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第22話:『帝都決戦――七星の残党』

 帝都の白亜の街並みは、今や火の海と化していた。


 塔の頂上まであと一歩。だが、黄金の凱旋門を抜けた俺たちの前に、二機の巨大な影が降り立つ。


「……ここまでだ、アルト。我が主の眠りを妨げる無礼、その命で償ってもらおう」


 現れたのは、皇帝の絶対守護者――『七星』の生き残り、剛腕のザックスと電光のレイラ。

 ヴァルガスをも凌ぐプレッシャーが、大気をピリピリと震わせる。


「……まだ、壁があるのか。ビット、出力はどうだ?」


『カツカツだよ! でも、右目センサーはビンビンに冴えてる。アイツら、全身が『宝の山』に見えるよ!』


 だが、二機の連携は完璧だった。

 ザックスの超重装甲が盾となり、その影からレイラの超高出力電磁砲が、ゼクセリオンの隙を正確に射抜こうとする。


「アルト殿。ここは、私に任せてもらえないか」


 突然、セシルがゼクセリオンの肩から、音もなく地面へ降り立った。


「セシル!? 生身で何を……!」


「……アルト殿、お前にはまだ先でやるべき仕事があるはずだ。ここは、かつて国を捨てた騎士が、落とし前をつける場所だ」


 セシルの背後に、ガストン率いるスカベンジャー軍団が到着する。


「アルト殿、後ろを見るな! 前だけ見て走れ!」


 ガストンの叫びとともに、アンダー・ギアの重機軍団がザックスの巨体に組み付いた。 足止めを食らっていたレイラの電磁砲も、スカベンジャーたちが放ったジャミング弾の煙に呑み込まれていく。


「……わかった。ここは任せる。……みんな、後で必ず会おう!」

ゼクセリオンは一度も足を止めることなく、黄金の凱旋門を強行突破した。仲間の想いを背負い、一気に塔の最上階――皇帝とカインが待つ場所へと加速する。


 レイラの電磁砲がゼクセリオンの背中を狙う。

 だが、その射線をセシルの剣が弾き、ガストンの重機が放ったワイヤーが、巨大な敵の足を縛り上げた。


「俺たちの『目』は、あんたたちの隙を見逃さない。……アルトに教わったんだ。どんなに強固な機械にも、必ずボロがあるってな!」


 背後で響く、爆音と怒号。

 仲間たちが命懸けで作ってくれた、一筋の道。


 アルトは右目のセンサーに流れる仲間たちのバイタルサインを噛みしめ、ただ真っ直ぐに、皇帝の待つ最上階へと突き進んだ。


 そこに待ち受けているのは、皇帝か、あるいは――。

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