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南西の大洞窟調査5

 魔法を使用する度に、システムが限界突破を告げてくる……俺は、もう気にしないことにした。

 職を絶級建築士に変更し、スキルで家を建てようとするとスノーが俺の側に擦り寄って来た。

 なんだろう? と思い、可愛いく擦り寄るスノーを抱き上げると



「リリー様、家を建てるのを少しお待ちください。うにゃん」

「スノー、どうしたの?」

「鑑定の結果、光る花々や光蘚、薬草等は高ランクのポーションや魔法ポーションを作る原料となりますので、それらを避けるようにお建て下さい。うにゃん」



 成る程――眼前に広がる暗闇に幻想的な光を灯す花々や、光蘚、そしてその周辺にある薬草は、俺達以外に誰にも踏み込まれていなかったが故に見事に育ったのか。

 ならば、その役目を終わらせる前に枯れさせるのは非常に惜しい。

 それによく見ると、幻想的に光を放つ花々や光蘚の周りにちらほらと小さな微精霊達が宿っているようだ。

 俺達を見て初めは隠れていたが、今は手を振ってくれている。



「スノー、教えてくれてありがとっ」

「うにゃん」



 そう言って、スノーを降ろすと返事をしてくれた。

 花々に宿る微精霊達に、確認するように俺は言葉を伝える。



「美しい花々や幻想的な光蘚の精霊さん、貴方達に力を借りたいの。もしも良かったら、私達の役に立つお薬に、花々や光蘚それに薬草を頂いてもいいかな?」



 すると、微精霊達は俺の元に来て周りにある花々や光蘚、そして薬草を摘んできてくれた。

 俺は微精霊達に感謝をして、本題に入る。



「ありがとっ……えっと、あの石畳にお家を建ててもいいかな?」



 俺がその石畳を指し示すと、石畳に咲いていた花々や光蘚、それに薬草から微精霊達が現れた。

 そして、同じように石畳にあった全ての花々や光蘚、それに薬草を持ってきてくれた。



「ごめんね」



 俺がそう伝えると、フルフルと顔を横に振り他より大きな光る花を指し示した。

 すると、そこに微精霊達とは違い美しいドレスを身に纏った精霊が現れた。



「貴女は、優しいお方ですね。心が澄み切っていると、感じられます」

「モフモフ好きの幼女だけれどね」



 シルクが呟くように小声で話していた。



「私がこの花々の楽園を管理し、数百年が過ぎましたが結界を破らずに入ってきた方々も初めてです」



 精霊が優しい笑みでそう伝えると、俺の後ろからスノーがひょっこり顔を出した。

 スノーを見た精霊は一瞬怯えたが、俺は素早くスノーを抱き上げそして――



「この子、スノーって言ううんです。凄く可愛い子よ。何もしないから怖がらないでね」

「うにゃん」



 俺がそう言うと、スノーも返事をして同意した。

 その様子を見た精霊は



「そのお方が、心を開かれていらっしゃるのなら――」



 そう言って、石畳の周りに咲く花々や光蘚、それに薬草に宿る微精霊達に頷いて見せた。

 すると、再び石畳の周りの微精霊達が花々や光蘚を笑顔で持ってきてくれた。



「精霊さん、微精霊さん、ありがとっ」



 俺がそう伝えると、精霊が花を持った微精霊を一体連れてきた。



「この子は、貴女を凄く気に入ったようです。どうかこの子と絆を結んで頂けないでしょうか?」

「うん、いいよ。えっと、どうしたら良いの?」

「この子が手にしている、花の蜜を吸って下さい」



 俺は言われるままに、花の蜜を吸った。

 すると、その微精霊が光の微粒子となり俺の中に消えていった。



「あれ? 微精霊ちゃんは?」

「貴女の内に存在します。これで、いつでも花の微精霊を呼び出せます」



 そう言って、精霊は優しい笑みを浮かべた。

 自身のスキルを確認すると、そこに花の微精霊とあったので早速召喚してみた。



「花の微精霊ちゃん、おいで」



 すると、先ほどの微精霊が光と共に顕現した。

 しかし、名前がないと呼ぶのが不便である。

 花では無いが、俺が知るゲーム知識の中に世界樹がある。

 その世界樹は、別名ユグドラシルとも言う。

 なので、この花の微精霊ちゃんの名前にその名を使う事にした。



「えっと、貴方は今日からユグドラシルちゃん。少し長いので普段は縮めてユグちゃんね」



 すると、花の微精霊改め、ユグちゃんは光り輝きだした――



 【システム 花の微精霊が管理者に命名されたことにより進化します】

 【システム 限界突破しました】

 【システム 限界突破しました】

 【システム 個体名ユグドラシルは微精霊から中位精霊に急激進化しました】



 ユグドラシルは輝きだし、小人の見た目から隣にいる精霊のような大きさの美少女になり、隣にいる精霊より豪奢なドレスを着飾っていた。



「リリー様、ユグは精霊王女として進化致しました。この地にいる精霊共々宜しくお願い致します」



 そう言って跪いた。

 隣にいた花の精霊は自身より上の存在になった微精霊に驚き、ユグに跪いた。



「ユグちゃん、花の精霊さんが驚いて貴女に跪いているわよ?」



 俺に指摘されたユグは花の精霊に深くお辞儀をして、



「この地を管理する花の精霊様、私をリリー様に合わせて頂いたことを心から感謝致します」



 ユグの言葉に、花の精霊は跪いたまま、



「ユグドラシル様、私は貴女様より下位の精霊です。この楽園は、これより貴女様のものです」



 と言った。

 しかし、ユグは



「私はこれより、リリー様にお仕え致します。この楽園で微精霊達と共に貴女様がこれまでのように管理しお守り頂けたらと、ユグは存じ上げております」

「ユグドラシル様、勿体なきお言葉です」



 そう言って、花の精霊は満面の笑顔で微精霊達と共に、花々が咲き誇るその場に消えていった。

 感動を呼びそうなその場面で、シルクのお腹が鳴る。



 グゥゥゥゥゥゥ! 



