職業の秘密?
俺はスノーの姿を模している着ぐるみ姿で、スノーの肉球をプニプニしながら向上したスキルや職を確認する事にした。
成る程……制限解除のお陰で、権能やスキルの能力が色々と向上しているようだ。
文字言語自動変換はLV2に上がり、変更点としては眷属のみ送受信可能だったものが、眷属だけではなく使徒・従者・信仰心の強い信者にも送受信可と変更されていた。
但し、通常の信者は一方的な送信のみ可能か。
無限アイテムボックスもLV2に上がり追加機能に第二分別機能が追加されていた。
第二分別機能とは、アイテムボックス内の物の時間を個別で操作できる機能だ。
その操作を、onにしたりoffにしたりする切り替えが付いている。
元々は停止で設定されているが、ビデオのように操作でき、早戻し、再生、1.3倍速再生、早送り、スキップ巻き戻し、一時停止、スキップ早送り、10秒戻し、停止、30秒早送り、コマ戻し、コマ送り、それにチャプターonまたはoff機能が付いており、アイテムボックス内の物の時間を変更出来るようになっていた。
更に、アイテムボックス内の物を魔力により複製生成可能である。
瞼がショボショボして、眠くなってきた……。
でも、もう少しだけ見てみようかな……。
ワールドマップもLV2に上がり、追加機能である管理者のみ、従者・信者の元にテレポート可能だったものが、新しくなり眷属・使徒・従者・信者間テレポートに追加変更されていた。
更に新しく、ワールドマップテレポートと眷属・使徒・従者・信者、強制テレポートが追加されていた。
ワールドマップテレポートとは、所謂、某有名ゲームの○ーラみたいなものだ。
一度行った所に印を付け、管理者及び指定した者をテレポートさせる事ができる機能である。
眷属・使徒・従者・信者、強制テレポートとは、眷属・使徒・従者、信仰の強い信者を強制的に自身の元に呼び寄せる機能である。
アクティブとパッシブスキルに入れているスキルも自動でレベルが2に更新されていた。
他の権能は、また今度眠くないときに……次は職をちょっと見てみよう。
取得した職も、名称が一部足されたり変更されていた。
俺は読み飛ばすように、職を確認してく。瞼の限界が近い……。
その中の職を確認すると――剣聖→剣神 拳鬼→拳神 賢者→真の大賢者 聖女→真の大聖女 聖薬剤師→神薬剤師 絶級シェフ→神級シェフ 絶級建築士→神級建築士 等、全ての職に真が付いたり神に変更されていた。
他にも職は有り、それぞれが同じように変更され、更に奇天烈な事に職のエディット機能迄もが付いていた。
ともあれ、料理が皆に好評な事もあり神級シェフの一部を確認する事にした。
実は、お風呂からでて来てお気に入りの着ぐるみセットに着替えリラックスしたので、瞼が落ちそうでソロソロ限界なのだ。
詳細情報
新
職業 神級シェフ 【エディット機能】
← →
追加機能
⇖【詳細】詳細情報
詳細情報
神級シェフ特殊追加機能
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自身より下位の管理者に、自身の取得可能な下位の職及び権能を授ける
――授けられた職及び権能を、その管理者は一部の者に授ける事が可能
――その一部の者は、授けられた職及び権能を、自身を信仰するものに
劣化した形で、天啓や啓示として授けることが可能。
全てにおいて、授けた下位の職や権能は失わない。
特殊
眷属・従者・信仰の強い信者に、取得した下位の能力の一部
を伝授可能。但しスキル伝授は条件があり、一定期間の時間制限がある。
全てにおいて、伝授時に自己スキルは失わない。
信頼、縁、絆、刎頸の交わりの強い従者・信仰の強い信者等が、ある
きっかけで自身の使徒となった時――自身の最下位で取得した職の能力
自体を、授ける事が可能。
但し信頼、縁、絆、刎頸の交わりの強い眷属、従者、信仰の強い信者が
