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黄金の魔女王  作者: 釣り師
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第13話 Aランクハンターチーム【天使の刃】結成

 翌日、ヨシアの元へ行くふりをして、屋敷の地下に作っておいた自分専用の隠

れ家に転移移動する。魔鉄のインゴットを取り出し、半分に分けてから、預かっ

たショートソードの形を確認しながら、錬成魔術をかけ、魔力を少なめに供給す

る。すぐにインゴットは、ショートソードに変形する。鑑定すると、


魔鉄ショートソード:アリアナ作

銘  : なし

レベル:聖剣クラス

使用者:未指定

価格 :つけられません


 よし、日本刀と同等品だ。もう、お昼まで遊んでいよう。

 さくらを出して、殺陣の練習をする。身体強化をかけてやっと、刀に振り回さ

れないようになった。前世では、若い頃剣道に打ち込んでいた御陰か、すぐに使

いこなせる様になった。しばらく夢中で練習していると、おなかが鳴ったので、

ちょうどお昼前かと思い、転移で一階居間に戻る。ポリーさんは、今日もギルド

を休んで、食事の準備を母としていた。私に気付いて飛んできたので、真新しい

皮の鞘に入った魔鉄ショートソードを手渡す。「はい、ポリーさんの魔鉄ショー

トソードです。」と言うと、使用者:ポリー・セルイーストと設定された。それ

から預かっていた形見の折れたミスリルのショートソードを返却する。

 「そのショートソードも、お母様達と同じで、ポリーさん以外使えませんから。

それに自動修復機能もあるので、メンテナンスの必要はありません。」説明して

いると、突然、抱き上げられ顔中にキスされた。悪くはないな、と思った。

 昼食後、父イルシャを含めた3人は、新しい剣や刀を持って、屋敷の北の山岳

地帯へ出かけると言う。私にはお留守番をしているようにとのことである。ヨシ

アの所へ行くというと、いつも一緒に居ようと言うくせに、今回はすぐに了承し

た。なんか悔しいので、解らないようにサーチぎりぎりの範囲からフライで後を

つけて行く。豹人族のポリーさんが、斥候のようだ。臭いと気配で獲物を探して

いる。5キロ程山中に入ったところに、ゴブリンの群れを見つける。3人が3方

向から攻め込むようだ。通常のチームプレーとは随分ちがうなと思っていたら、

すぐに理解できた。3人が3人共に新しい武器を試したいだけの様である。前衛

も後衛も関係ない。3方向から雄叫びをあげて、突入し切りまくる。父イルシャ

は斬馬刀の一薙ぎで、鎧を纏ったゴブリンソルジャー諸共5匹の首を刎ねた。古

ぼけた鎧など、一切抵抗がないようだ。母マリアは水魔法を纏わせ、ウオーター

カッターを飛ばしながら殲滅作業に入っている。すごいのは、ポリーさんも同じ

で、引退していたとは思えないスピードで、ショートソードを駆使し、ゴブリン

の屍を作っている。100匹以上いたゴブリンは、その9割を既に討たれ背後の

岩場に追い詰められている。その時、岩場の洞穴から一匹の2倍以上の大きさの

ゴブリンが出てきた。ゴブリンキングだろう。汚いキバをむいて目の前に迫った

母マリアに大剣を打ち付けようとした。が、日本刀の一振りで、大剣の鍔から先

が綺麗に切り取られてしまう。しかし、彼には驚愕している時間は無かった。切

り返した母の日本刀が、鎧諸共、彼の胴を何の抵抗もなく切断していた。ものの

10分たらずで、100匹以上いたゴブリンの群れは、殲滅された。しかし、3

人は自分の刀や剣を見て刃こぼれひとつ無く、血糊ひとつ残っていない状態の武

器に見惚れている。ゴブリンは常時討伐依頼があるので、証明部位の右耳を削い

で魔石を取ったら、一か所に集めて焼却する。母の土魔法で穴を掘り、父の闇魔

法で穴の中に放り込んで、また母の火魔法で焼却してしまう。3人は聖剣クラス

の武器を初めて使用して、その性能にのぼせ上った子供の様である。まだ、物足

りない雰囲気を全員がもっており、また獲物探しを再開した。

 「なんだよ、試し切りがしたかったのか。相手がゴブリンならまあいいか。帰

ろう。」私は自分がいっしょに狩りができないので、拗ねて屋敷に転移して帰っ

た。夕方、3人は非常に満ち足りた笑顔で帰ってきた。でも、これで終わりでは

なかった。次の日、ポリーさんが、ハンターギルドの受付を辞め、ハンターに復

帰するとともに、母マリアも復帰し、父イルシャと三人でAランクハンターチー

ム【天使の刃】を結成した。そして、討伐依頼専門に飛び回り出したのだ。半年

もすれば、飽きるかなと考えていたが、甘かった。その間 私はヨシアに預けら

れ魔術のお勉強に勤しむことになった。ニューセルム周辺は、呪樹海が解呪され、

強力な魔物は、【天使の刃】に狩りつくされ非常に安全な入植地帯となったため、

沢山の村が開拓されて、魔族、獣人族、ダークエルフ、人族たちの混在する一大

生産地域と成ってきた。これに伴い、クミロワ大公から、父イルシャに勘当を解

くかわりに呪樹海を含むセルム湖周辺の領主として治めるように再三命令があっ

たが、今までのように、ニューセルム施政議会が治め、ちゃんと納税しているの

に、領主なんていらないと、きっぱり断っていた。ちょっと見直したけれど、実

際は、ハンター生活を続けたかっただけよとママに耳打ちされた。

 そうそう、ポリーさんとパパにも異名がついたようです。ポリーさんは『殲滅

の女豹』で、パパは『首薙ぎ公子』だって。3人が討伐依頼で飛び回っているお

かげで 私はヨシアと屋敷にいることが多くなり、母マリアと連絡が取れなくな

った大公都キートのヤスイヤ商会の会長カールさんが押しかけてきた。なんでも

共同経営者の母が、10,000個の全自動洗浄トイレを作って販売したあと、

大公都の魔法使い達で作れる様に設計図と魔術式を公開して、商会で販売したの

だが、ほとんど機能は変わらないのに、白銀のブリザード作【全自動洗浄トイレ】

がどうしてもほしいと、他の魔界各国の王侯貴族から注文が殺到しているらしい。

 思念でママに連絡したら、やっぱり私がこっそり作って、大公都キートのヤス

イヤ商会の倉庫にこっそり搬入しておくようにとのことであった。追加10,0

00個の白銀のブリザード作【全自動洗浄トイレ】は、カールさんがキートに帰

る前に倉庫に送り込まれた。ママに押し付けられた私によって。

 そんな生活を続け3年経った。ポリーさんと父イルシャのハンターランクは、

ママと同じAランクに昇格していた。



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