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詩「カーニバル」   2018 5 25

作者: konoe sakuta

「カーニバル」    2018 5 25



時よ

何も変われないのは私のせいなの

「そんなつもりはなかった」

「そんなことは言ってはいない」

「でも君が俺の言うことを理解できなかったのは俺の責任」

っていって責任を擦り付ける

神妙な顔をして私は受け入れるふりをする

だってどうしようもないじゃない

誰に何をしてもらえばいいの

また誰かにすがってるって陰口言われて肋骨が削られていく


信仰はないのこの国では神の名において人を笑う

取り巻きがいて取り巻きの下に取り巻きがいて

どこまでも取り巻きの関係の中の私は何番目

ジプシーにもきっと順位がある

私は知らないうちに争いに巻き込まれてオペラを歌う羽目になる

私は知らないうちに歯を磨いて彼とキスする羽目になる


夕べの中華は冷えていた

かたまったヌードルをスティックでかき混ぜる

こんなぺライ大人になるつもりはなかった

人の顔色をみて失敗して勝手に責任取らされて押し付けられる

私も冷えている

チョップスティックス

自分で自分はかき混ぜられない

油にまみれて動けない


廻る廻るよ乗せて頂戴

何も心配がないと言って

目指していた場所はここではないけれど

無邪気な私のあの頃を

飛び跳ねながら期待した

小さな鼓動が高鳴って未来を祈ったあの頃を


町の端に私の詩を隠しに行く

奪われる前に

踏みつけられる前に私の拙い詩を隠しにいく

絶対に見つからないその場所は明日には皆にバレている

私の絶対的な感性が橙色のゼリーでできた塔のようにぐらっぐらに揺れている

カブトムシのえさになる


跨線橋の下に野宿した少年たちが町の脱出をたくらんだ

彼らは連れ戻されたけど良き日の旅になったに違いない

私は野宿もしなければ家出もしたことがない

今もまだこの町にいて過去と現在に翻弄される


明日は100ドルもってギターを買いに行こう

青春に買えなかったものをひとつずつそろえて

部屋に詰め込もう

足の踏み場がなくなるまで

情けなさの置き場所がなくなるまで

ポップコーンにまみれる

ロリポップで浴槽を満たす

チェリーコークを植木にそそぐ


捨てられる

この予感は外れたことがない

近いうちに

ひょっとするとギターを買う前に

私は愛に残ったローンをこれからも払い続ける

試しに彼の家に行ってみて

いろんな女に順番がつけられている

私の写真に喪章がつけられている


私の仮面はとれないの

誰もが仮面をつけ列をなす

終われば仮面をはずして来年までを過ごしていく

私は仮面をつけ続け顔色を隠して生きていく

私は仮面をつけ続け仮面にマスカラ塗ってみる


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