表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/25

第16話:『空中艦隊を墜とす者』

 ドォォォォォォォォォォン!!


 地下都市の排気口を突き破り、白銀の閃光が空へと噴き出した。


「……な、何だ!? 地下から、何かが来るぞ!」


 空中を埋め尽くしていたエクリプス軍の艦隊から、動揺の叫びが上がる。

 雲を切り裂き、爆炎の中から姿を現したのは、右目に紅い大型センサーを、全身に無骨な外部装甲を纏った――新生ゼクセリオンだった。


「アルト……。貴様、死に損なっていたのか!」


 艦隊の中央。大破した機体を強引に修理したヴァルガスの『グロリアス』が、四本の腕をこちらへ向ける。

 だが、今の俺には、その動作が止まって見えた。


右目センサー、同期。……艦隊全ての、弱点ポイントを確認」


 脳内に流れ込む、無数の幾何学的ライン。

 地下の仲間たちが作り上げた新しい『目』は、一万個を超える敵艦のパーツの中から、連鎖爆発を引き起こす「たった一つの歯車」を正確に示していた。


「ビット、エネルギーの指向性を左腕に。……セシル、露払いをお願い!」


「承知ッ! この新しき剣、その身で味わうがいい!」


 ゼクセリオンの肩から、セシルの剛剣を模した超大型の振動ブレードが展開される。

 一閃。


 真空を切り裂くような衝撃波が、接近してきた敵の飛行部隊をまとめて塵へと変えた。


「……バ、バカな! 我が軍の誇る重装甲機が一瞬で!? 全艦、撃て! そのバケモノを空から叩き落とせ!」


 ヴァルガスの絶叫とともに、数百門の主砲が一斉に火を吹く。

 かつて俺たちを絶望させた光の雨。


「鑑定……『ゴミ』判定。……そんなバラバラな攻撃、俺には当たらない」


 俺は操縦桿を最小限に動かした。

 光の弾幕の「隙間」を縫い、ゼクセリオンが空を舞う。

 右目が示す回避ルートは、まるで糸を通すような正確さで俺を安全圏へと導いていた。


「ルナ、出力を貸してくれ。……艦隊まるごと、再定義する!」


「はい、アルト様。……私たちの、新しい未来のために!」


 ルナの祈りが光となり、ゼクセリオンの胸部に収束していく。


「――再定義リ・アンスレイ:【銀河墜ぎんがつい】!!」


 ゼクセリオンの拳が空を叩く。

 放たれたのは破壊の光ではない。敵艦隊の動力炉に「過負荷の信号」を強制的に送り込む、電子の嵐(EMP)だ。


 ガガガガッ、とノイズが走り、一隻、また一隻と、空中艦のエンジンが火を吹いていく。


「あ、ありえない……。我が精鋭艦隊が、ただ一機の攻撃で……っ!?」


 空を覆っていた黒い影が、次々と火だるまになって地上へ墜ちていく。

 それはまるで、偽りの夜が明け、本当の星が降るような光景だった。


「……次はあんたの番だ、ヴァルガス。その『七星』の座、ガラクタとして俺が回収してやる」


 爆発の連鎖を背に、新生ゼクセリオンが敵の総旗艦へと牙を剥いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