「ひゃっ、あっ! アイビーお腹が空いたのね」

「ワフ、フー。ワン!」

『僕じゃないよ。シルクでしょ』


「アイビー大きな声で、言わないでよ」



 流石のシルクも、恥ずかしさを隠しきれなかったようだ。

 ユグが俺の元に来て



「リリー様、私は呼ばれればいつでも参ります。ですので、リリー様の元に戻って良いでしょうか? 急激な進化の影響で、私自身の魔力が不安定となっておりますので……」

「うん、いいよ。ユグちゃん、ゆっくりお休み」

「リリー様、ありがとうございます」



 そう言ってユグは、俺の中に消えていった。

 俺はシルクがお腹を摩っているので、早速石畳に家を創造することにした。

 実は、俺の中で家のイメージはかなり出来ていたのだ。

 前の世界で、以前訪問した豪奢なモデルルームの一軒家と高級リゾートホテルの内装が――そのイメージを勘考しスキルを口にする。



「【【絶級建築創造】】」



 スキルを唱えると大きな広場の石畳に豪奢な一軒家が建った。

 俺は念の為に家の周りにも、防壁を張り巡らせた。

 中に入ると巨大なリビングに、巨大で豪華なコの字型のソファーとテーブルがあり、ダイニングには、落ち着いた木目調に豪華な肘掛けが付いた椅子が十脚ある。

 右少し奥には、オープンキッチンと大型冷蔵庫と冷凍庫があり、奥に有る扉を開くとトイレがあった。


 トイレも大浴場内にあったトイレ同様、ウォッシュレット付水洗トイレだ。

 左奥には扉があり、扉を開けると巨大な部屋に一つだけ大きなキングサイズのダブルベッドが置いてあった。

 その部屋を出て左奥に行くと、扉が有り、扉を開けると通路が有り、通路の行き止まりには、右側に入口が2つ有って男洗面台と女洗面台に分かれてある。

 その洗面台の奥の扉を開けると、俺が以前創造した大浴場とほぼ同じ作りであった。

 但し、温泉は付いていなかった。


 二階には大部屋が六つと、小部屋が十六室有り、小部屋側の中央には寛げる巨大なソファーが並んでおり壁際に巨大なスクリーンシアターが有る。

 備え付けてある小型魔道具で撮影した物を録画又はリアルタイムで映し出せる仕様のようだ。

 部屋には、各々個室のトイレとお風呂が付いており、部屋の大きさに合わせたサイズだった。

 大浴場同様、外から見る外観と内装の広さや部屋数が明らかに一致しない――女神の身体(ウツワ)にある職のスキルだ。うん、考えないことにしよう。

 シルクが、豪奢な椅子にはしゃぎだす。



「うわー。何これ。何これ! ひろーい。椅子がフカフカ! ゴロゴロ出来る!」

「皆、食事の用意をするから寛いでいてね。食事が終わったら今日はここで休むね」

「うにゃん」

「ワン、ワフー! クウーン」

『リリー様凄いです! フカフカで気持ちがいいです』



 俺達は食事をしてから、大きなお風呂でゆっくりと寛いだ。

 俺は、寝る前にゴスロリ服セット(黒色)をアイテムボックスの洋服専用修復ボックスに収納する。

 そしてどんな所でも快眠できる、お気に入りの着ぐるみセットに着替える。


 わん。わん。わん。何匹ものアイビーに似た、可愛い幼狼が現れ尻尾をフリフリさせる。

 俺が寝転ぶと、可愛い幼狼達が群がり顔をペロペロ舐めてきて至福の一時を与えてくれる。

 ぼっふん! っと、幼狼の幻影達が消える。

 そこに現れたのは、デフォルトされたアイビーの着ぐるみを着た俺だ。

 お着替え妄想タイム終了。

 二階にも部屋は有るが、一階に有る大部屋のフカフカなキングサイズのダブルベッドが気になり皆と一緒に眠った。



