第68話 青龍アクア
大変投稿が遅れてしまいすみません。
自業自得で、稲刈りで会社を休み過ぎ、旅行まで
重なって家を空けてしまいました。
今日、やっとパソコンの前に戻れて幸せです。
本当に、3日も間が開いてストーリーまで変わってしまいそうです。
翌朝8時、私たち5人はハンターギルドのギルドマスターの部屋に来ている。
「ねえ、竜王の兵ってドラゴンでしょ、ギルドの建物の中で待ってても入ってこ
れないんじゃないの?」とクロシアが聞いてくる。
「高位のドラゴンは擬人化出来るのよ。普通の人間と外見は変わらない姿だから
心配しなくても大丈夫よ。」と私が教えると、「ほう、そうなんだ。」とシロエ
も納得する。家の妹達は、ヨシアの知識全てを吸収した私の知識と何度も繋がっ
ているのに、全て覚えようなんて気がまるで無い。ちょっと頭痛がしてきた。そ
こに、受付嬢のミレーヌさんがノックして入って来た。
「ギルドマスター、竜王さまの使いの方が見えました。ここにお通し致しましょ
うか?」と言うと、キーマさんが、「ええ、お願いするわ。」と返事する。私た
ち3姉妹は、初めて会う擬人化したドラゴンに興味津々な状況で、そわそわ立ち
上がったり座ったりのうろたえぶりを披露していた。キーマさんもキャスルさん
も、そんな私たちを注意する余裕もないようだ。オグリオ氏だけが、静かにお茶
を飲んでいた。足音が聞こえてきて、ドアがノックされたので、全員立ち上がっ
て竜王の使者を迎える。「どうぞ、お入り下さい。」とキーマさんの声に、扉が
開き、その方が入って来た。
「初めまして、竜王軍東方面軍司令官の青竜アクアと申します。以後お見知りお
きを願います。この度は、当方が取り逃がし、やむなく討伐依頼をSランクハン
ターのおられるハンターギルドに出しておりましたが、エデンの風刃の魔女さま
が、復帰されていたのを認識しておらず、こちらに討伐依頼を回していなかった
にも関わらず、キートのハンターギルドからの情報で、赤竜ダグラーを討伐して
頂けたと伺い飛んで参りました。改めてお礼申し上げます。それで、誠に厚かま
しいお願いなのですが、出来ましたら、赤竜の遺体を全て、私どもに引き取らせ
て頂きたいのです。勿論、その価格についてもご相談させて頂きます。」
「いえ、私一人で倒した訳ではございません。ここに居られるアリアナ様や、ク
ロシア様、シロエ様、オグリオ様の5人で赤竜を討伐出来たので、そのお話は、
この5人で検討させて頂きます。」とキャスルさんが青竜アクアに答える。私は
慌てて挨拶をする。何も、青竜アクア様に見とれて居たわけではない。繰り返す
が、黒いストレートの長い髪と黒曜石の様な瞳の少女マンガの貴公子のような姿
に、見とれていたのではない。自分も何故こんな良い男に転生させてくれなかっ
たのかと、女神アリアに文句を浮かべていたのではないと、くどいが言っておく。
「初めまして、キートのハンターギルドに所属しています忍者3姉妹のアメリア
です。こちらが、妹のクロシアとシロエです。」
「私は、エデン王国近衛隊長を務めますオグリオ・ロカと申します。先程キャス
ル様から5人と仰って頂きましたが、実際は、この4人で討伐されました。私は
少しの役にも立っていませんので、討伐報酬の件からは除外して下さい。」また、
オグリオ氏が辞退しようとするが、
「いえいえ、貴方様も赤竜の眷属化されたサイクロプスを1匹討っていると伺い
ました。充分に討伐に参加されたと判断出来ます。それに、我が主竜王が皆様に
用意した討伐報酬が、皆様のお気に召すかどうかは、私には解りかねますので、
先ずは、その話を、お聞き下さい。」と、青竜アクア様に制される。
「そうね、その報酬について伺いましょう。」と、私が言うと、皆頷いて、アク
ア様の方を見つめる。
「では、宜しいですか、先ず討伐報酬ですが、皆様5人にそれぞれ、黄金のイン
ゴット10tを用意しました。それからクリスタルドラゴンである竜王さまの鱗
を10枚ずつ用意しています。これが、討伐報酬になりますが、如何ですか?」
私の頭の中で、高速計算すると、金貨1枚30g少しで、日本円で10万円位と
して赤竜の溜め込んでいた金貨以外に10tの金は3,200億円になる。それ
に竜王の鱗1枚の価格は、最低金貨10,000枚で一人10枚だと、10万枚
で、日本円に換算すると1,000億円に成るから、一人あたり4,200億円
じゃん。貰いすぎじゃないのと思ったが、キャスルさんやオグリオ氏の生活も関
わってくるので、良い子のアリアナは何も言わない。でも、貧乏性のキャスルさ
んは言っちゃうんだよね。
「アクア様、それは、余りに高い報酬では無いですか?42万枚の金貨相当分の
討伐報酬なんて聞いたことがございません。それも一人あたりでとは、嘗て、こ
のアリアナ様の母上『白銀のブリザード』様が、魔樹海から彷徨い出たSランク
モンスターを一人で討伐された時の報酬でも金貨100万枚と伺ってますが?」
なんで言わなくても良い事を言うんだこの人はと、思ったがここは黙って成り行
きを見るしか無かった。
「いえ、これは我が主竜王が、おのが眷属であった者を竜王軍が取り逃がした戒
めとして、決定した報酬ですので、他の討伐報酬と比較するものではございませ
ん。そして、竜王自身が己への戒めとして、胸の鱗を50枚剥がして報酬に追加
しましたので、これも受け取って頂かなければなりません。宜しいでしょうか?」
「解りました。謹んでお受け致します。」馬鹿が何か言い出さないように、速攻
で、私が答えた。その答えにホッとした青竜アクア様は、
「それでは、赤竜の遺体を引き取らせて頂く代価についてですが、皆様5人を、
我が竜王国にご招待する事です。勿論、ご家族等の同伴も結構です。今までエル
フ族も魔族も獣人族及び人間族、如何なる種族も受け入れた事の無い竜王国にご
招待する事で、赤竜の遺体の代価とさせて頂きたいのです。」




