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ひこうき雲  作者: Aoi
3/5

A-2

僕の通う高校のクラスには約40人ぐらいの生徒がいるけれど、皆住んでる場所はばらばらで日本全国から毎朝集まってるようなものだ。


義務教育の小学校・中学校は歩くだけで通える地元の学校に通うのが普通だが、学力・専攻・特色が幅広い高等学校からは全国の中から選択するのが今では一般的だ。


こんな僕にも地元の小中が一緒で仲良しだった女の子の友達、いわゆる幼なじみがいる。


高校生になった今では、別の街の別の学校に通っているのでしばらく会ってはいないが。


彼女と僕はずっと昔から空への憧れを持っていた。


よく二人で、公園のジャングルジムのてっぺんから空を見上げて想像していたっけ。


「ねえねえ、ほんとに大昔はおっきな飛行機が空の高いところを飛んでたのかな」


「ああ、ほんとだよ。ぼくたちが思ってるよりずーっとずーっと高ーいところを飛んでたんだよ。ジェットエンジン音とひこうき雲を残してさ」


「それって何かすてきね」


「うん、ぼくは画像でしか見たことないけど……。いつか本物を見られないかなぁ」


「わたしも見てみたいな」


「いつかそんな日が来たらいっしょに見よう」


「うん、見ようね」


「やくそくだ」



率直に言うと、僕は彼女に恋をしている……と思う。

正直、僕の人生において今まで明確に恋をしたと思ったことは一度もないから確信がない。

小さい頃から彼女のことはもちろん好きだったし、一緒にいてすごく楽しかったんだけれど、どこからが恋といえるんだろう。


僕にはさっぱり判断できない。


ただ、一つだけ確かなことがある。


僕は彼女に会いたいんだ。



『私は実験が成功した時のことを、あの日の喜びを、今でも鮮明に覚えている。

これでやっとあのひとに会える、すぐにでも会いに行けるんだ、と』



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