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考えさせて

作者: 尚文産商堂
掲載日:2015/10/31

突然の話。

いい話ではあるけど、心が落ち着かない。

引き抜きの話なんて、私とは無縁だと思っていた。

「できるだけ、そちらの要望に沿えるように努力はします」

「はぁ」

情けない話であるが、私が出せる精一杯の声だった。

他の言葉もあっただろうが、この時には頭から消えていた。

「では、本日はこれで。何かありましたら、メールをいただければ、ご相談には応じます」

ではこれにて、と先方が別れを告げる。


「それで、相談しに来たと」

私が相談できそうな相手はただ一人、友人だ。

何かにつけていろいろと言ってくるものの、いざという時には頼りになる。

「いい話だと思うけれど、やっぱしだめかなぁ」

「転職はいくらでもするっていう人もいるけれどね。そればかりは、私もズバッと言い切ることはできないわね」

「えーどうしてよー」

私は彼女に尋ねる。

「だってそれは私の人生じゃないもの。決めるのはあなた自身。ただ、言っておくと、えっと、手野デザイン工房だったっけ。そこはいいところよ」

噂だけどねーと友人は言って、電話は切れた。


翌日、私の上司に辞職を告げる。

「引き抜かれました」

「そっか、寂しくなるね」

「引き止めないんですか?」

慰留とかするという話はよく聞いていたから、あっさりと別れられるのは、なんだか寂しい。

「君が決めたことに、とかく言わないさ。向こうでも頑張ってね」

上司にはそう言われ、いつでも戻ってきていいからね、という言葉を餞別に、私は新しいところへと旅立った。

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