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番外編 リアンの独白

初のリアン視点です。

ついでに初の連続投稿です。


僕は生まれた時から大きな魔力で包まれていた。


普通、強大な魔力を身に宿して生まれた子供は自我がハッキリしないうちは魔力暴走を起こして周囲を破壊したり、下手したら自分自身を破壊するとして毛嫌いされていた。


幸いな事に僕の生まれた家は血筋的にも強大な魔力を持つ者が生まれやすいので、その辺のフォローは完璧だった。


母親の胎内にいる時から分かっていたので母親を守るための術を施され、さらには生まれてくる僕の魔力が暴走しない様に封印もされた。


無事に生まれた時には家族全員で安堵したと聞いている。


封印のおかげで赤子の頃は平穏だった。


だけど歳を重ねる毎に増加していく魔力に封印が耐えきれなくなり、ある日なんの前触れもなく崩壊した。

コントロールする訓練は受けていたが封印した状態でしかやった事がなく、ぶっつけ本番の制御に上手く出来ない焦りと苛立ちと焦燥。

自分の感情すら制御出来ずにいた僕は何を口走ったのか聞いた父が激怒し、母が悲しみのあまり泣き叫ぶ。

そんな混沌と化した場に訪ねて来たライルレイン・イル魔導師。

これは偶然なのか必然なのか。


ライルレイン魔導師の導きでなんとか自力で制御に成功したけど気力を使い果たして僕は気絶した。

気絶する直前に思った事は封印は毎年、新しい物に交換して壊れた時の用心に二重三重に封印具を着けるだった。


この時の僕の発言を、もしホノカが聞いていたらヘタレって言って雛鳥キックをおみまいされていただろうな(笑)


制御が出来るといっても辛うじてが頭につく程度だった事もあって僕はライルレイン魔導師の弟子になった。

封印具も以前着けていた細い腕輪タイプを止めて、手首から肘までを被う幅広のタイプで両腕に装備して魔法陣と魔石を使って魔力を吸収する様に配置。


吸収した魔力で常に封印具は修理され、さらに無いとは思うけど万が一魔力が枯渇したり足りなかった時にはそこから補充出来るようになっている。

ライルレイン魔導師が僕のために考案した魔道具で世界に一つしかない。

まあ装備出来るのも僕だけなんだけど……

普通の人が装備したら枯渇前の昏倒するランクの魔力を吸収されるから触るな危険って……


外せるのも僕とライルレイン魔導師の二人だけ。


お風呂に入る時とかも着けたまま。

外す時には二重三重の強固な結界張ってからじゃないと安心できない。

ヘタレと言われても気にしない。安全第一!


今はホノカのおかげで前より制御しやすくなったから時々、外してお風呂に入ったりしてるけどね。


ライルレイン魔導師の弟子になってから2年。

国王の依頼でライルレイン魔導師はバンドルーガ学園の学園長に就任。

弟子である僕も学園に通う事になった。


表向きは魔力制御の為だけど本当は僕に同年代の友達を作らせたいって……


はい。同年代の友達はいません。

と、言うか友達じたいいません。


封印具が壊れた時の事がトラウマになっていて人と係わるのが怖い。


そんな僕に勇者は無理。

魔王なんてもっと無理!!


師匠はそんな僕が心配で心通わせる存在が必要だと思い学園長になる代わりに僕の素性を隠して入学させた。


でも周りを巻き込みたくない僕は師匠の思いとは裏腹に一人で居続けた。


僕の頑なな態度に困った師匠は兄弟子であるジュール先生を臨時講師として呼び寄せた。


ジュール先生もかつて身に余る魔力で悩んでいた人だから僕の助けになるだろうと。


師匠と兄弟子の薦めで召喚獣の使役を試みる事になった。


別の次元から召喚される獣達はこの世界では命を持たない。

仮初めの体と命で召喚主に仕える。

それならば暴走に巻き込まれても心配はないだろうと。

むしろ僕の力を上回る者が召喚されたら暴走したさいの抑止力にもなるから一石二鳥だとも。

そんな理由で召喚をしてみたら現れたのは掌に乗る小さな雛。


僕の髪と同じ色の炎の様に真っ赤な雛は生まれたばかりなのか、うつらうつらと上下左右に揺れていた。

僕の魔力で喚ばれたにしては儚い存在に驚きつつも声をかけたらビクッとして飛び起きてピヨピヨ鳴きながらおかしな行動をする雛に親近感が沸いて、両手でそっと抱き上げたら手触りの気持ちよさに愛しさがこみ上げて…


なんとしてもこの雛を僕の召喚獣にしたいと気持ちが高まり名付けで本契約になるので、必死に名前を考えても駄目だしされてやけくそになって名前をつければ容赦なく雛にしては鋭い嘴で突っついてくる。


なんとかホノカって名前で納得してくれて本契約が出来た時には泣きそうだったのは内緒。


初めは僕の魔力に耐えられるのか心配だったけど一度帰還させてみたら再召喚に凄い魔力を持っていかれた事でただの雛じゃないとジュール先生に言われて、それならばとホノカは帰還させずにずっと僕の側にいる事になった。


言葉は通じなくても何となく分かる。

ホノカの存在は僕にとって最高の癒し。

まさか躾されるとは思わなかったけどね(笑)


ホノカのおかげで僕は前より魔力暴走を怖れなくなった。

意識の変化は周りの人達にすぐ分かったようで今まで遠巻きに見てただけの人も僕に話し掛けてくれる様になり、僕も積極的に友達づくりに励んだ。


ホノカが不死鳥(珍種)って分かった時には師匠も兄弟子も納得してた。

喚ばれるべくして喚ばれた存在だと…


僕の為に生まれたのかな?

そうだとしたら嬉しいななんて思ったら歯止めがきかなくなってホノカが嫌がってもついついモフってしまう。

ホノカも本気で嫌がってないから僕にモフられるのは好きみたい。

もちろん嫌がられないように細心の注意をはらってモフってるけどね(笑)


ホノカのおかげで僕の世界は広がった。


僕はホノカに何か返せているかな?


普段は厳しいホノカ。

でも落ち込んでる時には優しく寄り添ってくれる。


師匠の弟子になってから3年。

一度も家には帰らず手紙も送った事がないってジュール先生経由でホノカにバレた。


雛の癖に怒るとドラゴン並の迫力があるホノカに負けて今度の休みにはホノカを連れて帰省するって両親に手紙を書いた。


返事は速攻で帰ってきた。

一言“待っている”と書かれた手紙に涙が止まらなかった。


あの時の事を思い出すと怖くて帰れなかったけどホノカがいれば大丈夫。


手紙を見て泣き出した僕に寄り添ってピヨピヨ慰めてくれる小さな雛は僕の大切でかけがえのない相棒。


生まれたてにはそぐわない豊富な知識に時折、振り回されるけど…ね(笑)


帰ったらまずあの日の事を謝ろう。

そして会えなかった日々を語り合うんだ。


きっと両親は許してくれるし喜んで僕の話を聞いてくれるし話してくれるだろう。


ホノカが言うように子供の事を思わない親はいないのだから………



今後、視点を変えた話を書くかはわかりません。

なるようになる。で、書いてますから(笑)

一話だいたい3~4時間で書き上げてますので時々、矛盾出てるかも!

毎回、全話読み直してから書いてるので大丈夫だとは思いますが……

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