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夏が来た  作者: デンスケ
1/5

日曜日の暇な日々

初めましてデンスケです。


素人ですが読んでいただけると幸いです。

コメントがあれば遠慮なくコメントください。

なんてことないいつも道理の日曜日。朝というか起きたのは11時なんだけれど、いつも道理当たり前のように二度目寝をする。


だって、昨日寝たのが早朝4時だったんだから。眠いよ


「ちょっと、いつまで寝てる気?かたづかないでしょうが起きなさい」


きたよ、いつも道理の日曜の朝だ。起こしに来たのは母だ。平日は起こさないくせに休みの日になると何故かやけにうるさい。と言ってももう11時なんだけど…


「いいじゃん、日曜日なんだから飯は後食べて片付けて置くからほっといて」


布団を深くかぶりダンゴムシのように丸くなる。しかし、そんなことお構いなしに母は布団に手を掛ける。


「日曜なんだから早く起きなさい」


こいつは…無理やりにでも布団を剥ぐ気だなこんな時は抵抗しないのが一番だ。俺はイタチごっこは嫌いだ。


「せっかくの休みなんだから出かけたりしなさいよ、休日がもったいないじゃないのよ」


そう、この人は無駄が嫌いな人なんだ。早く起きろ、ご飯を残すな、宿題しなさい、全部は時間物を無駄にするなというところからきているらしい。最近きづいた。


「言われなくても有意義に使ってるよ、寝ること以上に人生を謳歌できることは無いんだぜ?言うだろう、寝るほど楽はかかりけりって」


母は頭を抱えた寝息を吐く。なんでこの子は…そんな顔をして。


「早く食べなさいよ」


そういうと母は俺の部屋から出て行った。よくもまあ飽きずに起こしに来るもんだ、高校生の息子を。


茶の間に行くといつも道理の朝ごはんが用意されていた。ご飯に味噌汁と目玉焼き。家の朝食は目玉焼きが卵焼きに代わること以外めったなことでは変化が起こらないようにできている。


味噌汁をすすっていると手元に置いてあった携帯が鳴る。この着信音はメールだな、だれからだろう?


メールを開くと宗治からだ。牧田宗治は俺の友達、ゲーム友達だ。よくあいつとはゲームを持ち寄ってゲームをして遊ぶ。ゲームが好きというのもあるが、田舎で遊ぶもんなんてこれくらいなもんだから。


メールには『いとこ来てるんだけどゲームすんのに人数足んないから来ない?』と書かれていた。


宗治の従妹は俺らと同い年の宗治とは似ても似つかない髪の長い黒髪の乙女といった感じの美少女。しかも双子。そんな美女をおもてなしできるような甲斐性があるはずもない俺たちだが、ごあいにく様、いとこさんたちもゲームが大好きでいらっしゃって、宗治は「いとこ同士は結婚できるんだぜ」と歓喜の声を上げていた。そんな…


とはいえ、あんな美人とお知り合いになる機会、はたまた趣味が合うなんてことはこれからの人生、ありえないことなのくらいは分かっている。俺だってあわよくばと思わないこともないけれど…趣味が合うのは妹の方だけなんだけど、姉はそれに付き合ってる形だ。


しかし、どうにも女性、美人の前では緊張してしまう。オバサンは平気なんだけどなあ。これはいまだに解決できない疑問だ。


ともあれ、メールの返事は当たり前『分かった。行く』だ。


飯を食べてから出かける支度をする。出かける支度と言っても、顔を洗って歯を磨くぐらいで、美女に会うからと言っても特別何か用意するわけでは無い。財布と携帯を持って、自転車にまたがり家を出る。今日は良い天気だ、セミがうるさく鳴いている。良いゲーム日和だ。


宗治あの家は農家だ。家も周りは畑と田んぼが広がっている。その他に見えるのは山ばかりだ。


宗治の家に着くと俺は勝手に上り込む。毎回のことなので怒られたりはしない。宗治の両親は大抵家にはいないし、玄関にかぎもかかっていない。これも田舎ならではだろう。


「お邪魔します」


部屋に入る時ぐらいは挨拶をする。宗治の部屋は10畳となかなか広い。家の外見に似着かず、洋間でフローリングにカーペット、台が透明なテーブルにソファーと、もちろんゲーム機各種も取り揃えている。これだから地主の息子は…


「おう、早かったな」


宗治は待っていたぞとばかりに片手をあげて歓迎してくれた。いつも感じだ。


「久しぶり、淳平」


「一昨日あったばっかじゃん」


こちらが宗治の従妹の姉の方、綾瀬桃花。何を隠そう、桃花とはクラスメイトだったりする。とはいっても、二クラスしかない学校でクラスメイトも何もないが。田舎とはそういうものだ。


