第2話 私は魔族なの?
まだまだ前説状況です。
早くストーリーに発展したい。
黄金の光が消えると、身体が落下する感じがした。「オット」誰かが抱きとめてくれた。瞼が閉じていてもなぜか見えてしまうので、すぐに白いマントの骸骨、大魔導師ヨシアだと解った。先に彼の5000年の記憶・知識をもらったおかげで、この骸骨の顔が、やさしい爺さんに見えてくるのが不思議である。周りを見回すと、粗末なベッドに白銀の髪の女が微笑みを浮かべ眠っており、その傍には金髪の男がベッドに寄りかかり気を失っている。
「そなたの父親と母親じゃろう。幸せそうな顔をしている。そなたの誕生が余程うれしいんじゃろうな。いい笑顔じゃ。」
「ヨシア本体なの?転移してきて大丈夫?」
「ははは、聖光に包まれないかぎり、浄化される心配はないよ、しかし1時間程前は、本当にあせったわ。突然、巨大な魔力爆発を感知したので思念体を飛ばし原因を調べてみれば、呪樹海が聖光に包まれており、その広がりが徐々に拡大しておるではないか。これでは我の住む南海の島も一時間後には聖光に覆われてしまう。聖光の発生源はと来てみれば、生まれたばかりのそなたじゃった。リッチに成ってまで魔法の研究をしてきた我も、とうとう終わりの時が来たと諦めた時に、そなたの思念が飛び込んできたのじゃ。そして、そなたの魂が、異世界の転生者と解ったことで、聖光の放出を止められるかもしれんと思い、我の全ての知識をそなたに与えたのじゃ。可能性は半々と思ったが、成功して何よりじゃ。しかし、全ての魔法属性を持ち、我の知識を全て使いこなせる神に等しい魔力を持った者が、生まれてくるとは、まだまだ魔法の奥深さに更なる研究意欲が湧いてきた。これから我の研究に協力してもらうぞ。」
「ええ・・、ちょっと待って、今すぐ?」
「いやいや、そなたが、このマースでの冒険に飽きてからでよい。我にとって100年や200年は、時間のうちに入らんわ。もっとそなたが成長してからで十分じゃ。見たところ、そなたの父親は、魔族の短角族のようじゃから、寿命も1000年以上じゃろう。母親も古代人の流れをくむクルム族のようじゃから、魔力の強い者同士の子供のそなたが短命な筈がない。」
「またまた、変なことが聞こえたんですが、父親が魔族ってことは、俺も魔族?」
「それも違うな、そなたはかつて滅びた古代人の再来じゃな。角も無いし、神々と同等の魔力を持っており、しかも全ての魔法属性を持っている。先祖返りと言うのかな。魔族のわけがない。」そう言いながら、ヨシアは俺を母親の側に寝かしつけ、
「そろそろ、そなたの両親も気がつくころじゃ。今日はもう休みなさい。」と言ってヨシアは消えた。




