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黄金の魔女王  作者: 釣り師
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第71話 守銭奴二人

10tの金貨の枚数が一桁間違っていたので、

前々話以前も修正しています。

 楽しい世界樹祭の3日間もすぐに過ぎてしまった。お揃いの巫女衣装で、屋台巡

りを繰り返し、舞台の舞を堪能し、弓の的当てに興じた。ここに神輿でも有れば言

う事なしなのだが、この祭りには無かった。宿泊施設に戻りソファーに寛いで、

 「パパ、もうエデンでのご用は終わったの?」

 「ああ、もう話し合いは終了したよ。カムール王国とも友好関係を築けたし、後

 は、閣僚を派遣して連絡体制の強化とワグル帝国の情報収集結果の共有だな。」

 「じゃあ、明日にでも、一旦キートに転移して報告する?竜王国への招待がある

 から、ママがパパに交代しろっていってるよ。」と私が言うと、

 「ええ、パパも連れて行ってくれないのか? 何でママと交代しなきゃならない

 んだよ。」とクレームを言い出す。

 「そんなこと、夫婦のお話でしょ。私たちに言われても無理です。」と、止めを

 さすが、

 「ええ、アリアナは、パパの味方をしてくれるよな。クロシアとシロエもパパの

 味方してくれるよね。クロシア、パパのアイテムボックスには、新鮮な魚が一杯

 入ってるから、パパと一緒の方がいいだろ。」と言われたクロシアは、

 「う! お姉ちゃん、私お風呂に入ってくるね。」「私も入る。」シロエにも逃

 げられた。

 「はあ、パパ、良く考えてよ。うちの家族で、ママに逆らえる者なんて居ないん

 だから、自分で交渉する以外ないでしょ。」

 「そんな、みんな冷たいんだから。」パパが、落ち込んでしまった。


 翌朝、オグリオ氏が宿泊施設に着いて、今日、一旦キートに転移して竜王国のご

招待について、報告と許可を貰いに行ってくることを伝え、もし、青竜様から連絡

が有った場合は、今日の夕方には帰ってくることを伝えてほしいとお願いし、キー

トの屋敷に転移する。キートの屋敷の居間には、ママとポリーさんが座っていた。

 「ママ、ただいま。竜王様の鱗50枚全部確保したよ。金貨20万枚も使っちゃ

 た。」

 「おかえり、金貨20万枚なんて安いものよ。オークションに出したら、多分1

 枚で10万枚まで跳ね上がる希少品なんだから。それより、あんたたち何て恰好

 しているの。」私たちは巫女衣装が気に入ってその姿で転移してきたので、はじ

 めて見たママとポリーさんが驚いていた。私が、ヨシアに聞いた神に仕えるいに

 しえの巫女の衣装であると言うと、

 「動きやすそうで、可愛いわよ。ヨシア様に私とポリーの分も作ってくれるよう

 に、アリアナからお願いしてね。」と、注文が入ってしまった。「そのうちに、

 言っとくよ。」と答え、本題にはいる。

 「ママ、竜王国へのご招待だけど、パパとちゃんと話を付けてね。それにママが

 大公国を出るには、クミロワ大公にも報告しとかなきゃいけないんじゃないの?」

 「ああ、もう報告済みよ、私の代わりにイルシャがキートに居て、エデンでの外

 交交渉の結果報告をしてもらえば良いってことになったの。」仕事早やと出そう

 になった。

 「えええ、エデンじゃ俺ひとり会議詰だったから、娘たちとの観光も殆ど出来な

 かったのに、交代で留守番なんて、マリア、酷いよ。」とパパが泣きつくが、

 「エデンへの1ヶ月以上の旅を、自分ひとりで娘たちを独占しといて、何を言っ

 てるのよ。もう、今日から交代よ、すぐにお城の行って、お父様に成果を報告し

 てきなさい。お兄様方とも仲良くやるのよ。後は私が付き添うから。」

 決定事項が言い渡された。肩を落とした父が、出ていく。前世の俺だったら、絶

対、こんな強すぎる女は嫌だ。いくら美人でも逆らえば殺されかねない。心臓に負

担が半端ない生活になるのが目に見えている。と、思うが決して口には出さない。

 「それはそうと、あんた達、赤竜の討伐報酬で黄金10tずつ貰ったんでしょ。

 それ、地下の金庫室に置いておきなさい。そんなもの持って旅はするものじゃな

 いから、ママが預かっとくわ。」うわぁ、誰に聞いたんだ。情報が早すぎる。と

 思ったが、何も言えなかった。一緒に地下室に行き、金庫室の中に30tの黄金

 を異空間収納から出して積み上げる。序でに赤竜の貯め込んでいた宝玉もそのに

 出して保管することにした。ママとポリーさんの目の色が変わった。

 「あんた達、これ何処で手に入れたのよ? 凄いものばかりじゃないの。」とポ

 リーさんが言えば、「そうよ。これだけの宝石はまだ、見た事がないわ。」とマ

 マもニコニコしながら漁りだす。ジトーと、二人の姿を見ていると、「あなた達、

 居間でお茶とケーキでも食べて、ゆっくりしてなさい。ママとポリーはこの宝石

 を鑑定してるから、終わったら話を聞かせてね。」と、金庫室を追い出された。

 ああ、これで夕方まで出てこないなと理解した。すぐに居間に戻った私は、クロ

 シアとシロエに赤竜の貯め込んでいた金貨の件は絶対にママとポリーさんには喋

 るなと念を押し、誰が黄金30tの件を話したのか推理してみる。私たち3人は

 言ってないし、パパにも喋っていなかった。待てよ、赤竜の討伐依頼は、キート

 のハンターギルドから出てたんだ。それを受けたママとポリーさんが、報酬の額

 を聞いていない筈がない。やられた、最初から知っていて待ち構えていたんだ。

 これからは、3姉妹だけで依頼を受けないと全部掻っ攫われるぞ。3人姉妹の今

 後の活動方針は決まった。

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