「桃子は寝てんの?」


もう一人、テーブル突っ伏しているのが妹の方の桃子。双子だかっらって桃でそろえることは無いと思う。皮肉にもこいつらの家は果樹園という、皮肉な名のもとに生まれたそこだけが残念な姉妹だ。


「また夜通しでゲームしてたみたい。宗治に勝つんだーって」


「まだあきらめてないんだな」


机に突っ伏した妹に、それを見る呆れ顔の姉。性格は真逆で、分かりやすく言えば姉はしっかり者、妹はなまけ者。見た目はほとんど見分けがつかないにも関わらず、学校では断然姉の方が人気。性格ってだいじだよなあ。宗治も姉狙い。一方、俺は妹の方が気になる。


「ハッ!」


突然飛び上がる形で起き上がった桃子の顔はよだれまみれだ。これだから残念な方とクラスメイトに言われるんだよ…


袖でよだれまみれの顔をぬぐいながら、座りなおす。だれも「よだれを袖で拭くな」とか「いい加減その癖直せ」というやつはいなくなってしまった。


「さあ、始めるよ!昨日の成果を見せてやる」


ファイティングポーズ。恥ずかしくは無いのだろうか。


「別に俺待ってなくても、始めてていいのに。宗治倒すんだったら俺別にいなくてもよくない?」


いつもの位置に座る。いつもの位置とは、桃花の隣、なぜかクラス別に座る変な癖がある。去年は桃花&宗治、俺&桃子だった。クラス替え、なくてもいいのに。


「この宗治を倒す、歴史的瞬間を淳平にも見せてあげたくてさ。早く、ハイ」


桃子はコント―ローラーを俺に差し出す。何故だ?


「練習相手になってよ、桃花じゃ相手してくん無くてさ」


「そりゃそうでしょう?あんたみたいにゲームばっかりしてらんないわよ」


「そうやっていつも逃げて一緒にゲームしてくれないんだもん」


俺は知っている。なぜ桃花が桃子の相手をしないのか。


「まあいいや、それじゃはじめよう」


俺はコントローラーを受け取り、テレビ画面に向かう。ゲームはスマブラだ。


――5分後


「…負けた」


何故桃花が相手をしないかというと、「桃子がくそ弱いから、相手にならない。ぼこぼこにするのも悪いし」だそうだ。


決して桃子が桃花が言うようにくそ弱いわけでは無い。が、ただ、俺たちが桃子よりも強いのは確かな事実だ。それに何気に一番強いのは桃花だったりする。


「淳平に負けた…、淳平に」


桃子は頭を抱えて机に突っ伏す。そんなに俺に負けるのが嫌か!?


「言っとくけどな、俺はスマブラだったら宗治よりも一枚上手なんだぞ」


桃子は俺の言うことはお構いなしに「負けた…淳平に」と突っ伏したままブツブツブツブツごもっている。


「もっかいやるか?」


情けというわけでは無いけど、このままうじうじされてもうっとしいし。


桃子は伏せたままコントローラーを持ち、ゆっくりと顔を上げる。またよだれまみれになった顔を袖でぬぐう。よく見ると涙目になっている。いつものことだけど。


「やる、今度は手加減してね」


「プライドは無いのかよ」


姉は呆れ顔だ。


されど、まあ、何度やっても結果は同じになる負ける気なんかさらさらない。けれど、俺も子供じゃない。流石に二回目で負けると怪しまれるので、四回目で出来る限り気づかれないように、至って慎重にかつギリギリのところできれいに負けてやる。そうすると、


「かったー、淳平弱くなったんじゃない?これだからいつまでも桃花に勝てないんだよダメじゃん」


と、胸を張って言われる。お前、この前に三回負けてんだぞ?それなのに…  負けたくないよな、桃花はこんな妹がいてたいへんだよなあ、だからしっかり者に育ったんだろうなあ。


「いやー、満足満足。ほら、みんなもやろうよ、ね」


「いいのか?宗治と戦うんじゃなかったの?」


流石の桃花も黙っていられなかったらしい。呆れ顔のまま桃子に視線を向ける。今日ここにきてから桃花の呆れ顔しか見ていないような気がする。


「良いじゃんいいじゃんもう」


「おいおい、桃子がそれでいいんだら良いけどさ」


宗治も呆れ顔だ。でも、宗治もゲームに関してはなんだかんだ言っても桃子とはどっこいどっこいの実力で、結構焦っていたはずだから、きっと内心ほっとしているんだと思う。


「良いんじゃない?本人が良いっていてるんだし」


桃花は明らかに納得いっていないトーンでそういうと、自分のコントローラーを手に取る。桃子にこれ以上何を言っても無駄だと一番わかっているのは姉である桃花自信だろうから。


