い力?」』
『「スミレちゃんは王族だから分かると思うけれど――私はね、強い力を持つ者はその力を苦しんでいる人達を助ける為に使わなければならないと思っているの。それが、例え敵国の苦しんでいる人達であってもよ。偽善者だと思われるかもしれないけれど、それが強い力を持つ者で助ける事ができる者の定めなの。それにね、正しい事は人によって違うわ。だから、自身で考えて正しいと判断すれば覚悟を持ってその力を使って助けてあげほしいの。でもね、正しいと判断できなければ、私達をいつでも頼ってくれたらいいから。あっ! でも、初めから悪意を持ってい攻撃してきた者は別だからね。例えば、何も考えずに人を襲う魔物や危険人物ね。まあ、人も生きていくために色々な動物を殺しその生命を糧にして生きいるのだけれどね。つまり私の下位職である、剣聖、拳鬼、聖女、賢者、勇者等の上位職や特殊な職を、スミレちゃんが使徒となったことで、私が授ける事ができるようになったの。でも、授かるなら覚悟が必要と言うわけなの」』
『「私……この国の民を危険から守りたいです。それは、王族である私の第一の定めの一つでもあります。なので、覚悟を持っていつも物事を考え行うようにしています。ですが、自身で考えて分からなければ、リリーちゃん達を頼りますね。だから、難しいかも知れないけれど、女神様であるリリーちゃんと出会ったことで正しい事の為に、この世界を守りたいとも思うようにもなったの」』
『「スミレちゃん、まるで勇者思考ね」』
『「はい……リリーちゃん? 私、勇者がいいです。勇者になりたいです」』
フォレストムーン王国は、妖精王によって結界が張られいる事を多くの国に知られているので侵攻してくる敵国はいない。
しかし、今回のように不測の事態が起こった時は力が必要になるかもしれない。
短い期間ではあるが、俺はこの国の人達が好きになった。
しかし、俺は後二年足らずでこの世界を離れるかもしれない。
もし不測の事態が起こった時、俺がいなくて壊滅してしまえば――スミレちゃんに伝えた言葉は、俺自身の我が儘で俺だけの正義かもしれない。
しかし、お世話になった人達を俺自身で無くても良いから守りたいのだ。
『「スミレちゃん、分かったわ」』
俺はスミレちゃんに力を授けるために、先ずは自身の職を真の勇者に変更する。
俺の場合は、自身の職を変更する事で自身でもその職の能力を把握できる。
そして、その職の能力を把握しスミレちゃんに授ける事が可能になるのだ。
職から真の勇者を【マウスLV2】で選んで【キーボードLV2】でエンターしようとする所で今更だが気がついた。
マウスLV2に手を添えようとして【思考で、次は真の勇者までクリックしよう】と強く思った事で気がついた。
スキル【マウス&キーボード】が、どちらもLV2になった事と強く思考した事で変化が起こったのだ。
わざわざ【マウス&キーボード】を手で直接触って操作する必要が無くなったのだ。
今は、スキルとして思考するだけで【マウス&キーボードLV2】が使用可能となっていた。
俺は、自身の職から真の勇者を選び実行する。
【システム 真の勇者の全スキルをコンプリート 限界突破しました】
【システム 真の勇者の限界突破スキルが使用可能です】
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【真の勇者スキル】
・全スキルコンプリート
・真の勇者の能力を極大向上
・真の勇者限定魔法威力向上
・魔王弱点看破攻撃
【真の勇者限界突破スキル】
-
真の勇者剣魔無双スキル
- 覇者の波動
⇖【詳細】
片手で持つ道具等の木や剣が、聖剣同様の力を発揮させる事
ができる。
聖剣と認めた武器の威力や強度が激増され、真の勇者専用魔法
の威力も激増される。
特殊
-
全真の勇者・限界突破スキル習得
―――――――――――――――――――――――――――――――――
俺の頭の中にスキル名が浮かぶ。
真の勇者剣魔無双スキルの覇者の波動と特殊の全真の勇者・限界突破スキル習得を選ぶ。
それぞれをパッシブスキルに追加した。
説明を見ると他の職であっても、真の勇者の全ての能力と専用魔法が使え、剣聖と同じように手に持つ物を聖剣の様に扱える。
但し、剣聖のように全ての物ではなく、片手に持つ物限定だ。
しかも聖剣であると認めた物であれば威力や強度が激増し専用魔法も威力が激増する。
これでよし。
後は、スミレちゃんに真の勇者を授けるだけね。
【システム 女神システム起動】
【システム 特殊啓示を承認】
【システム 啓示を授ける者を、リストより指定して下さい】
俺が伝授を思考すると、女神システムが立ち上がった。
女神システムの啓示?
