第77話 オグリ山
自治会の仕事が急に飛び込んできました。
パソコンの前に戻れず、2日間もアップ
できませんでした。ごめんちゃい。
神聖杖なんてものを、作って、竜王陛下に献上した後、しばらくお城の竜王様の
部屋で歓待を受け、宿泊施設に帰ってきた。竜王様への謁見も終わり、明日から自
由に観光できると、何故か付き添い役になってしまった青竜アクア様から、聞いた
ので、明日以降の予定を皆で話し合う事になった。当然一番大きな部屋として私た
ちのスイートルームの居間に全員集合した。
「キャスルさんとオグリオさんは、明日の予定を決められていますか?」私が聞
くと、「私は、竜王都にもハンターギルドが有ると伺いましたので、一度行って
みようと思います。」「で、オグリオさんの予定は?」「はい、アクア様にお願
いして、兵の訓練場を案内して頂くことになっています。」「ふうん、皆予定が
有るんだ。今日、竜王様から、竜王都の南210キロのところにあるオグリ山と
いうオリハルコン鉱山を貰ったの。何でも魔物が多くて採掘が危険なんだけど、
オリハルコン鋼が1万t以上ある鉱山なんだって。で、私たちちょっと見に行こ
うと思ってるんだけど、ママはどうする?」「そうね、面白そうだから、行って
見ようか。でもオグリオさんも名前が同じなんだから、一緒に行ってみたらどう
かな?」とママが誘うと、「はい、これからアクア様に連絡して、日程を変更し
てもらいます。私もその名前に共感が湧きましたので、是非、ご一緒させて下さ
い。」と参加することになる。キャスルさんも慌てて、「ハンターギルドは何時
でも行けますので、私もお供させて下さい。」と、結局全員参加に成ってしまっ
た。「じゃあ、明日の朝一番に私たち3人がサエ達に乗ってオグリ山に飛んでい
って、山小屋と厩舎を設置してから、私が転移で戻って皆を山小屋に転移させる
ようにするけど、それで良いかな?」全員頷いてくれた。翌朝、私たち3人は、
サエと2匹の弟の白飛狼に乗り、竜王都から南に飛んでいた。先頭を飛ぶサエに
乗った私は、周囲30キロのサーチをかけて警戒しながらの飛行である。時たま
ワイパーンらしきものが、サーチに掛かるが、3匹の白飛狼に気付くと慌てて逃
げていく。何事もなく1時間少しで、オグリ山が見えてきた。鉱山の所在を探す
と、麓の近くに坑道の入口を発見する。周囲50キロをサーチすると、お馴染み
のオークの集落から、オーガの群れまでいる。ただ、どちらも50キロ程離れた
場所で、さしあたっての問題は無い様だ。只、オグリ山の中腹に、メガホーンの
群れが居り、これが、山を降りてきている。坑道の入口は、柵で囲まれた砦の様
になっているが、人の気配はない。少し前に放棄された様な状況だ。柵の中に降
りてみる。丸太で組まれた柵は、結構頑強に造られており、内部に魔獣等の侵入
した気配はない。メガホーンの群れも、直接この砦を目指している気配ではなく、
麓の森に点在するゴブリンの集落を襲うようだ。さしあたっての危険はないので、
砦の真ん中に、山小屋と、厩舎を設置する。白飛狼の3匹が狩りをしたいと言う
ので、夕方には帰るように言って、送り出す。どうもオーガ狙いのようだ。それ
はさておき、クロシアとシロエに山小屋を任せ、宿泊施設の居間に転移する。
「お待たせ、ママ、キャスルさん、オグリオさん準備出来てますか?」と声をか
けると、3人がソファーから立ち上がる。もう一人立ち上がった人がいた。
「アクア様、どうされたのですか?」青竜アクアがどうしてここに居るのか解ら
ず、問いかけると、「私もご一緒させて頂きたいと、今、お母上にお願いしてい
たところです。オグリ山周辺は、竜王国でも特に魔力の高い地域で、魔物の種類
も数も非常に多いところです。そんな所にお客様だけで行かせる訳にはいきませ
ん。それならば、私がお供させて頂く以外ないと考えました。」
「ふうん、でも、坑道の入り口には、砦のように整備されていたし、それ程注意
しなければならないような魔物もいなかったよ。」と言うと、「いえ、今は人が
居なかったから、魔物たちも姿を隠していますが、あの鉱山では我々が雇ったド
ワーフの抗夫たちが、すでに100人以上行方を絶っています。坑道の中にも、
必ず何ものかが潜んでいるものと思います。ですから、今までの経験を全て、皆
様にお教えするように、竜王様より仰せつかっております。そのためにもご一緒
する必要があります。」と、引き下がる気配がないので、「しょうがないか、マ
マ、連れて行っていい?」とママの方を見る。黙ってママも頷くので、一緒に連
れて行くことにした。「じゃあ、皆、私の傍に集まって。」と皆を集め、山小屋
の居間に転移した。
砦の中の山小屋に戻ると、クロシアとシロエが待っていた。全員で、山小屋を出
て坑道の入り口に向かう。その序でに周辺50キロのサーチをかけてみると、オー
ガの群れが四散して、逃げ惑っている。サエ達白飛狼の3匹に襲われているようだ。
その他は、宿泊施設に転移する前と余り変わりはない。メガホーンの群れは、砦の
北側10キロ程のところを通過してしまいそうで、問題ないと思われる。さし当り、
坑道の中に何が潜むかが問題だ。サーチでは地中の探索は難しいので、検知魔法で
坑道の周辺を調査して見る。比較的に浅い部分に、オリハルコンの鉱脈が有り、深
くなるに従って鉱脈が太く大きくなっている。1万t以上と言っていたが、100
万t以上は有りそうだ。只、魔物の気配が感じられない。そのことを、ママに告げ
ると、
「中に入って出てきたら、倒せばいいのよ。地中の魔物は、気配遮断能力が高い
から、アリアナの検知魔法でも、近距離高度検知にしないと、見つけられないと
思うわよ。アリアナは、掘削錬成でオリハルコンを掘ることに集中しなさい。魔
物は私たちが、引き受けるから。」ということで、全員、坑道に入ろうとしたが、
砦の守りも必要じゃないのと言われ、オグリオ氏と、アクア様が、残り、他の5
人が坑道に入って行った。




