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黄金の魔女王  作者: 釣り師
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第14話 忍者アリアナ

やっと、魔物狩りに参加できるようになりました。

戦闘シーンもっと書きたいんですけど、難しい。

 とうとう、身長110cm 体重 18kg 自主訓練開始目標身体条件に達し

た。「私 アリアナは、本日より、身体強化して、魔物を狩りまくり、剣と魔

法の練度向上に邁進いたします。」5歳になっての誕生日、白の忍び装束に身

を包み、母マリア、父イルシャとポリーさんの前で高らかに宣言しました。

「ねえ、アリアナ。その衣装は何でできてるの?魔力耐性も物理力耐性もある

ように見えるんだけど。」宣言無視で、衣装の材質を尋ねる母と、

「そんな危ないマネ、させられません。パパは心配でお仕事に行けません。」

と、おろおろする父。

「いいねえ、あたいがついていってあげるよ。」肯定派のポリーさんです。


 「ふう、これはヨシアの資材保管庫にあった生地を貰ったので、何の布かは

解らないよ。でも、ママの言うとおり、ミスリルの鎧並みの防御効果はあるっ

てヨシアが言ってた。それに装着者の成長に合わせて、この装束も成長するん

だって言ってたよ。ヨシアの着ている白いマントもこの生地なんだって。それ

からパパ、私の成長を妨げるつもりですか?そんなことしたら、パパを嫌いに

成りますから。ポリーさん、手出しは無用でならお願いします。」

 「アリアナ、その生地残ってないの?、ヨシア様にお願いして、ママのドレ

ス一着分でいいから貰ってくれない? お願い」

 「アリアナ、パパを嫌いにならないでおくれ。心配だけど、心配だけど何も

言わないから」

 「勿論、手出しなんかしないよ。任せな。」と、3人それぞれ言いたいこと

を言う。「もういい。明日から決行します。」

 最終決定を3人に通知し、自分の部屋に戻ろうとしたら、

 「アリアナ、生地お願いね。」母マリアからの言葉に、

 「むむむむ、ママ、生地はなんとかするから」ってママ一人だけ、なんかズ

レてるよ。まあ、これがママらしいとも言えるか。


 翌朝、忍び装束に身を包んだ私と、ポリーさんは、屋敷から北の山岳地帯に

居る。3年前にパパ達が、ゴブリンの群れを殲滅した岩場が見える丘の上だ。

私の背には、初めての実戦にデビューするべく、小太刀≪さくら≫が結ばれて

いる。今回はゴブリンはいなかっかが、お肉のおいしいオークが、洞穴に住み

ついていた。

 「10匹くらいいるね。Dランクモンスターだけど、10匹の群れだと、C

ランク相当だよ。ひとりで大丈夫?」心配そうなポリーさんの言葉に、

 「大丈夫だよ。剥ぎ取りの都合で、注意しとくことないの?」

 「ああ。オークは、お肉と、魔石以外必要ないから、胸を断ち切って魔石を

破壊しなければいいよ。」 「うん、解った。ちょっと仕留めてくる。」

 フライで洞穴の前に飛んでいく。 入口周辺にいた4匹のオークが私に気付

きサビた剣を振りかぶって攻撃してきた。さくらを抜き、1mほど飛び上がっ

て水平に薙ぎ払う。ウインドカッターのさくらバージョン≪断風≫が、振り上

げた剣や腕もろとも、4匹のオークの首を刎ね飛ばした。サーチで見ると、洞

穴の奥から、6匹のオークが飛びだしてくるのが解る。あれ、1匹だけ剣じゃ

なく杖をもってて小さいな。オークメイジが居たのか。どんな魔法を使うのか

見てみたくなった。出てきたオークを風のように擦り抜け瞬時に首を刎ねる。

さくらの性能のおかげか、オーク達は切られたことも解らないようで、しばら

く走ってから倒れて、首がおちた。最後に出てきたオークメイジが信じられな

いものを見たように口を開け茫然としている。ようやく私に気付き、

 「グァー ギャガギー ガー」

 何を言っているのか解らないが、杖を振り上げ魔法を打ってくる。バレーボ