よく見ると、管理者システムの項目内にある。
天罰だけじゃ無かったんだ。
でも、こういった工程を行わないと作動しないようだ。
そして、システムが特殊啓示を承認【啓示を授ける者を、リストより指定して下さい】と俺の眼前に、表示される。
表示には、特殊啓示と表記され――使徒・眷属伝授→職業の伝授→下位職の伝授とある。
俺は、リクエストにある勇者を選択する。
すると、啓示者リストが出てきた。
啓示者リストには、スミレちゃんの他にスノー達の名前もある。
しかし、今回はスミレちゃんの職だ。
なので、使徒 スミレを選択してエンターを押した。
選択後に【はい】と【いいえ】が出てきので、選択肢は勿論【はい】を選択。
管理者システム
→女神システム
→特殊啓示
→使徒・眷属 伝授
- 職業伝授
- 自身の下位職の伝授
← 勇者 →⇖
啓示者リスト
← 使徒 スミレ →⇖
【システム 指定された【使徒 スミレ】へ、啓示を授け伝授しますか?】
【はい】⇖ 【いいえ】
そして、スミレちゃんに『天啓』を告げる。
『使徒スミレよ、貴女にブレスド ブレイブ ハートを授けます』
スミレちゃんが神々しい光に包まれた。
先ほど光り輝いた時に、実は瞬時に周りの先生達や生徒達に見えない様に無詠唱でエクストラダブルシールドを張っていたのは無駄ではなかった様だ。
因みに無詠唱で張ったエクストラダブルシールドはこうなった。
【システム ピピー! エクストラダブルシールドの最大許容魔力を越えました】
【システム 無事限界突破しました】
【システム これよりエクストラダブルシールドは自動で結界に進化変換されます】
進化して結界になったことで、防壁から障壁になったようだ。
お蔭で先ほどの光も、今の神々しい光も、周りの人達には見えなかった様だ。
スミレちゃんに勇者のスキル等の説明をしていると、継承できていないものが沢山あった。
その一つは、限界突破スキルである。どうやら、勇者の限界突破スキルは俺だけの固有の物らしい。
つまり、限界突破の名のつく物は継承できないようだ。
スミレちゃんに初歩の勇者スキル等を教えていると、俺の番が近いので少し焦る。
時間が無かったので、一部の勇者の攻撃スキルだけをスミレちゃんに教えてあげる事にした。
実は、スミレちゃんは勇者にはなったもののスキルを一切憶えていなかったのだ。
その一部のスキルとは、花の名前が書いてある攻撃スキルだ。
実は俺がスミレちゃんにスキルを伝えようとしているとユグドラシルが
「リリー様、勇者の攻撃スキル、私初めて見ます」
そう言って、可愛い双眸で俺に期待の眼を向けてきたのだ。
ならば、ユグドラシルが喜びそうな花の名前がついたスキルをスミレちゃんに教えてあげようと思ったわけだ。
なので、それをスミレちゃんに伝えようとしたが噛み噛みで上手く伝えられなかった。
そこで、俺はキーボードのチャット機能を思い出したのだ。
入力することで、その言葉をそのまま話すというあまり役に立たない能力。
それと、マウスの右クリックを使用した。
スキルの説明をクリックしたまま全部選び、右クリックしてコピーそしてチャット欄に貼り付けてすると噛まずにスミレちゃんに説明できたのだ。
その一部の攻撃スキルを説明し終わった時、俺の番が回ってきた。
なので、俺は自身の職を再び剣神に戻した。
実は、魔法スキルは何度も使用する機会が多く何度も使用した事で自然と制御ができるようになった。
それに、魔法は攻撃魔法の他にも色々とあったので練習しやすく、防壁魔法を張っていれば周りに被害が出ないことも分かったのだ。
剣神等のスキルは殆どが攻撃スキルで、実は未だにどのように制御すればよいか不明で放ったことがない。
しかし、実力を示す場で実力を示さないのは流石に……
なので、剣神の攻撃スキルは使用しないが剣の腕前は剣神だと思ったのだ。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。
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シルク「リリー? 私、いつ進化するのかしら?」
リリー「シルク? ちっぱい見つめても、進化はしないよ?」
シルク「五月蠅いわね!」
リリー「そういえば、シルクのお腹も進化しないよね?」
シルク「確かに、胸と同じでお腹も……って言わせるな!」
アイビー『リリー様、シルクのトイレも普通なので食べたものはどこに消える
のでしょうね?』
リリー「そうなんだ……」
シルク「いちいち、リリーにそんなこと報告するな! エロ犬! それに
二人とも、どこを見ているのよ!」
食べた後のトイレもそうだが、食べた栄養が胸に行かないシルクを不憫
に思うリリーとアイビーであった。




