そのさんだってば!!
厳重注意!!
これは現在連載中の『覇王の走狗』の作者が、余りにも追い詰められた果てに精神崩壊を起こして作り上げた、ひとつのばられるぱろでぃです!
登場人物などの人格を、絶対に絶対に、本編に被せないでくださいね!(/ω\*)
では・・・勇気のある方のみ、どうぞ・・・・
そのさんだってば!!
祭国に到着して直ぐに、通と類により此れまでの帳簿という帳簿を全てガサ入れをカマした。そして、ぶっ飛んだ事に、祭国には、全くコレっぽっちも、一銭の金もないことが判明した。
「正直、イマドキの小学生の方が金持ちですよ、コレ」
パンパンと帳簿を手の甲で叩きながら、真が呆れている。
「薔姫のヘソクリの方が、よっぽどあてになりますよ、いやマジで」
「まあ、そりゃ曲がりなりにも姫だからね、義理妹は……」
「そうですよ。だいたい、イマドキの小学生のお年玉の平均金額知ってますか? 低学年で1万円超! 中学年で2万円超! 高学年になったら3万円超ですよ!?」
真は興奮も顕わに、バシバシと帳簿の背を、手の甲で叩きまくる。
う~んと、戰も腕組をしつつ唸る。
「で、どうするんだい、真。何か良い対策案はあるのかい?」
「はい、勿論です」
最早、無用の長物、とでも言いたげに、真はぽーんと帳簿を後ろに放り出した。
ふん! と鼻息も荒く、机に向かって愛機を開いた。
「こ、今度は、な、何を企んでいるんだ、真?」
思わず駆け寄って、ごくりと喉を鳴らす戰を振り返りながら、ふっふ~ん♦♫♦・*:..。♦♫♦*゜¨゜゜・*:..。♦と真は鼻歌で焦らす。
「じ、焦らさないで教えてくれないか?」
「はいはい、慌てない慌てない、慌てる乞食は貰いが少ないんですよ、戰様」
へちへちとキーボードを叩き続け、遂にEnterキーを押す。ターンと小気味よい音がするのは、真がスカしてカッコ付けしているからだ。
再び、3Dポリゴンで立体画像が現れる。
こ、これは!? 今度は何だ!?
期待に胸をドキドキと高鳴らせていると、真様~・真様~という、椿姫の声が近づいてきた。
「あの、着替えてきましたけれど、これで良いのかしら?」
部屋の格子戸をからりと開けて入ってきたの椿姫の出で立ちに、戰はブッ飛んだ。
いや、ぶっはー! と、盛大にブッ飛んだのは、鼻血だった。
必死に鼻を押さえ込んで、わたわたと椿姫に駆け寄る。
「つ、つつつつつ・椿ッ!? ど、どどどどどどうしたんだ、その格好は!?」
「……あ、せ、戰様……ど、どうですか、これ……? と、いうよりも、鼻血……」
「あ、う、そっちは気にしないでいいから!」
着替えてきた椿姫の姿は、所謂『戦う乙女テイストでありつつも、大きなお友達をあざとく取り込め、売り出し中アイドルッ!』的コスチュームだったのである。
ただし、幼女対応の絶壁胸でない証拠に、バストF65カップである。
ぷるんぷるんである。
おしりが桃まんなら、おっぱいはあんまんである。
ばっちりその谷間が見えちゃっているのである。
もじもじしながら、魔法アイテムらしき琴を手にした、変形着物のミニスカフリルぷりぷりの椿姫は、まさに完璧な二次元アイドルの三次元具現化、『未来形アイドルに注目せよ!』と煽り文句の一つもつけたくなってくる完璧さだ。
鼻血だらだらを必死で堪えながら(だが堪えたら吐くぞ)、何か言わねばとおたおたしている戰の袖を、くいくいと引っ張る者があった。
モチロン、真である。
「戰様、はい、データ表示完了しましたよ」
「ん? ああ、真それで一体なにを……」
戰が再び、ごっはぁー! と鼻血をぶっ飛ばして仰け反る。
振り返った戰の視界に飛び込んできたものは、パソコン画面に映し出された3Dポリゴンの椿姫だった。
しかも!
コスチュームは、今、彼女が着ているものだ!
いや、ちょっと違う。
後ろ側に大振りのリボンがついて一部がロングスカートのようになり、背中にちょうちょのような翅が生えている。
いかにもラスボスを倒す為に、皆の声援を受けたらご都合主義的に最終形態に進化を遂げた最後の希望のメインヒロイン頑張りますわ! コスチュームである。
スバラシイ!
これこそ、可愛いえろさである!
「し、真! な、なななななななんだ、コレ!?」
「いえ、これから椿姫様を地方発幼女番組タイアップアイドルとして、売り出していこうかと」
「え、えええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
「それでですね、当然、ファンクラブを結成する事になる訳ですが、このポリゴン画像のフィギュアを制作してですね、第一期会員限定プレとしてつけようと思っているのです」
「ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
「今の世の中、躊躇なくお金を落としてくれるのは、親バカ通り越したバカ親と、孫にでら甘いジジババを従えたシックスポケッツを持つ幼児様と、コレクター魂に火をつけられた金に糸目を付けぬオタク様です! ここは椿姫様に文字通りに身体を張っていただいて、盛大にお金を稼いで頂きましょう!」
「え……!? ちょ、ちょっと待ってくれ、真、という事は……!?」
「そ~です! アイドルに彼氏どころか恋愛は不要!」
「な、なにー!? つまり、つまり!?」
「そ~です! これより、椿姫様は『戰様の椿姫』ではなく、『みんなの椿姫』になるのです!」
ビシ! と真が、人差し指を戰に突き立てる。
「そんなの駄目だ~! 椿は私だけのものだー!」
戰の絶叫が、部屋に響き渡った。
後日、限定100体で制作された『最終コスチューム椿姫フィギュア』は、戰のへそくりで全て10倍の値段で買い上げられた。
祭国の国庫は、大いに潤ったのである。
ひ、ひでぇ・・・
ど、どんどんひどくなっていく・・・(/ω\*)




