加奈の正体
「有難う。今日のデートは楽しかったわ。」
「家の近くまで送って行くよ。」
「本当?い・・・、ちょっと待ってね。」
加奈は暫く考えた。
「良いわ。お願い、送って。」
電車で二駅先の場所に二人は降りた。
「ここから近いの?」
「えぇ、まあね。」
ここにはタレントが住むと云われる高層マンションが建っている。
(まさかな。)
勇二は思った。
「じゃあ、ここでいいわ。有難う。」
「うん。了解また、学校で。」
「また、学校で。」
そして、日曜日の朝。勇二は加奈二Lineをした。
(暇だねぇ}
{今日も私暇なんだ)
(また、デートする?}
{ok~)
(やたーっ}
{美味しいクレープ屋さんがあるんだってー)
(良いね行こー}
{じゃあ、11時に○☆駅で集合ねーっ)
(了か~い}
二人は駅で集合し、クレープ屋に行った。
「美味しーっ。」
「うん。美味い。」
「甘いねぇ。けど、程よい甘さで、バナナも美味しいわ。」
「そうだねぇ。」
「勇二君。はい、あ~ん。」
「同じクレープなんですが。」
「もう、のり悪ーい。」
「はい、じゃあ下さい。」
「はい、あ~ん。」
「あ~ん。」
「美味しい?」
「同じ味がする。」
「ふふ、同じクレープ注文したからね。」
「別々の頼んだら良かったのに。」
「勇二君と同じの食べたかったの。」
勇二は頬を赤くして黙った。
その後、様々な所を散歩をした。
「そろそろ帰ろう。」
「そうね。」
「家の近くまで送っていくよ。」
「有難う。」
電車の中で。
「早く帰らないとお母さん心配するだろうし。」
「家に親は居ないの。」
勇二はぎくっとした。
「ゴメン。いけないこと聞いたね。」
「違うの。離れて暮らしているの。」
「えっ、どうして。」
「私、ここでやりたいことがあって来たから。」
「へぇ。そうなんだ。」
「うん。」
「凄いなぁ。夢を追いかけてるんだ。」
「まぁ、そうなのかな。だから、いつも家は独りなの。」
(えっ、それって・・・。)
勇二の心拍数が上がった。
「だからね。寂しいの。」
「うん。」
「だから・・・。」
「だから?」
「勇二君みたいな彼氏がいて良かった。」
「え、あっ、うん。」
(なんだ、家にお呼ばれじゃないのか~。)
勇二は落胆した。
「有難う。ここまでで良いわ。」
「うん・・・。」
「どうしたの?元気ないわ?」
「うんうん。何でも無い。」
「彼女の私に言えないこと?」
「だからね・・・。」
「だから?」
「その・・・。」
「うんうん。」
「家に行けたらなぁと思って・・・。」
加奈は赤面した。
「まだ少し早くないかしら?」
「そ、そうだよね。ゴメン。」
「じゃあね。」
勇二はため息をついた時、
「きゃっ。」
彼女は躓いた。
「大丈夫、加奈。」
「大丈夫。勇二君。痛っ。」
「あっ、膝から血が出てる。」
「大丈夫よ。これくらい。」
「ダメ。ほら肩貸して。」
「・・・はい。」
加奈は軽く足を捻挫していた。
そして、勇二が加奈を運んだ先は、
「なん・・・だと。」
そこは例の高層マンションだった。
「ビックリした?」
「うんうん。ビックリしとないよ。」
そして、部屋の前まで連れて行った。
「ちょっと待っててね。」
「う、うん。」
暫く待っていると、ドアがバタンと開いて、
「勇二君!!」
「どうしたの加・・・奈?」
「ゴ、ゴキが・・・出たの!ねぇ聞いてるの?勇二・・・君?」
「君は、確か信濃・・・夏帆?」
「えっ?」