使徒で無い場合は、劣化した職やスキルとなる。
職によって、その伝授方法や条件が変化する。
全てにおいて、伝授時に自己スキルは失わない。
……
―――――――――――――――――――――――――――――――――
更に詳しい説明があったが、時間が有る時にまた見てみよう。
神級シェフで宿屋のキノットさん夫妻に、もしかしたら使えるかもしれない。
職のこと見ていると腑に落ちない点があったので、寝落ちする前に『眷属間テレパシー』でスノーに確認することにした。
『「スノー、起きてる?」』
『「うにゃん」』
『「私の職業の件だけれど……」』
俺が伝えようとするより、スノーが早く言葉を述べる。
『「リリー様の職業は、名目上表示です。うにゃん」』
『「どういう意味?」』
名目上? 確かに、女神の身体としての職業という名称には無理があった。
『「例えで申しますと、聖女とは、聖なる力を得意とする女神の事です。うにゃん」』
『「え? ……」』
『「剣聖とは、剣を得意とする神の事です。うにゃん。つまり、この世界における聖女や剣聖とは全く異なります。うにゃん」』
『「――――。――――。うん。スノー、何となく納得したわ」』
「ふわぁー、むにゃむにゃ」
スノーと『眷属間テレパシー』中に、思わず欠伸をしてしまった。
『「スノー、ごめんね。もう限界……」』
『「リリー様、おやすみなさい。うにゃん」』
スノーが、枕の横に来たので
『「スノー、おやすみ……」』
と言って、瞼を閉じた。
眠気もあるが。明日城に報告しに行かないといけないので、休む事にしたのだ。
だって、今更考えてもね――
※ ◇ ※
次の日、朝早く起きるとスノーも俺と一緒に起きてきた。
「リリー様、おはようございます。うにゃん」
「スノー、おはよう。ねえ、一緒にお風呂いかない?」
「うにゃん」
俺がスノーと話をしていたら、掛け布団が下の方でモゾモゾと動き上の方に来るとアイビーがひょっこりと顔を出した。
「アイビー、おはよ。アイビーも一緒にお風呂に行かない?」
「ムニャムニャ、ワン、ワオーン。ワンワン」
『ムニャムニャ、リリー様、おはようございます。行きます』
うわー! 寝起きのアイビー可愛すぎる。
掛け布団から、ひょっこり顔を出すなんて反則。
もし、スマホが手元にあったら動画にして投稿するレベルである。
自身のペットの写真を、スマホに沢山残している方々の気持ちが心底わかるよ。
動画にして撮っておきたいけれど、動画にしようといつでも撮れる状態にしておかないと行けないし、奇跡のモフ動画なんてそう簡単には撮れないのだ。
うぅー、抱っこしたいモフモフ触りたい。
よし! 朝風呂でサッパリして、ドライヤーで乾かしたスノーとアイビーの一番モフを俺は絶対堪能するぞ! と、心に誓った。
スノーに続き、アイビーが起きたのでシルクにも声をかける。
「シルク、起きて一緒にお風呂行にかない?」
「――――。――――。むにゃむにゃ、リリーお腹空いた。――――」
「…………」
定番の【もう、お腹いっぱい】ではなくて、お腹空いたか……
お腹が空いたらシルクであれば、起きて来ると思っていたのだが寝言は言っているが一向に起きない。
「ワン、ワオーン。ワン、ワフワフ」
『シルク、起きて。リリー様と、お風呂に行くよ』
「――――。――――。いやん……もう、アイビーダメよ。――――」
「……」
アイビーが、遠い目をしていた。
シルクに色々と声をかけてみたが、結局変な反応しかしなかった。
仕方がないので、スノーとアイビーを抱っこして朝風呂に入りに行くことにした。
「アイビー、皆でお風呂に入ろうて思うたっちゃばってん、シルクだけ起きんとよ」
「ワンワンワン、クウーン……」
『僕も声をかけてみましたが、ダメでしたね……』
「スノーとアイビーだけ、お風呂一緒に良かね? 抱っこして行くけん着くまで寝とって良かと」
「うにゃん」
「ワン」
『はい』
ぽっぷん!
