そのになりよ!
激注意!
これは現在連載中の『覇王の走狗』の作者が、余りにも追い詰められた果てに起こした、ひとつのばられるぱろでぃです!
登場人物などの人格を、本編に被せないでくださいね!(/ω\*)
では・・・勇気のある方のみ、どうぞ・・・・
そのになりよ!
項垂れて腕を組む戰の前で、真は静かに木簡を広げている。
「……真、そのだね」
「知りませんよ」
「いやその、そんな事を言わないで」
「知りません」
すがる様な戰の口調に、つんつんつ~ん! とそっぽを向く真だった。
例の風呂場事件の誤解は解けたのは良いが、一方的に悪者にされた真が、珍しくまだ拗ねている。
「だいたい、何ですか、風呂シチュ専門だの、つるぺた幼女趣味だの、光源氏計画イヤッッホォォォオオォオウ! だの。よく言えましたよね。そこまで言えるって事は、しっかり知識を蓄えてらっしゃるんじゃないですか、戰様」
「う、いやその、蔦があれこれ世話を焼いてくれたお陰か、なんというか、それなりに」
「へ~え、一体どんな世話なのでしょうかね~」
「ほへッ!?」
「今度、蔦に聞いてみよっかな~」
「ほへへッ!?」
「そんで椿姫様にバラシちゃおっかな~」
「し、真、なんか口調がいつもと違うぞッ!? というか、それだけは! それだけはやめてくれ!」
「ふっふ~ん、ど~しましょうかね~」
「し、真!」
「冗談ですよ」
木簡から視線を上げた真は、しれ、と答えると突然机の上に置いてある愛機であるノートパソコンを起動させて、へちへちへちへちとキーボードを打ち始めた。
「へえ、凄いな、真。ブラインドタッチが出来るのか」
「当たり前でしょう」
「どうすれば、出来るようになるんだ? 最近習い始めたのはいいんだが、正直苦手で、薔姫にすら早打ちバトルで負ける有様でね……」
「ああ、まあ戰様の場合は指がぶっといので、誤爆も多いでしょうね」
「どうしたら、上手くなる?」
「手っ取り早い方法を、お教えしましょうか?」
「うん、頼む」
「オンライン格闘エロゲーを数本こなせば、ひと晩でそれなりに打てるようになりますよ」
「……そうじゃなくって! 椿姫に聞かれて誤解されでもしたら、どうするんだ!」
襟首を掴んでゆさゆさ揺さぶる戰に、チッ・冗談も通じないのかよ、メンドくせぇ御方ですよ、マッタク、という表情で、真は睨み付ける。
「ちょっと、揺らさないで下さいよ、今、大事なデータの最終チェック中なんですから」
「あ、ああ済まない……というか、この間の風呂事件からこっち、ずっとパソコンに何かデータを打ち込んでいたね? 何のデータなんだい?」
「……知りたいですか?」
「ああ、気になるじゃないか」
「じゃあ、はいどうぞ」
真がEnterキーを、ぽちっと押すと、ぴこ~ん! と3Dポリゴンデータが出力されてきた。一瞬、初音ミクかと思った戰は、鼻血を出してぶっ飛ぶ。
初音ミクの衣装を来た椿姫だった。
「し、しししししし真!」
「はい、此処まで~!終了!」
ちょうど胸あたりが表示される寸前で、真は表示を止めた。
「し、しししししし真! なんで止めるんだ!?」
「え~? だって、椿姫様に誤解されたくないんでしょ?」
「そ、それと此れとは別問題だ! さ、最後まで見せてくれ!」
「メンドくさい御方ですねえ、マッタク……はい、どうぞ」
流石にデータ収集の鬼の真が作り上げただけはあった。
まるで生きてるかのような、素晴らしい脈動感!
肌の色艶、瞳の輝き!
髪の毛のディティールに至る細部まで、徹底的にこだわりぬいた再現力!
「す、凄いな……」
思わず知らず、ゴクリ……と喉を鳴らす戰に、ちっちっち・と真は舌打ちをしながら立てた人差し指を左右にふる。
「タダの初音ミクコスプレ椿姫様と思わないで下さい。実はこの椿姫様、私の妻からの情報を元に、スリーサイズも極限まで反映されているのです」
「な、なに!?」
「薔姫の話によると、恐らく椿姫様のバストサイズはFカップ・アンダー65、ウエストサイズは56、ヒップは83、しかも桃まんです」
「も、桃まん!?」
「そう、桃まんのおしりです」
妄想力を逞しくした戰の耳に、こんこんと扉を叩く音が聞こえ、返事をする前にお盆にお菓子をのせた椿姫が入ってきた。
「皇子様、真様、おやつをお持ちしました。どうぞ休憩なさって下さい」
手にしたお盆の上には、タイムリーにほこほこと蒸気をあげている蒸したてほやほやの桃まんが!
ついに、ぶ~~~っ! と鼻血を大噴出して、戰がぶっ倒れる。
「きゃあ!? み、皇子様!? どうなさったのですか? み、皇子様!?」
おろおろとしながらも、戰の鼻血を止めようと必死になる椿姫の耳に、戰の呟きが微かに届いた。
「ももまんのおしり……」
またやっちまいました・・・(/ω\*)