「始めますか」


こうやっていつも道理の日曜日が過ぎていく。




18時


何もゲームばかりをしているわあけではない。とはいえ、何か特別にすることがあるわけでは無いので、ゲームに飽きると大抵は宗治の部屋にある漫画あさりが始まる。品ぞろえはさまざまで少年コミックから少女コミックまで有名なのは大抵そろっている。


その中から各々お気に入りのものを取り出し、読みながらだべる。話の内容は学校のことがほとんど。同じ学校なんだからそんなにしゃべることもないんだけど。


そんなことをしているうちにだらだらと時間が過ぎていき、気づけば18時


「じゃあ、俺はそろそろ帰るわ」


漫画をもとの位置に残し、立ち上がり携帯と財布をズボンのポケットに突っ込んで一旦背伸び。


宗治は目覚まし時計に目をやる


「もう6時か、また明日な」


桃子は漫画に夢中。桃花は寝てしまっている。


「桃子、もうそろそろ帰んなくていいのか6時だぞ6時」


桃子は携帯を開いて時間を確認すると、部屋の時計と見比べる。見比べる意味はあるんだろうか?


「ほんとだ、帰んなきゃ…って桃花寝てるし。ねえ宗治、先に帰ってるから桃花起きたら送ってきてよ」


宗治はまたかよと小さくつぶやき、しかし満更でもないような表情で


「分かったよ。どうせ三軒隣りなんだから構わないよ」


宗治が桃花に気があることを知っているのは俺だけではない。桃子も知っている。どころか、クラスの間で噂されているぐらいだ。


桃子は立ち上がりにやっと嬉しさを隠した宗治の顔を見て


「寝込みを襲うなよ~」と茶化した


「バッ、いいから帰れよ襲わねえよ!」


茶化された宗治は顔を伏せ、右手でシッシと桃子を払う。


伏せられた宗治の顔は真っ赤に染まっているに違いない。このままここにいても気まずいので、桃子と二人で部屋を出ることにした。


六時とはいえ、今は夏。あたりはまだまだ明るい。明るいにも関わらず、街灯はこうこうと照っている。電気の無駄使いだよなほんと。


一生に帰るとは言ったものの、三軒先なので、二人きりの夢の時間は30秒で終了。


「じゃあね、送ってくれてありがとう」


丁寧に頭を下げてへへ、と笑う。この笑顔に初めて出会ったときにやられてしまったのは言うまでもない。


「どういたしまして」


そうだ、こんな機会はめったにない。気になっていたことを聞くいい機会じゃないか。


「桃子さんはあのお二人のことはどう思われますか?」


気にはなるけど本人たちに聞くのは気が引ける。ここはあの二人に近しい桃子に聞くのが最善策だ。


桃子は迷うことなくきっぱりと口を開いた。


「桃花は宗治は無いんじゃない?宗治にはかわいそうだけどさ、無いと思うよ?好みじゃなさそうだし。」


こういう時はきっぱりしてるなあ。


「だからああやっていい思いさせてやってんの?」


「そんな言い方しないでよ、なんか悪いことしてるみたいじゃん」


「別にそんな気はないけどさ」


桃子はそうだと思い出したように


「それに大体、好きな人いるみたいだよ?桃花」


求めていた情報をはるかにしのぐ桃子の発言に思わず声が裏返った。


「へっ?」


「誰かは知らないし、なんとなくいるんじゃないのかなあ~って思うだけだけど。でも当たってると思うよ?ほら、私たち双子だからさ」


確かに双子だと意思疎通ができるとか言うけれど、なぜか桃子が言うとウソっぽくきこえるなあ。


「何?疑ってるの」


ば、ばれた


「いやいやいや、そんなことないって、うん」


「ふーん」


明らかに怪しまれている。ここは話を戻そう。


「でも、そうだとしたら相手は誰だよ?桃花がほかの男子と仲良くしてるところなんか見たことないけど」


そう、桃花の周りには男子が寄ってくるのは確かなんだけれど、特定の誰かと親しくしているところは見たことが無い。


「そんなの分かんないよ」


「ですよね~。でもなんか聞きたくなかったかもしんない。なんか明日から桃花の見方が変わりそうだよ。余計なこと聞くもんじゃないな」


「そうだよ、余計なことには首を突っ込むもんじゃないよ」


「そんじゃ俺帰るわ、ありがとな」


「またね」


自転車にまたがり家に帰ることにした。話をしているうちにあたりは大分暗くなってしまった。蜩の鳴き声が遠くから聞こえてくる。本格的に夏になったんだな。


しかし、宗治にはご愁傷様なことで、桃花に思い人がいるなんて…すごく気になるが、あまり詮索したくはないな。ややこしいことになりそうだし、宗治には黙っておかないとな。いずれはばれることなのかもしんないけど。


蜩って夏の終わり鳴くんじゃなかったけか?

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