第8話 大公も公子も何か軽くない??
昨夜もビジー状態でつながらなかったので、
ちょっと短いです。
実際、まだ言葉が話せないので、おじいちゃんと、伯父さん達のドアップにさらされ、固まってしまった。てか、クミロワ大公国の元首と、その息子4人揃って、どこに来てんのよ。と、話せたら問いたい。
「なんと、可愛いんじゃ。アリアナは、天使じゃな。マリアさん、あんなバカはもう放っておいて、宮殿に来ないか? 二人とも、我が大公国の至宝なんじゃから、そうせんかの?」と、大公がいえば、
「そうだ!そうだ!イルシャなんか、捨てていいぞ。」と、4人の公子が口を揃える。
「うん。儂が許す。ハイエルフに等しい程の魔力を持った、クミロワ大公国の次期女大公が生まれたんじゃ。魔族界を統一して女王にしてやるぞ。」
「何を仰るんですか。お父様、冗談に聞こえません。」と母マリアが諌めるが、
「儂は、本気じゃぞ。なあ、お前たちもアリアナのためなら、頑張れるじゃろう。」との大公に、
「もちろんです。我らに辺境の脅威から守られ、のうのうと暮らす長角族の魔族達が国など、我らが敵ではございません。」と、第一公子が答える。一瞬にして、部屋の温度が下がる。ポリーさんは何故か俺を抱いたまま、大公と、公子達から離れる。
『何なんだ?この血も凍るような冷気は。』周りを覗って俺は見てしまった。
『母ちゃん、怖い。』
「大公様、公子様方には、じっくりお話する必要があるようですね。」母マリアの冷たい言葉が響く。
「いやいや、初めての孫娘に会えて、ちょっとはめを外しただけじゃ、のう、おまえ達もそうじゃろう。」おじいちゃんは、慌てて、弁解しているが、
「居間の方で、お話しましょうね。どうぞこちらへ」すこし霜に覆われた5人がすごすごと引かれていく。
「怖かったわねえ。あなたも大きくなっても、ママに逆らっちゃダメヨ。あなたのママは、異名【白銀のブリザード】って呼ばれていたAランクハンターなのよ。嘗て、他の魔族の国々が示し合わせてクミロワ大公国に侵攻してきたことがあったの。そのとき大公や公子方は、それぞれ軍を率いて敵をコテンパンに叩きのめしていたの。バカよね、オークやオーガの群れを暴走させたぐらいで、クミロワ大公国の軍勢に対抗できるわけ無いのに、侵攻してきた5カ国は、反対に領土を削られ降伏したの。でも、その時、全ての軍を南方に配備していたために、大公都キートの北部辺境に魔樹海から弾き出されたSランク魔獣が進入してきたの。キートのハンターギルドが総動員をかけたんだけど、Cランク以上のハンターは皆、南方の戦場に軍の依頼でいっちゃっていて、誰も集まらなかったの。その時ニューエルムから遊びに来ていたマリアが、一人で討伐にいって、Sランク魔獣のギガホーンを氷漬けにして、討伐しちゃったの。その事があって、大公様も、公子様達も【白銀のブリザードは、キースの守り女神様】と思っているから、頭が上がらないみたい。それに、城から飛び出して、ハンターになって遊び回っていて、勘当された第5公子のイルシャ様と結婚してくれたので、よけいに頭が上がらないんじゃないかな。あら、バカよね、生まれたばかりのアリアナちゃんにこんな話わかるはずないか。」と、苦笑しながら、ポリーさんは、俺をあやしてくれる。
『大変よく解りました。』と心でこたえ、居間の方を覗うと、もうお説教は終わったみたいで、5人がこちらにかえってくる。落としていた肩が、俺の顔を見た途端、元に戻り、
「アリアナのママにしかられちゃったよ、もう、変なこと言わないから、またアリアナに会いにくるよ。飛竜に乗って5人も飛んできちゃ、ダメだよね。次からは、おじいちゃんだけ来るからね。」
「父上、それはないでしょ。みんなもアリアナに会いたいんですから、一人だけ、抜け駆けさせませんよ。」と、第1公子に突っ込まれている。
「そんなことより、早くお帰りにならないと、暗くなってしまいますよ。飛竜といえども闇夜に飛ぶものではありませんよ。」




