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黄金の魔女王  作者: 釣り師
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第73話 青竜様タジタジ

 翌朝、エデンのギルドマスターにお別れを言いに行くとママに言ってハンターギ

ルドに向かった。本当は、キーマさんに約束していた地竜の買い取りをして貰うた

めである。

 「おはようミレーヌさん、ギルドマスター居るかな? 頼まれてた地竜の買い取

 りお願いにきたんだけど。」と私が臨時受付嬢のミレーヌさんに言うと、

 「あ!アリアナ様、ちょっとお待ち下さい。すぐに呼んできますので。」と言っ

 て2階のギルドマスターの部屋に飛んで行った。すぐにキーマさんと一緒に降り

 てきて、「アリアナ様、今日は地竜を買い取らせて頂けるんですか?」と聞く。

 「勿論です。竜王国に出立する前に買い取って頂こうと思いまして来ました。」

 と、答え、全員で解体場に向かう。


 「よう、嬢ちゃん、また大物仕留めたのかい。今日は何だ?」といつもの主任が

 聞いてくる。「今日はこれ、地竜よ。」と言って、異空間収納から取り出す。

 「ほう、これはでかいな。首が半分落ちてるから、血は半分も取れないな。しか

 し皮も爪も牙も目もキズ一つ無い上物だ。全部丸ごと買い取りで金貨2,200

 枚ってとこだな。オークションにかけたら2,800枚位までいくが、どうする」

 と言うので、「それで良いよ。」と答える。査定表を貰い、買い取り所に提出し

 て金貨を受け取る。キーマさんも現物の地竜に満足してくれたようなので、今日

 竜王国に出発することを告げ、別れを言って宿泊施設に3人で帰った。


 少し早い昼食を済ませると、キャスルさんとオグリオ氏が迎えに来てくれた。3

週間ほどお世話になった宿泊施設を後にし、北の結界出口に向かう。1時間程歩け

ば着くのだけれど、全員を短距離転移させ、すぐに結界出口に到着する。衛兵が開

けてくれた開口から世界樹の結界を出て、少し歩いたところに、青竜アクア様が立

っていた。その横に車輪の無い馬車のようなものが、2両並んで置かれている。あ

れが、竜駕籠かと推測していた時、青竜様の周りにいた兵士が騒ぎだした。何事か

と、上空をみれば、懐かしい姿が、3つ上空を舞っている。念話で呼びかける。

 「サエなの、急にどうしたのよ?」と聞くと、「アリアナ様、やっと見つけた。

 全然、連絡くれないから、飛んできちゃった。その周りの煩い竜どもを、黙らせ

 て下さい。そこの青竜以外なら、どうとでもできますよ。弟達も退屈してたので

 連れてきました。」久々の白飛狼との再会だが、相変わらずバトルジャンキーで

 ある。青竜様に私たちの仲間だと説明して、3匹に大人しく降りてくるように言

 う。すぐに3匹の白飛狼が私たちの傍に降りてきた。

 「アリアナ様、何で呼んでくれないんですか?、私たちも仲間だって言ってくれ

 てたじゃないですか。あれから3週間以上も音沙汰がないのは、薄情です。」と

 サエが捲し立てる。2匹の弟達もそうだそうだと頷く。そして私の傍にいるママ

 に気付くと、一歩飛びのいて硬直した。「おやおや、あんた達、奴隷狩り討伐の

 時はありがとね。また戦闘訓練してあげようか。アリアナの治癒魔法は完璧だか

 ら、思い切り訓練しても、息があれば直ぐに治療してもらえるから、本気で相手

 したげるよ。」と声をかけられ、「いえ、白銀のブリザードさまに訓練していた

 だくなんて、恐れ多いことです。シロエ様やクロシア様にお相手していただけれ

 ば充分です。お気遣いありがとうございます。」どんな訓練をされたのか、心配

 になるほど、ビビっているよ。私は青竜様に待たせたお詫びと、この3匹も竜王

 国に連れて行っていいか尋ねた。「皆様のお仲間なら歓迎しますよ。お前たちも

 白飛狼たちに狼狽えるとは何事だ。帰ったら私が訓練してやるから、覚悟してお

 け。」と、6人の兵士に雷を落とす。「それから、今回のご招待には、私たち3

 姉妹の付き添いに母のマリアが同行しますので、紹介します。」と白飛狼たちを

 からかっているママを呼ぶ。「あら、アクアちゃん、久しぶりね。まだ私の騎竜

 になりたくならないの?一緒に魔樹海で暴れましょうよ。」と、とんでもない事

 をママが言えば、「ご無沙汰しています。私は、竜王様に忠誠を誓った身ですの

 で、そのご要望にお応えできません。今回は拙い案内役ですが、よろしくお願い

 いたします。それから、くれぐれも、黒竜ガルゴラとは諍いを起こさないように

 お願いしときます。」と言う。「ええ、ママ、青竜様と知り合いなの。何かとん

 でもない事言ってたけど。」と聞くと、「ええ、昔ね、さっき話にでた黒竜ガル

 ゴラと喧嘩して、氷漬けにしてやったの。その時謝罪とガルゴラの引き取りに来

 たのが、アクアちゃんだったのよ。私の獲物に手を出したのは、ガルゴラの方な

 んだから殺して素材の売却をしてもいいか竜王に問い合わせさせたの。そしたら

 アクアちゃんが飛んできて、謝罪と賠償を支払ってくれたので、許してやったん

 だけど、あの馬鹿は懲りちゃいないと思うわよ。元々、私が殲滅したメガホーン

 の群れだって、黒竜の馬鹿が、山中で仕留め損なったせいで、クミロワ大公国領

 に侵入しようとしたんだから、こっちは迷惑かけられた方なのよ。それなのに私

 が仕留めてから、手下を連れて飛んできて獲物を寄こせなんて、厚かましいにも

 程があるでしょ。だから手下ごと氷詰にしてやったわ。で、手下の一匹に竜王国

 へ飛んで行かせて、こちらで処理してもいいですか?と伝えさせたの。そしたら

 アクアちゃんが来て、謝罪と賠償をしてくれたので、引き渡してあげたの。黒竜

 だけは、氷漬けのままでね。氷の中で、ガチガチ震えるガルゴラの顔、傑作だっ

 たのよ。あんたにも見せたかったわ。」青竜アクア様も微妙に困ったような顔を

 している。これは、とんでもない女を付き添いにしてしまったのでは?と後悔に

 さいなまれながら、「アクア様、母は私が押さえておきますので、よろしくお願

 いいたします。サエ、あなたたちはドラゴンの兵士さんたちの後ろに付いて来て

 ちょうだい。私たちは竜駕籠で送ってもらえるから。8時間くらいかかるけど、

 大丈夫?」と聞くと、「その位、何てことないわ。じゃあ、後ろを飛んでいく。」

 元々、ママだけでカチカチのキャスルさんとオグリオ氏は先に後ろの竜駕籠に逃

 げ込んでいるので、私たちは、前の竜駕籠に乗り込む。同時にアクア様と、兵士

 6人が竜体に戻り出発した。

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