表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄金の魔女王  作者: 釣り師
65/92

第65話 赤竜ダグラー

やっと、稲刈り終わりました。

今、乾燥中です。後は玄米にして終わなければ

私の稲作シーズンは終わりませんが、今日から

一日一話はアップしたいです。

 「10分以内と言われると、私では1匹が限度よ。」とキャスルが言うと、オグ

 リオ氏が自分の剣を見て、

 「魔力と魔法で強化されたサイクロプスでは、私の剣は通じません。お役には立

 てないと思いますので、先に言っておきます。」と言う。

 「オグリオさん、その剣、貸してくれる。」と私が言うと、剣を鞘ごと外して私

 に手渡す。鞘から抜いて確かめると両刃の直剣で鋼鉄制の刃渡り120cmの剛

 剣であった。これでは、魔力を纏ったサイクロプスに傷ひとつ付けられないので、

 異空間収納から魔鉄とミスリルのインゴットを出し、鍛冶魔法で合成錬成して同

 じ形の両刃の直剣を作る。それを鞘にさしてオグリオ氏に渡した。元の剣は一旦

 預かって異空間収納に入れておく。鑑定してみると結構魔力を持った聖剣クラス

 の両刃剣になっているので、Aランク程度の魔物が纏った魔力防御など無視でき

 る切れ味はあると思う。

魔鉄ミスリル混合剣:大魔道師アリアナ作

銘  : なし

レベル:聖剣クラス

使用者:未指定

価格 :つけられません

 手渡された剣を抜いたオグリオ氏は、一目でその力を感じ取ったようで、目を輝

かせ魔力を纏わせた。

 「これなら、私も1匹、皆様が残り4匹を仕留めるまで、押し止めることが出来

 ると思います。」というので、「あら、10分で仕留めるとは言わないの?」と

 私が言うと、「努力します。」と答えたので早速5匹の特異種サイクロプスを仕

 留めにいくことになった。崖の洞窟の傍にその5匹はいた。それぞれがバラバラ

 に座り込み、仕留めた黒狼を貪っている。もう殆ど食べ尽くしており、だらしな

 く寝転がっているのも2匹ほどいた。寝転がった2匹をキャスルさんと、オグリ

 オ氏に降り割って、未だ座り込んで黒狼を貪っている3匹を私たちが仕留めるこ

 とにした。オグリオ氏とキャスルさんが飛び出すタイミングに合わせ私が一番遠

 くのサイクロプスの隣に転移し首を刎ねる。その手前のサイクロプスの隣にクロ

 シアが転移して同じように小太刀ぼたんで首を刎ねた。一瞬に2匹の仲間の首が

 飛んだことに気付き、私とクロシアに火魔法のファイアーボールを投げつけよう

 と立ち上がった3匹目のサイプロクスは、横に出現したシロエの小太刀あやめに

 よって首を刎ねられた。キャスルさんが向かったサイクロプスは寝転がった姿勢

 から飛び起き、キャスルさんと、オグリオ氏に向けファイアーボールを投げつけ

 る。魔杖の一振りでそれを無効化して竜巻がそのサイプロクスを包み込む。残っ

 ていたもう1匹のサイクロプスは、その竜巻から飛び退いて難を逃れたが、ファ

 イアーボールを剣の一振りで無効化したオグリオ氏が間合いに入っており聖剣の

 一振りで、両足を切断する。足を切断され尻餅をついた状態で近くの棍棒を拾う

 と、火炎を纏わせ、オグリオ氏に殴りかかる。キャスルさんの竜巻は真っ赤に染

 まり火魔法を纏って防御したサイクロプスを簡単に切り刻んで肉の断片に換えて

 しまった。私は、オグリオさんに向かって炎の棍棒を振り回すサイクロプスの背

 中に転移し、延髄にサクラを突き刺す。所要時間4分で5匹殲滅出来た。一旦5

 人は、洞窟前に集合し、後6分で飛んでくる赤竜を待ち構える。崖の前は5匹の

 サイクロプスの血と、喰われた黒狼の血で足下が悪いので、全員、崖の上へ飛び

 上がり山頂から飛んでくる赤竜を探しているとすぐに姿を確認できた。


 そいつは、私たちの目の前の空中に停止していた。全長30mは有ろうその身体

を、翼を羽ばたかせる事もなく、空中に浮かんでいる。オグリオ氏は完全に飲まれ

ており、戦力にはならない。キャスルさんはSランクハンターだけあって、赤竜を

睨み付けている。そいつは、既に私たちが、眷属のサイクロプスを殲滅したのを感

じ取ったようだ。赤い目に怒りの炎を燃やし、どうしてくれようか考えているよう

だ。突然、頭の中にそいつの声が響く。

 「汝ら、我が眷属を害し、我に牙を剥くもの。愚かな小さき者共よ、我の怒りで

 焼き尽くしてくれん。」 炎のブレスが私たちに放たれる。咄嗟に張った私の障

壁に完璧に防がれた赤竜は、咆吼をあげてファイアーアローを無数に降り注がせる。

だが、一本の炎の矢も私の障壁にヒビも作れず、驚いている。そんな赤竜に私は思

念をぶつけてみる。

 「相手の力量も解らず、無闇矢鱈に諍いを起こす。そんな事だから、竜の里を追

 放されたのが、500年経ってもまだ解らぬか。赤竜ダグラーよ。」

 突然の私の思念を受けた赤竜は、「何故、お前のような子供が、我の事を知って

 いるのだ?」と問いかけて来たので、クロシアとシロエに合図を送りながら、

 「お前は、つい先頃、竜王の支配地に舞い戻り、幼竜を操り人形にしようとして

 拉致しようといたそうだな。勿論、竜王の兵に見つかり捕縛されかけたが、逃げ

 延びて来たのだろう。竜王は大変怒り、人間界や魔族界に侵入した場合は、そち

 らで討伐して欲しいと、クミロワ大公国都キートのハンターギルドに討伐依頼を

 出しているぞ。クミロワには3人のSランクハンターが居るから、エデン王国の

 こんな山に逃げ込んでいた訳か。次は人間界の辺境へでも、逃げ込むか?」と聞

 いてやる。10才の少女に馬鹿にされ、赤竜は怒り狂った。

 「たかが、人の子の分際で、我を蔑んだ報いを受けるがよい。」と、私の障壁に

 体当たりしようと、牙を剥くが、「遅い!」と私が思念を送ると同時に、クロシ

 アが右の翼の付け根に、シロエが左の翼の付け根に現れ、小太刀を一閃する。赤

 竜は、私の障壁に飛びかかることも出来ず、20m程の高さから地面に落ちた。

 「小癪な真似を、翼など、すぐに再生出来るわ。」赤竜はすくっと4本の足で立

 ち上がり身に纏った炎を翼に集め再生させる。」「今よ!」障壁を解いて私が叫

 ぶと同時に、「風刃山切」とSランクハンター風刃の魔女の最大魔法が放たれる。

 巨大な風の刃は、赤竜の首から再生されている翼ごと切り飛ばし、エルナ山に突

 き刺さる。ヤバい、山が崩れるんじゃないかと心配になるが、キャスルさんが直

 ぐに無効化したので、ほっとする。クロシアとシロエが切り取った元の翼を持っ

 て私の傍に戻ってきた。首と翼を失った赤竜の身体は、4本の足でしばらく立っ

 たままであったが、ようやく今崩れ落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