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お前の坊やの魂を頂きに行くぞ!

作者: 七瀬





私の名前は、『北山 加奈美』39歳、やっと待望の子供が私の

お腹の中にデキたのよ!



私と旦那さまは、元々高校の時の同級生でお互い初めて付き合った人。

そして、高校を卒業しても私達の関係は変わらなかったの、、、!


大学は、お互い別々のところで遠距離恋愛にもなったけど、、、?

【別れる】という考えは、お互いなかったの、、、!


何処かで、私達はお互いを必要としていたし、、、!

結婚相手は、【彼だと】漠然と決めていたから、、、!!!



・・・後で彼に聞いたら?

彼も私と同じ考えだったらしいわ、、、!



でも結婚して、、、。

10年以上は、子供を授かる事が出来なかったの、、、!


彼の義理のお母さんにも、よくこう言われたモノだわ、、、!


『加奈美さん! いつになったら、、、? 孫の顔を見せてくれるの、、、?

待てど暮らせど、時間ばかりが過ぎていくのに、、、孫を抱っこする事も出来

ないなんて! どうしたものなのかしらねぇ~』

『・・・スミマセン、お母さん! 私達も努力しているんですが、、、? 

なかなか? 子宝に恵まれないといいますか、、、。』

『稔彦! お前が、しっかりしないから! 孫の顔が見れないんじゃないの!

もっと、加奈美さんの力になってあげなさい!!!』

『・・・分かってるよ、お袋!』

『・・・・・・』



1年に数回、彼の実家に帰ると、、、?

こんな話ばかりになる...。



勿論! 義理のお母さんの話はよく分かるのだけど、、、?

こればっかりは、どうしようもないことなの......。



だから! 私と彼とで、思い切って【不妊治療】を始める事にしたの、、、!

・・・それが、今から8年前のことよ。




それでも、なかなか、、、?

子供が出来なかった、、、。



でもやっと! 子供を授かる事が出来たの、、、!

それが、私が36歳の時だったのよ。


今では、その子も大きくなって! やんちゃな男の子なんだけどね、、、!

この子も、もう直ぐ4歳になるのよ、、、!



私達に、子供がデキた事で義理のお母さんもやっとおばあちゃんになれたと!

物凄く喜んでいるのよ~!


今では、私に義理のお母さんがこう言うわ、、、!


『加奈美さん! 今まで、本当にごめんなさいね! でもこうして孫と一緒に

遊べるなんて! 最高に嬉しいのよ~ 本当にありがとう、加奈美さん!』

『・・・いえ、そんなお母さん! 私こそ、本当にすみませんでした。 理生も

おばあちゃんと遊べて、“本当に楽しいって”言ってましたよ~!』

『あら? 理生が、そんな事を言ってくれてたなんて! 嬉しいわ~』





やっと、理生がデキてからは、、、?

義理のお母さんとの関係もかなり改善したの、、、!


それだけじゃない、、、!


近所付き合いでも、親戚同士でも、彼の職場でも、私達に子供がデキた事で

幸せしかないぐらい、、、! みんなから祝福されているわ!


晩ご飯も、外食することも増えたし、、、!

家族旅行もよく行くようになったわ、、、!


何より、土.日は、、、?

家族3人で、何処かに遠出に出かけるようにもなったのよ!


彼と2人きりの時には、感じた事もない喜びを息子がいる事で感じているの!


【なんて! 幸せなんだろう~】ってね!



でも、理生が4歳のお誕生日の日、、、。

理生がベットで寝ている枕元に出たの、、、!


はじめは、信じられなかったけど、、、?

理生の叫び声が聞こえて、、、。

【ギャーーーーー!!! お母さん! お母さん! 助けて~!!!】


私はキッチンにいたんだけど、、、?

理生の叫び声で、私は直ぐに理生がいる子供部屋に走って行ったら、、、?

いたの! コイツが、、、!?


【・・・死神だった!】


『この子の、魂をもらいにきた! さあ~差し出せ~! 俺に魂を、、、!』

『止めて! 止めて! お母さん! 助けて!』

『理生には、指1本触れさせない! この子は私達の大切な子供なのよ!』

『うるさい! もう、決まってる事だ、、、!!!』

『嫌だ! 嫌だ! 行きたくない! ぼくここにいたいよ、お母さん!』

『えぇ! 絶対に死神なんかに! 理生を連れて行かせないわ!』





私は、理生を抱っこして急いで玄関まで走って逃げることしたわ、、、!


【ハァ~ハァ~ハァ~ハァ~】


『もう、大丈夫よ! ここまで来たら、アイツも追ってこないわ!』

『うん!』


私が抱っこしていた理生を下に降ろして、、、。

玄関先でカギを開けて、チェーンを外していたの、、、!




・・・その頃、死神は私の大切な息子の魂を連れててしまったの、、、!


私はドアを開け、また理生を抱っこして逃げたわ、、、!

後ろを一度も振り返らず、がむしゃらに逃げたの、、、。



・・・でもこの時、もう既に理生の魂は死神に連れて行かれたと言うのに。

あの時の私は、全く気づいてあげれなかったわ、、、!




この日を境に理生は、、、。

何時も、ボーっとして毎日、空を見上げているの、、、。

私や夫が、理生に話しかけても上の空で聞いていないのよ!

以前までの、理生はもういなかったわ、、、!


まるで、魂が抜けたかのように...。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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