        ※ ◇ ※



 次の日早く起きて、皆で食事をする。

 お風呂に入り、いつものように服を着替える。

 雲の上にそびえる、幻想的な古の天空城。

 天空城の城内には美しい薄紫色の花々が咲き誇り、俺はそこで両手を広げる。

 すると、薄紫色の花弁が舞いちり、姫ロリ服セットを纏った俺が現れる。

 お着替え妄想タイム終了。

 この服も身体(カラダ)に力が(ミナギ)る。

 気品溢れる姿に不釣り合いな位に、歴戦の狂戦士の如く(ミナギ)る力だ。


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 姫ロリ服セット        (薄紫色)          使用中●


 -【専用神武具】

    双槍 神槍ゲイボルグ

       神槍ドゥヴシェフ

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――


 今日は、姫ロリ服セット(薄紫色)だ。

 まるでお姫様が着るような美しい紫色のドレスだ。

 でも下が通常のドレスと違い少し短い。

 他の服セットよりは、若干長いが……。

 まあ、そこが女神サラ様から頂いた、完全なドレスと違う点と言えるだろう。

 ただ、フリフリやレースが沢山あり可愛さがいっそう際立つ。


 因みに髪型は、ギブソンロールであった。

 ギブソンロールとは結んだ髪の結び目に穴をあけ、中に髪の束を押し込めていく技法のスタイルだ。

 そして神武具……本当にロリコンヤロウの伝説の神武具の(コダワ)りが凄まじい。

 この武器を持って戦うと、まさにマーダープ○○セスになりそうだ。

 俺が姫ロリ服を着ると、シルクが突っかかってきた。



「ちょっと、ちょっと、ちょっとぉー」

「どうしたの? シルク?」

「リリー? そんな可愛いドレス、どこで手に入れたのよ? まさか、他にもドレスが有るなんて言わないわよね?」

「え? サラ様に頂いたドレスは、いっぱいあるよ?」

「私慌てて来たから、妖精の城から同色のフェアリードレスしか持ってきてないのにぃー」



 確かに俺達が妖精城から出る時、シルクのことをすかり忘れていてシルクが慌てて城から来たことを思い出した。



「今度、シルクに似合いそうな服を探すから。ね? ね? 泣かないで」

「グスン。泣いてないわよ」



 シルクが溢れそうな涙を、必死でこらえている。

 シルクの服、早急になんとかしないと……。

 でも、シルクが着ることができる小さな服売っているかな? 

 職に裁縫があれば何とかできるんだけど、そう都合よく職なんて無いよね……。

 俺が今度服を探すと言ったことで、シルクの機嫌が治ったようだ。

 まあシルクの服は、おいおい考えるとしよう。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シルク「リリーもついに、召喚できるようになったわね。おめでとう」

リリー「シルク、ありがとう」

シルク「でも、花の精霊なんて珍しいわね。普通は私みたいな四属性の風精霊や

    火、水、土の精霊が多いのよ」

リリー「そうなんだ。でも、うちのユグちゃん可愛いよ」

シルク「私の、風精霊ちゃんも可愛いわよ」

    俺とシルクが言い合っていると、俺達の後ろで風精霊とユグが顔を見合

    わせ、恥ずかしそうにしていた。

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