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元魔王メイド以外の女の子に初めて話しかける?




 う、うむ、本当にどうしたらいいんだぞ……また空間魔法で犬を戻したいが、犬もご飯を食べたさに戻ってくれる未来が見えぬし、寧ろ勝手に戻って来そうだぞ。



 戻らないと足の2本切り落とすぞと言うのも、酷い事をしないと言ったばかりで凄く言いずらいし……うぅむ、本当にどうしたらいいんだ困ったぞ。



 「よ、良かったぁ……えっと、どんな女の子かは、私も分からないよ? 喋ったことも無いし、それに私を見ても絶対に怖がらないから、きっと大丈夫だよ? 多分きっと! 私ほど、大人しい犬はどんなに世界を回ろうともいないし! 逃げられたら逃げられたで、追いかければいいしなんの問題も無いよ。だから早くご飯を貰いに行こう!」



 や、やはり戻ってはくれないか。追いかけたら余計怖がられそうだが、犬には悪いが戻ってくれないなら、ここで待っていてもらおう。



 「そうだな、取り敢えず話しかけに行くぞ! それでだな、無闇に怖がらせても仕方ないし、だから犬はここで待っていてくれ。我輩だけで、話しかけに行ってくるぞ」


 「え……? 主が1人で行くの? 大丈夫? どこにいるのか分かるの? それに、主が1人でご飯を食べたりしない?」


 「我輩、犬と違ってそこまで食い意地ははっていないはずだぞ……どこにいるのか分かるってここから少し離れた所だろ? 歩いて行けば会えるから大丈夫だぞ? ちなみに少しとはどのぐらいだ?」


 「少しは少しだよ? ここから10km行かないぐらい離れたところぐらいを今も歩いているね! 本当に何をしてい……」


 「………………………………犬?」


 「ヒッ……あ、あああああ主? どどどどどうしたの!? ちょ、ちょっと本当に待って! お願い待って! 何をしようとしてるの!? さ、寒い、寒すぎるよ!」



 この犬はなんて言った? 少し、そう少しと言った筈なのだ。なのに10km? この犬はバカか、バカだな、バカすぎるはずだぞ? 10kmが少しとかおかしすぎだぞ、お仕置きで氷漬けにしてもいいはずだ。



 「大丈夫だぞ? ちゃんと解凍はするぞ? 大人しく氷漬けにされるがいいぞ?」


 「ご、ごごごらごめんしゃい……10kmとか走ればすぐだし少しだと思ったの! 悪気は無かったの! 本当なの! お腹をすかしている主に嫌がらせとか本当に考えていなかったの! や、やめてよ! 本当にやめて! お願いだからやめてよぉぉおおおお! うぅ……」


 「……はぁ、仕方ない、悪気が無かったなら許すぞ」


 「うぅ……ほ、本当……? グスッ……」



――――――――――――――――――――――――――――――――――



 さっきから、犬の様子がおかしすぎて、調子がおかしくなるぞ……

 歩き始めてから話しかけても、うんとしか応えてくれぬし……どうしたらいいんだぞ……はぁ。



 「うむ、犬? あの女の子で間違いないか?」


 「うん……」



 犬が見つけたと言う女の子は、元魔王と同じぐらいの身長に、貧しい格好をし、所々汚れている服に、長い髪の毛した金髪の女の子。



 うぅむ……食べ物をどう見ても持っていなさそうだぞ……



 「分かったのだぞ、犬は少し離れていたところで待っていてくれ、我輩が今から話しかけてくるぞ」


 「うん……」



 うむ、話しかけるのはいいがなんて話しかければ……城のメイド以外の女の子と話すのは初めての事で分からなさすぎるぞ……こ、これは不味いのではないか? いきなり知らない人に食べ物を分けてくれは意味がわからなさ過ぎて無し。



 わ、我輩に友達が入ればここまで悩まなくて済んだかもしれないが……ええい、なるようになれだぞ。



 「お、おい! そこの女の子!」


 「ヒッ……だ、だれ? こ、こんな所で何をしているの……?」


 「何をしているって、か、か家族と、さ、ささささ散歩をしているのだぞ? 見てわからぬのか?」


 「え……? 家族って君1人しかいないけど……?」



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