第84話 援軍要請
久々のアップになりました。突然の不幸事で、パソコンに向かう
時間を取れなくなり、バタバタしていました。ちょっと、余裕が出
来たので、毎日は無理でもできるだけアップできるように頑張りま
す。
二時間後、竜王都の宿泊施設に辿り着くが、部屋に入ったらまだ、ママとキャスルさんは床にばら撒いた宝石選びに集中していた。オーブの代わりに通信用術式を書き込む金剛石を、横から魔術で選別して取り出すと、二人に睨まれた。無視することにした。一応50個の直径3cm程度の原石を取り込んでブリリアントカットに魔術加工を施し、全てに通信用術式を転写コピーする。こちらの世界では、ダイヤは結構多く産出されているようで、ルビーやエメラルド程に価値がないようだが、私が加工したブリリアントカットのダイヤを一目見たママとキャスルさんの目の色が変った。すぐに私の傍に駆け寄ってきて、50個のダイヤを手に取り、
「アリアナ、こんな加工始めてよ。凄く綺麗になるのね。これもヨシア様の知識なの?お願い、此処にある宝石全部にこの研磨加工して頂戴。」と勝手なことを言い出した。
「ママ、いい加減にして、先にオーブの代わりにする通信用魔道具を作ってからよ。その後にしてちょうだい。」
脹れている二人は放っておいて、異空間収納から、ミスリル銀を取り出しブレスレットを作っていく。50個作ってから、通信用術式を転写したダイヤを組み込んで、完成する。ママとキャスルさん、オグリオさんとクロシア、シロエ全員に好きなものを一つ選んでもらう。たった一つ選ぶのに、50個作るより時間がかかってしまった。
私の爆発限界寸前に、皆一つ選んだ。腕に装着してもらい、私もひとつ適当に選び腕に巻く。
「皆、これは通信用の魔道具です。相手の顔をイメージするとその人と通話できます。もちろん装着者同士でないと使えませんが、距離は関係なく通話できます。防護結界にも影響されないようです。元々、大魔導師ヨシアが、オーブに組み込んだ術式ですので、ハンターギルドにある通信用オーブとも通話できますので、キャスルさん、エデンのハンターギルドと通話してみて下さい。それを手首に巻いて、相手をイメージすれば繋がります。」
キャスルさんが、手首のダイヤを見詰めていると、その前にエルフの男性の姿が現れる。キャスルさんの姿が見えたようで、驚いて話しかけてきた。
「キャスルさん、どうしたんですか?竜王国に居るんですよね。」
「うん、そうよ、新しい通信魔道具が手に入ったので、テスト的にハンターギルドを呼び出してみたの。ギルドマスターは元気?」とキャスルさんが聞くと、
「ちょっと待って下さい。すぐにギルドマスターを呼んできます。至急キャスルさんに連絡をとるように言われていたんです。竜王都のハンターギルドには、言伝をお願いしてたんですが、まだ、行ってないんですね。いや、キーマさんに連絡するのが先だ。待っててくださいよ。」と言って姿が消える。少しすると、キーマさんの姿が浮かび上がった。余程急いできたのか、息があがっている。
「良かった。連絡が取れた。キャスル、すぐにエデンに帰って来てちょうだい。できたら、オグリオ近衛隊長も一緒によ。」と慌てて帰れと言う。
「何よ、キーマ、どういうことなの?理由を教えなさいよ。」
「カムール王国が大変なことになってるのよ。裏でワグル帝国が糸を引いてるようなんだけど、イルマニアと、ドキコアが、カムールに侵攻してきたの。東部と南部同時に侵攻なんて、ワグル帝国のさしがねとしか考えられないでしょ。で、カムール王国から、エデンに援軍要請が来たので高ランクハンターの派遣が決まったの。だから、早く帰って来てちょうだい。お願い。」
「キーマさん、私、アリアナだけど、キートのハンターギルドにも要請依頼きてるのかな?なんなら、転移ですぐに戻れるよ。」と私が割り込むと、
「良かった。アリアナ様、すぐにキートのお父様に連絡してください。同じ養成がクミロワ大公国にもきてる筈です。なんでもドキコア軍には、ワグル帝国の飛竜隊も参加しているようです。クミロワの辺境地帯での奴隷狩りが出来なくなったワグル帝国が、カムール王国を狙ったようですから。」
「解った。一旦通話を切るね。」私はすぐに、父イルシャに思念を送り確認する。
『パパ、今エデンのキーマさんに聞いたけど、カムールから援軍の要請は来てるの』
『ああ、アリアナか?、クミロワ大公国あてに、ハンターギルドの通信で来たようだ。しかし、余りに遠いので間に合うか微妙だな。』との父の答えに、
『じゃあ、お爺ちゃんに、私たちが、行くから心配しないでって言っといて。』と
連絡を頼み思念通話を切る。ママの方を見ると、「最近、手応えのない敵ばかり相手させられてたから、ちょっと遊べそうね。」とのたまった。
「私は、すぐに竜王様に謁見して、カムールの状況を報告してから、すぐに転移でエデンのハンターギルドの戻るわ。それから、キャスルさんと白飛狼に乗ってカムールまで飛んでから、転移で皆を迎えに来ようと思うの。クロシアも転移魔法が使えるから、3日も有れば迎撃できると思うんだけど、どうかな?」と皆に問いかけると、「そうしてもらえると助かる。アリアナ様お願します。」とオグリオ隊長も同意してくれた。
私とママは、すぐに竜王城の前に転移し、竜王マーロン様に思念を飛ばし、謁見のお願いをすると、すぐに扉が開き、紅竜将軍オーラ様が出迎えてくれ、待つこともなく竜王マーロン様に謁見することが出来た。カムール王国の現状を説明し、すぐにエデンに帰り、カムールへ飛ぶため、お暇することを報告する。竜王様が、東方軍を援軍に差し向けようかと言ってくださったが、私たちだけで充分ですからと、辞退してすぐに宿泊施設に帰り、フロントにすぐ旅立つことを連絡し、サエたち白飛狼3匹も一緒にエデンに転移する。




