プロローグ2
「じゃあよろしく頼むぞ!」
そう西片は言うが聞いていた資料の数が違う
明らかに聞いていた量の3倍はある。
「これじゃあ、何回も往復しなくちゃいけないじゃないですかー。」
「ああ!だから君を手伝わせているんじゃないか。」
渋々と資料の山を抱える湖池。
「先生は先行ってるから、自分のペースでこいよ!」
と言って西片は教室を出た。
それに続いて湖池も教室を出る。
西片の姿がどんどん遠くなっていく。
「くそ。なんて早さだ。女なのによくあんなに早く走れるな。」
そう呟きながら湖池は湖池のペースで職員室へ向かった………。
「フーーーーーッ!」
やっと半分運び終わったところか。
外はもうほとんど暗くなってきていた。
「よし。あと半分。だるいな。」
教室に向かおうとしたその時だ。
前に綺麗な女子高生が湖池の方を見つめていた。
「ん?何か用?」
そう聞くと
「湖池賢吾君ですか?」
と尋ねてきた。
「そ、そうだけど。」
顔は赤くないが、耳が真っ赤っかであった。
「あの……私……実はあなたの事……。」
「え、え?」
「あなたの事……殺しに来たの。」
「……………え?」
一瞬、彼女が口にした言葉が何か把握できなかった。
もう一度聞き直そうとした時であった。
彼女はふところから、少し変わった拳銃を取り出し、
彼の胸めがけて、銃弾を発射させた。
「バンッ!!!」
その音を聞きつけた西片が現場へ到着した時には
二人の姿はなく、床に赤い液体が大量に吹き出ていた
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「ゔゔぅぅー。」
湖池は目を覚ました。
死んだはずなのに?その疑問はすぐにわかった。
「俺、死んだのか。なんか、感覚でわかる……様な気がする。」
そう呟くが辺りは霧が濃くてよく見えない。
すると意外な人物が声を返してくれた。
「そうよ。」
それは紛れもなく、湖池を殺した彼女だった。
「お前は……いったい、何者なんだ?」
「私はメラ。悪魔よ。」
「あ……悪魔……!?」
「そう。」
もちろん湖池は彼女の言ってることを理解してはいない。
今自分に何が起きているのか。ここは本当にあの世なのか。聞きたい事は山程ある。
「湖池賢吾さん。あなたは死にました。よってあなたはここ、悪魔大学校で訓練を行い、軍の戦力になってもらいます。」
とメラが言うとさっきまで濃かった霧がみるみると晴れていく。
そこには「悪魔」と書かれた学校がそびえ立っていた。
「な……なんだこれ………!?」
ここから僕の魔界での日常が始まった。