俺の頭の中で、眼鏡をかけた女神サラの女教師バージョンが出てきた。
「私の説明が必要なようね」
今度は俺の頭の中で、子供の頃の俺が出てきた。
「先生おねがいしまーす」
「今日は【入ろうて】や【思うたっちゃばってん】や【起きんとよ】等について教えるわよ」
「はーい」
子供の俺が席に座ると、女教師バージョンの女神サラが説明する。
「何となく表現として分かるけれど、少し分かりづらい? そう思う方達に、説明するわね。【入ろうて】とは【入ろうと】で【思うたっちゃばってん】とは【思ったのだけれど】よ。そして【起きんとよ】は【起きないの】と言う意味。つまり【皆でお風呂に入ろうと思うのだけれど、シルクだけ起きないの】と言う意味なの。分かったかなー?」
「あーい」
「説明は以上よ。また少し難しいと思われる方言が出たら説明するわね」
「はぁーい。先生ありがとーございまーす」
妄想説明劇場が終了し、現実に戻る。
俺は、お風呂までスノーとアイビーを抱っこしたままやって来た。
二匹を降ろしてから、着ぐるみセットを洋服専用修復ボックスに収納する。
因みに、今日も怪盗幼女のように素早く降りてお風呂に来たので誰とも遭遇はしなかった。
と言いますか、アイビーの可愛い寝起き姿に心ここにあらず状態だったのである。
着替えをアイテムボックスに収納していると、アイビーも完全に目を覚ましたようだ。
スノーとアイビーと一緒にお風呂に入って二匹とも洗ってると、シルクが半べそになって大浴場にやって来た。
「ウエーン、また私を置いて行くなんて、リリー酷いじゃない! ビエーン」
「だって、声かけたけど完全に寝とったけん」
「じゃー、何でスノー様とアイビーだけ連れて行くのよ。起きたら誰も居なくて、不安で、不安で仕方が無かったのよ! 今度から叩き起こしても良いから、私も連れて行きなさいよね」
「ワン! ワオーン、グルル、ワン!」
『リリー様! 今度からシルクが起きなかったら、僕が噛みついて起します!』
「ちょっと勘弁してよね。アイビーが噛んだら、お風呂に入る前に涎塗れになるでしょ!」
俺はいつもの二人の会話に和みながら、スノーとアイビーを洗った後、外の温泉にゆったりと浸かった。
「ふぁー……温泉はやっぱり気持ちが良いわ」
俺が、足のつかない温泉の奥にある縁でつかまっていると、スノーが温泉の縁を歩いてこちらまでやってきた。
「リリー様、温泉を創造されて正解でしたね。うにゃん」
「そうねー」
スノーが来たので、スノーをお腹の上に抱いてラッコのように仰向けになって温泉の浅瀬が有るところまで進んできた。
すると、アイビーとシルクが温泉の浅瀬で浸かっていた。
「ワン、ワオーン」
『リリー様、僕もうお湯怖くなくなりました』
「アイビー、偉いね」
「ワフワフ」
『ありがとうございます』
「私が、アイビーをお風呂に入れていた時と偉い違いね」
シルクがアイビーに少し腹を立てていたが、アイビーが抵抗せずにお風呂に親しんだのは、シルクの努力……いや、思いかな? その賜物だと思う。
祖父母に聞いた話だが――田舎の祖父母の隣、数キロ先に住んでいた人の飼っていたワン子は水が大嫌いで、水浴びをさせようとしても水に近づかなかったらしい。
やはり動物も、環境や境遇によって色々と性格が変わるのだろう。
「私は、シルクのお陰でアイビーはお風呂に入れるようになったのだと思うよ」
「リリー、しみじみ言われると恥ずかしいから……」
シルクはそう言うが、嫌いな物を直すのは並大抵のことではないからね。
「シルク、中のお風呂と外の温泉どちらが好き?」
「そうねー、少し変わった匂いはするけれど温泉が好き。肌がスベスベになって、美少女の私がもっと美しくなるしねー」
「ワン、ワン」
『はい、はい』
「アイビーは、腹立つ返事してー! もう! それにしても、クンクン……ねえ、リリー? 温泉とは別に、花の良い薫りしない?」
シルクが、鼻をヒクヒクさせて俺の周りを飛んでいた。
確かにそう言われると、芳しい花の薫りがする。
「シルクの、芳しい薫りじゃないよね?」
「クンクン。ワン、クウーン……」
『クンクン。シルクの薫りは、少しお漏……』
「アイビー嗅ぎに来るな! っていうか、洗ったからもう臭くはないわよ!」
「シルク? 消臭できて、フレグランスの薫りがするボディシャンプーあるよ?」
「リリーもいちいち言わないで! っていうか、リリーの周りからするでしょ?」
と言いつつ、後で教えてと俺に小声で言っていた。
やはり、鼻の良いアイビーに嗅がれるのが嫌なのだろう。
うん。わかるよシルク、その気持ち。
「クウーン……」
『僕はしないよ……』
シルクには何となく感じられる花の薫りで、鼻の良いアイビーには感じられない花の薫り……
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。
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リリー「スノー、少し良いかな?」
スノー「うにゃん?」
リリー「スノーって、何でもうにゃんが多いよね?」
スノー「うにゃん?」
リリー「だってスノーって説明以外は、うにゃんとしかあまり言ってない気がするの」
スノー「うにゃん?」
リリー「でも、何となく理解できるのよね。不思議ね?」
スノー「うにゃん」
今回も、うにゃんしか言わなかったスノーであった。




