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黄金の魔女王  作者: 釣り師
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第74話 竜王都 

ちょっと短くなりました。

 竜王国に着いたのは、夜の9時すぎであり、暗くてどんな都か解らなかった。す

ぐに、宿泊施設に案内された。白飛狼の3匹は、竜体のドラゴンが休む建物に案内

され、私たちは、擬人化したドラゴンや、竜人族の宿泊施設であろう建物に案内さ

れる。高級ホテル並みの凄い建物にキャスルさんやオグリオ氏は目を丸くしていた

が、何も知らない私たち3姉妹はこんなものなんだろうな程度で、特に気にしてい

なかった。只、天井がやたらに高いのがドラゴンでも入れるように考えられている

と思えた。ママと私たちは大きなスイートルームに案内され、すぐに、食事をふる

まわれた。たっぷりの野菜サラダと、シチュー、スープ、肉料理に柔らかいパンと

いう人間の食事である。疲れていたが、食欲は全員旺盛で、お腹いっぱい食べてし

まった。シロエのお腹もクロシアのお腹も、横から見たらポッコリ膨れている。私

も同じだろうなと思うが、見ないことにする。お風呂に入り、身体をほぐしてから

別邸のキングサイズのベッドより大きなベッドに飛び込みすぐに爆睡した。


 翌朝、私は、胸の苦しさにうなされて目覚めた。また、クロシアが私のベッドに

潜り込み、私の身体に覆い被さって眠って居たのだ。思い切り投げ飛ばしたが、元

が猫だけに、見事な着地をする。周りを見ると、シロエもママも私のベッドで気持

ち良さそうに眠っていた。折角、他に4つもベッドが有るのに、いつもいつもこい

つらはと思ったが、諦めた。もう眠れないので、3人を叩き起こし、朝食を食べる

ことにした。朝食は皆で食べたかったので、食堂に行き、キャスルさんとオグリオ

氏を探してみたところ、既に二人窓際に座っていたので、傍のテーブルに着く。す

ぐに給仕が現れ、私たちの朝食が用意された。

 「キャスルさん、オグリオさん、おはようございます。竜王様への謁見は、午後

 からでしたよね。お昼まで何か予定が有りますか?」と聞くと、

 「まだ、何も有りません。昨夜は遅かったので、暗くて竜王都の様子がまるで解

 りませんでした。少し宿泊施設の周りを散策してみたいなと二人で話していまし

 た。皆さんは如何されますか?」とキャスルさんが答えてくれた。

 「ママ、どうする?お昼には青竜アクア様が迎えに来るから、半日しかないけど、

 どっかへ行く?」と聞けば、「面倒くさいから、ここでのんびりしてる。」と、

 思った通りの答えだった。私たち3姉妹は、お揃いの巫女装束に着替え、白飛狼

 の居る厩舎に回ってみた。厩舎とは名ばかりの、そこは洞窟仕様になった広い洞

 穴がいくつもある不思議な建物で、サキたちの部屋に案内されると、柔らかい干

 し草が敷き詰められており、白飛狼姉弟は気持ちよさそうに寝転がっていた。

 「サエ、私たちお昼から、竜王様の謁見が有るんだけど、あなた達はどうする?」

 と聞くと、「私たちは、別に竜王に呼ばれていないから、ここでのんびりしてい

 るわ。」との返事である。「じゃあ、明日から、この街の探検でもしようか?」

 と言うと、「解った。待ってる。」と言うので、3匹をそのまま厩舎に残し、宿

 泊施設の正面の道路に出てみた。目の前に真直ぐに伸びる10車線道路くらいの

 幅がある道が、北に向かって続いており、その先には巨大な岩山が聳え立ってい

 る。道の両側には、普通の人間界にある石造りの建物が建ち並び、竜人族の人々

 が、忙しく立働いている。そういえば、宿泊施設で働く人も全て竜人族の人たち

 だった。擬人化したドラゴンは見ていない。ドラゴン達は皆、街の真ん中にある

 巨大な岩山で暮らしているようだ。直径5キロ以上は有りそうなこの岩山が、竜

 王様の城であり、ドラゴン達の居住空間なのかもしれない。しかし、ドラゴン達

 は、どんな目的で、この街を作ったのか、不思議でならない。竜王と臣下は岩山

 の棲家に引き籠り、竜人族が街を運営する。なんのために?解らないことは深く

 考えないことにする。3人で岩山の麓まで行ってみる。周りに門も扉も無かった。

 有るのは切り立った崖だけである。しょうがないので、宿泊施設に帰ろうと歩き

 出すと、目の前に一人の男が立っていた。擬人化したドラゴンで間違いない。


 「こんな小娘たちに討たれるとは、赤竜ダグラーも落ちたもんだな。」と呟いた。

 「ふうん、じゃあ、あんたなら私たちに勝てると言うの? 手下と一緒にママに

 氷漬けにされた黒竜さんなら、私たちに負けないわよねえ」と、かましてやった

 ら、「なんだと、お前らは、白銀のブリザードの娘たちか。母親そっくりで、可

 愛げの欠片もないガキ共が。大人に対する口の利き方も知らんようだな。」と喚

 きだした。「あら、私たちは尊敬に値する大人には、それなりの対応をするよう

 に心がけておりましてよ。」と言い返してやると、「ふん、都の中での私闘は、

 禁じられているから、今日はこのまま見逃してやるが、今度会ったら目上の者へ

 の接し方を、しっかり身体に教えてやる。」と捨て台詞を残し立ち去った。

  私たちは急いで宿泊施設に戻ることにした。ママに報告したら、面白いものが

 見れるとの期待に胸をふくらませ。

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