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黄金の魔女王  作者: 釣り師
90/92

第90話 戦勝パーティー

二作目の山親父の異世界堪能記も

投降始めましたので、間隔が開いて

しまいます。ゆっくりやりますので、

我慢して下さい。

 ピューマ砦に戻って、ピエル王子が戦勝祝いのパーティーをするから、出席して欲しいと連絡があり、サエと弟たちの白飛狼三匹はどうするか聞く。

 「我らは、まだ人化は出来ないし、多くの人間の中に居るのは苦痛でしかない。出来れば、砦の裏の岩場に待機していたいが。」と言うので、

 「解った。じゃあ、これから狩りをするのも面倒だから、仕留めたワイパーンを一匹持っていく?」と私が聞くと、嬉しそうに3匹が首を縦に振る。異空間収納から、ワイパーンの死体を一つ取りだし、サエたちに持って行かせた。私たちは、捕虜を連れて先にピューマ砦に向かったピエル王子たちの後を追う。


 ピューマ砦中央の広場には、沢山のテーブルが並べられ、食堂の担当者たちが、忙しく料理を並べていた。食材庫を空にする勢いで料理が持ち込まれている。この前のワイパーン焼肉大判振舞いの比ではない。酒樽も各テーブルの上に置かれ、兵士たちが、いまかいまかと待ち構えている。そこにピエル王子が現れた。

 「皆さん、お待たせしました。今日は、ドキコア軍10万を戦わずして、追い返すことが出来、イルマニア水軍を壊滅させたカムール王国の大勝利を祝して、ここに戦勝パーティーを開催します。本日は無礼講です。心行くまで飲んで、食べて下さい。」王子の挨拶が終わると、「ウオー・・」と兵士たちの雄叫びが挙がり、広場に雪崩れ込んでいく。遅れてはならじと、シロエとクロシアと目配せして目的の料理を目指し突入した。私の目的は、真白な柔らかそうな山積みされたパンである。男共は、ステーキやシチュー、焼き鳥や串焼き等に集中しており、その隙を狙い、山積みのパンをごっそりと異空間収納に取り込む。それから、ゆっくりと割合空いているサラダコーナーに赴き、ポテトサラダと野菜サラダを皿に盛る。久しぶりの新鮮な野菜と、ポテトサラダに舌鼓をうっていると、既に顔を赤くした二人の女が目に止まった。キーマさんとママである。赤い顔で真剣に話し合っているが、どうせ碌なことではないと思うが、気になる。盗聴魔法でこっそり聞き入る。

 「マリア様、アリアナ様はまだ10才そこそこですよね。それなのに、何であんなに沢山の魔法を使えるんですか? 私は獣人ですが、魔力量に恵まれていたので、15才でハンターにデビューできました。それからキャスルに指導してもらい、少しずつ魔法の威力や種類を増やしてきたんです。20才のころでも、本来得意だった。土魔法以外は殆ど役に立たないものでした。それを考えると、10才そこそこで、全ての魔法に秀でており、転移魔法のような古代魔法まで使いこなすうえ、私やキャスルに聖杖まで作ってくれた錬金術というのか、魔法工作術などにも優れていることが、理解できません。どうしたらああなれるのですか?」とママを問い詰めている。何て答えるのか気になっていると、

 「アリアナは生まれた時から、大魔導師ヨシア様に教育されているの。私さえ弟子にしてもらえなかったのに、黄金の女神アリアさまの加護をもって生まれてきたおかげね。丁度、アリアさまが、呪樹海を解呪された時に生まれたのが、原因かもしれないわ。まだ10才のくせに、私より大人みたいなことを言うのよ。本当に生意気なんだから。絶対5,000才のお爺ちゃん知識でおかしくなったんだわ。」と、大魔導師ヨシアに対しても失礼なことを言っている。

 「大魔導師ヨシア様と言えば、3千年も前に世界から姿を隠した伝説の方ですよね。そのような方が、未だに存命なのですか?本当に5千歳以上の年齢になられると思いますが、人間族にそんな長命な種族は存在しませんが?」と、エルフの国の住民であるキーマさんが当然の疑問を提示する。

 「そりゃあ、そうよ。ハイエルフでも千年そこそこの寿命だもの。只、大魔導師ヨシア様は、己の魂を維持したまま、身体をアンデッドのリッチに作り変えて、未だに魔法の研究に没頭されているわ。アリアナやシロエ、クロシアたちの、あの戦闘服も、ヨシア様の授けて下さったものよ。ただの布のようで、物理耐性も魔法耐性もあるフルプレートより強力な防具でもあるのよ。」と、ヨシアの自慢を始めてしまったママである。ああ、この二人の会話は聞く価値なしと判断して、美味しそうな匂いに誘われシチューをもらいに行く。やはりプロの料理は美味しいのである。また、追加された焼き立ての柔らかいパンをごっそり異空間収納にくすねて、シチューにしたして食べる。前世でよくやった食事方法を懐かしみながら、周りを観察する。クロシアとシロエはステーキの前から動く気配がない。オグリオさんは、ピエル王子の護衛をしている近衛兵の二人と酒を飲んでいる。誰かいないと思い、やっと、キャスルさんだけ、イルマニア戦線に置いて来ていた。ダイヤの通信用ブレスレットで、キャスルさんを呼んでみる。

 「キャスルさん、そちらは如何ですか? 出てください。」と呼ぶと、船の上のキャスルさんの姿が浮かび、目に涙をためて、

 「アリアナ様、早く迎えに来て下さいよ。このままじゃ、氷山に付いてイルマニア王都まで連れて行かれますよ。第一王子のヘクター殿下は、全軍にイルマニア王都制圧を命じましたので、この船も夜明けとともに氷山を追っかける予定です。動き出したら転移できないんでしょ。早く迎えにきてください。お願い。」

 「すぐに行きます。待ってて」と断わって通話をきり、クロシアをステーキの鉄板前から引き出して、キャスルさんの乗る舟に一緒に転移してもらう。今の通信で位置補正が出来たのでなんとかキャスルさんの目の前に転移できた。帰りは簡単でキャスルさんの手を取り、3人一緒にピューマ砦の広場に戻った。ピューマ砦に到着したら、すぐに迎えにくるとママに言われていたようで、到着早々、キャスルさんはママに文句を言いに行った。多分、酒を飲まされ誤魔化されるだろう。



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