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50.吹き抜け

 地図に書いてあった吹き抜けだけど見た記憶が無い。

 そこで吹き抜けまで行ってみることに。








〔…………吹き抜けねぇ~〕

「…………吹き抜けって言うより煙突?」


 そう。見上げる限り遥か遠くに微かな光が見えるだけで、横道?というか何処かへ繋がっているという感じにも見えない。

 隼人の言うように吹き抜けというよりも煙突がシックリくる。


「調べてくる」


 言うなり本来の姿、不死鳥の成鳥に戻ってホムラが飛んでいった。


「広さも充分あるしここで野営するか」


 ディルク先輩の提案にいそいそとコテージを出すリアン。

 そんなに疲れてたの?


「ホノカ。リアンを頼む」

〔へ?………あっうん。任せて〕


 なるほど。疲れてたんじゃなくて私をモフりたかったと。

 まったくしょうのない飼い主だこと。


 私は空気の読める賢くも優秀な召喚獣ですからね。

 そうそう色々、機能が増えて個室になったのは嬉しいけどバス・トイレ付の個室ってコテージというよりワンルームマンションじゃないって隼人と二人で大笑い。


 その大笑いした翌日には大浴場が増えたコテージ。

 旅館ですか!?

 進化の仕方が謎。


 とりあえず今はご主人様の意向をくんでお風呂のスイッチをポチッとな。


〔リアン~。後で寝る前にお風呂入ろうね~〕


 料理してると油とかの匂いつくしね。

 クリーンで体を清潔にしてもやっぱりお風呂は別格。

 寝る前に入るとさっぱり感が違うし、何より落ちる確率が上がるからモフり具合もユルユル。

 船こいでる次代の勇者様が年相応で可愛い。

 そんな姿を見れるのは召喚獣の特権?


 でもいつかは奥さん貰って欲しいな。

 なんか今のままだと永遠に勇者しそうだわ。


 今代の勇者の精神が病み始めたのって奥さんが亡くなってからだって言うし…………


 その点、不死鳥の私は死なないからリアンの側にずっと居られるし、神様達も私が居ればリアンは勇者としてずっと生きていく事に躊躇いは無いだろうって…………


 でもやっぱり私としてはリアンの子供とか孫とか見たい訳で!


〔一段落着いたら婚活、頑張らないと〕

「ホノカ。コンカツって何?」

〔!!えっ!?何?トンカツがどうかした!?〕


 ………………誤魔化せたかな?


「…………トンカツ?」

〔メンチカツも好きよ!!〕

「…………メンチカツ?」

〔カツカレーも良いわよね♪ヒレカツとかロースカツとか〕


 くどいかな。でもお願い誤魔化されて!


「…………はぁ………メンチカツが食べたいってリクエスト入ったんだけど………」


 ナイスよミルディア様!


〔大丈夫!任せて!レシピならすでに用意してあるから♪〕

「そ、じゃあコンカツの事は後でジックリ教えてね」


 あうち!

 やっぱり誤魔化せ無かったか!

 久しぶりに黒リアン降臨させちゃったわ。







 ちょうど食事の仕度が終わる頃にホムラが戻ってくるのはお約束なのか様式美なのか?


「戻ったぞ」


 親父か!?

 何か期待してる目をしてるけど、しないわよ。

 食事にする?お風呂にする?それとも私?なんて一昔前の新婚ネタなんて!しないわよ。


「…………」

「さっさと報告しないと食事抜き」

「横暴だ!」


 強権発動(笑)


 そしてリアンと口論してるホムラを無視して食べだす皆。

 もちろん私もお先にいただいてます。

 美味美味。


「俺のメシー!!」

「報告は食後で」


 無事?二人のケンカも中断されてお食事タイムになりました。

 食事中はお喋り無しでひたすら食べる。

 それだけリアンの作るご飯が美味しいって事よね♪







「あー、食った食った」


 お腹をポンポンと叩く隼人。

 うむ。見事な腹音である。

 ポンポコポンと狸が踊りだしそうだ。

 実際はそんなこと無いって知ってるけどさ。






 食後、少し落ち着いてからホムラの報告を聞きながらお茶をいただく。

 今日の食後のお茶は、私とリアンとホムラに隼人と芽衣はほうじ茶。

 ディルク先輩とアランは香りからしてコーヒーみたい。

 カイとルカはミルクたっぷりのカフェオレが最近のお気に入り。


 食後のお茶といえど手を抜かないリアンは主夫のカガミともいえる次代の勇者様です(笑)

 嫁の来てがないかも!?

 婚活ピンチ!!

 まだはじめて無いけど(笑)







「結論から言うと煙突ですらない」


 えっ!?どういう事?


「外に繋がって無いって事?」


 あ!なーる。


「そうだ。外ではなく、何処かのダンジョンに繋がっているようだ」

「見えてる光は?」

「その何処かのダンジョンからの光だな。調べようにも向こうからの一方通行らしくてな。見えても通れない」

「あの高さから落ちたら………」

「普通は死ぬだろうな」


 魔法が得意ですぐに冷静な判断が下せるような人なら風魔法とかで、衝撃を和らげて着地出来るかもしれないって事ね!


「何処のダンジョンか気にはなるけど、今は無視するしかないだろうな」


 そうね。寄り道なんてしてる暇ないし、この最果ての迷宮をクリアするのが先よね。

 いずれ学校卒業したら残った勇者パーティーで各地のダンジョン攻略なんてのも面白そう。


 そう言えば勇者のお仕事ってパーティーメンバーも混みなのかしら?

 むむ。気になるわ。







「ホノカ。もう寝るよ」


 あらやだ!いつの間にかお風呂まで終わってるわ。

 濡れた私の体を柔らかなタオルで丁寧に拭いてくれるリアン。

 う~ん。気持ちいい♪

 躾たかいがありました(笑)


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