ールぐらいのファイアーボールが私に向かって真直ぐ飛んできた。忍び装束だ

けでも十分防御できるが、何気にさくらを一薙ぎすると、瞬時にファイアーボ

ールは消滅した。それだけではなく、杖を構えたオークメイジも、杖ごと袈裟

懸けに切断されていた。『やばあぁぁ さくらやばすぎるよ』と思わず呟くと、

『大丈夫です。ご主人さまの味方や、お仲間には、無効果処理していますから、

ご主人様に危害を及ぼさないかぎり、敵のみ殲滅いたします。』と、思念が頭

に届く。「ええぇぇ  さくら喋れるの?」と、思わず声をあげると、『神剣

には魂が宿ります。神と同等の魔力を有するアリアナ様が錬成した神剣は、全

ての属性魔法も使えますから、他の神剣よりもワンランク上の存在です。』と

自慢たらしく説明された。頭の中を整理していると、ポリーさんが丘から下り

てきた。

 「アリアナ! なにボーっとしてんのよ。解体はギルドに頼んであげるから、

早く収納して、次行ってみよう。」ポリーさん、すごくポジティブと感じなが

ら 「私の作った剣て、こんなに凄かったの?」と思わず呟くと、

 「アリアナ、なにいってるの。身体強化以外の魔法を使えない私でも、ショ

ートソードの一振りで、大抵の魔法を無効化できるよ。いまごろ気付いたの?」

 目を丸くしてポリーさんを見る。

 「あんたの作った剣がなかったら、イルシャもわたしもAランクにはなれて

いないと思うよ。でも勘違いするんじゃないよ。これは、あくまで剣の力であ

って、自分の力じゃない。間違っても慢心しないこと。解った。」

 ポリーさん偉い!! 尊敬の眼差しでポリーさんを見ながら、獲物袋にオー

クを収納していく。この獲物袋は、忍び装束と同じ生地で魔力をよく通すので、

異空間収納のアイテムボックスとして魔術式を組み込んだもので、ハンターデ

ビューに合わせて作っておいたものだ。もちろん、アイテムボックスを持って

いなかった母マリアと、ポリーさんには既に譲渡している。

 獲物の収納も終わったので、周辺付近のサーチをしてみる。サーチの限界(

自主規制)20キロ北東の地点に大きな魔物表示がひとつある。北東20キロ

地点と言えば、結構な丘陵地帯の岩場である。歩いては行けそうにないので、

ポリーさんにもフライの魔法をかけ、いっしょに飛んでいく。10分ほどで着

いたので、岩陰から相手を探す。いた、地竜だ。デカい。高さ6m、全長25

m、幅2mってとこか。どうしよう?

 「ポリーさん、ふつう地竜って、どうやって倒すの?」解らないときは、す

なおに先輩に聞く。どこまでも素直なアリアナなのだ。

 「ふつうは倒さないさ。言ってもBランクモンスターだよ。見つけたら逃げ

るの一手だね。あんたのママなら、氷の檻で動きを止めて、眉間に剣を突き刺

しちゃうね。5分くらいで仕留めるよ。イルシャなら両前足を切断してから、

首を刎ねるね。同じくらいで仕留めると思うよ。あたしなら、首を裂いて、弱

らせてから、首の後ろの延髄に剣を突き刺して仕留めるかな。でも この場合

イルシャの方法と同じで大事な血を全部回収できないから、お勧めできないね。

 あんたのママの方法が一番高く売れるけど、どうする?」

 うわぁー、プレッシャーかけるね。ポリーさん。じゃあ、必殺仕事人バージ

ョンでやってみようか。さくらを抜き、気配遮断をかけ、光学迷彩で姿を消し

てフライで地竜の首の後ろに回り込む。延髄の鱗の境目にさくらを突き刺した。

一瞬硬直した地竜はゆっくり身体を傾けていき倒れた。さくらを抜き、絶命し

ていることを確認してから、獲物袋に収納する。ポリーさんは、岩陰から立ち

上がり、口を大きく開け、目を見開いている。

 「うわぁー あんた何てことすんの? まるで地竜の暗殺じゃない。」

 わたしは、ちょっと鼻を上げ、「忍者アリアナ参上。」とみえをきる。



 

 

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