プロローグ
新たな挑戦した作者です。はじめましての方はどうも佐倉志保です。
高校一年生のある日、俺は一人の女性と出逢った。その女性は美少女と言える分類でクラスの皆からは注目を集めていた。と言っても俺みたいな陰キャには疎遠の人物。俺も名前や顔など覚えていなくクラスも別だった。でも一度だけ会話をしたことがあったことを思い出す。
何時の日だっただろうか。あれは確か夏休みの時に俺が先生に呼び出しを喰らったときだった。何をやらかしたって?別に大したことではない。ただ進路希望調査の用紙に専業主婦と書いていたことで呼び出された。今となっては馬鹿だなーと感じるけど俺はその時に先生にこう主張したっけ。
「専業主婦は人に負担を掛けない立派な職業だと思いませんか先生!」
職員室中大声でそう宣言したのだ。他の先生達はドン引きされてるし明らかに変な目で見られてた。担任の先生はと言うと。
「おい!稲葉。お前馬鹿か?」
「ですよね~すみませんでした。」
馬鹿だと自覚はしてたけどこうも相手に言われると悲しくなる。担任に馬鹿と言われて気にして落ち込んでいる俺にある女子生徒が職員室に入ってくる。
「失礼します。」
それが彼女と始めて顔を合わせた瞬間だった。目があったけど直ぐに反らされる。女子生徒は俺の担任に用があるようで。
「高嶋先生。この─────」
「おう、そうか。それは助かった。」
何の会話をしているのかわからないが彼女の話し方はテキパキ話し要件を直ぐ様終わらせたようだ。
「そう言えばお話の途中でしたか。私はここで失礼します。」
先生に告げ職員室を退室する女子生徒。また目が合う。でもとても美少女だったな。相当男からコクられていると想定できるぐらいの可愛さ。それに完璧過ぎる会話上手。すげぇー!
関心していると担任の高嶋先生が俺に向かって。
「お前もな、彼女を見習え。」
進路希望調査の用紙は返却され明日までに訂正することになった。特に将来の夢が無いのに書けって無理がある。
「はぁ~ついてないな。」
校庭に置かれているベンチに座ってため息をついている。夢何てとっくに諦めてしまった俺にどうしろと。悩んでいる俺のところに先程の女子生徒が俺のところまで来る。はぁ?何故、俺のところに?
「どうしたんですか。何か悩み事でも?」
彼女は優しく俺の隣に座って聞いてくる。突然の事に戸惑っているが一様彼女に今の気持ちをぶちまけよう。
「悩み事と言うかこれからの将来の夢って感じですかね。」
人様の夢について興味なんか無いだろうが何かは返してくれるだろうと期待はしていた。
「将来の夢について悩んでたのね。そうね───やっぱり貴方がやりたいと思えることをすれば言いと思うよ。貴方もやりたい事、一つぐらいあるでしょう?」
やりたい事───確かにある。昔から憧れていたあれをもう一度やりたいとは思わない。でも......。
「ありがとう。何か君に言われて元気になれたよ。俺、行くわ!」
「あ.....」
俺は落ち込んでいた表情から元気を取り戻し、彼女に礼を言わずに走って家に帰った。あの時、あの子は何か言いたげな表情をしていたけど今じゃ何を伝えようとしたのか知ることも出来ない。
何せ彼女は一年の冬に転校してしまったのだから。だから俺は名前も顔も今じゃ良く覚えていない。もし、もう一度、あの子に出逢えるのなら今度こそ夢を見つけて出逢いたいと思っている。
まさかもう一度出逢う日が来るとは今の俺は何も知らない。
実は今日の朝にこの話を思い付いたんですよ。面白そうなので作りました♪