0 手紙
この手紙を読んでいるということは……ふふっ、ベタすぎましたね♪
改めて、この手紙を読んでいるということは、もう私はこの美しい銀世界にはいないのでしょうね。
まず、謝らせて下さい。花屋であった貴方を、戦争に巻き込んでしまって。
私が手紙を書いている理由、分かりますか?
もちろん謝罪もあるけれど、貴方の時間を――花じゃなくて、私のためにも使って欲しかったからですよ♪
あなたは、私の前でどうしても泣かなかった。
だから、もう書くことがないので、昔話をしてあなたを泣かせようと思ったの♪
私と貴方が出会った日を覚えていますか?
丁度、8月7日。花の日だったんですよ。
あなたは森の危険な地帯で、一面の花畑を造っていましたよね。
私はその花畑で本を読んでいるあなたを見つけて、見惚れていました。
実は――一目惚れだったんですよ♪
「綺麗だろ、この花。彼岸花って言うんだぜ」
貴方がそう教えてくれたのが、私と貴方の始まりでした。
貴方の願いは、世界中に自分だけの花を植えて、みんなに見てもらうことだ――って言っていましたよね♪
私、実は世界中に貴方の花が植えてあるか、先に見ちゃいました!
植えてあったかどうかは……教えません♪
旅者である貴方はお金が無くて、私の王城に住みつきましたよね。
あの時、どうしてもというから住まわせたけれど、執事にカンカンに怒られたんですよ!
「旅者を王城に住まわせるとは何事かーって」
執事、本当に怖いんですからね!!
……話が逸れてしまいました。
手紙も長文を書くのも初めてなので、どうしても話が逸れてしまいます。
私が話したかったのは、王城で貴方がトイレの水を、睡蓮の葉?という物で埋め尽くしてしまった話でした。
あれ、実は使用人にしかバレなくて、怒られなかったんですよ♪
それでも! 貴方には説教を行いましたけどね!
お金の為か、貴方は花屋をしましたよね。
そして貴方は、
「一生ここで花を売る!」
と言いました。
売れ行きは良好でしたが、
「一生だったら、貴方の花が世界中に広まったかは分かりませんよ?」
と私が返した時、
「こっちの方が効率がいいし、止まりたい理由があるんだ」
……と言いましたよね? よね♪
あれ、もしかして私に惚れてたんですか? なんて。
手紙だから、質問を投げかけることしかできない事が、少しばかり残念です。
私が実は流剣女騎士の血を引いていて、二年後、成人したら戦場に繰り出されると知った貴方は、私に剣で勝負を吹っかけましたね。
貴方は私にボコボコに負かされた時、半泣きでしたよね♪
それがつい可愛くて、216回も貴方を負かせたんですよ! 知ってましたか?
でも217回目の時、流汝騎士である私が、花屋であった貴方に負かされちゃいましたね♪
217日、2月17日は天使の光の日でしたよね♪
銀世界にぴったりです!
貴方が私に勝負を仕掛ける前に言った、
「女は体を気遣え! 剣など持つな!」
……と激怒しましたよね。
私達の国聖都、アルトルドに住む女の子たちに聞かれたら、殺されちゃいますよ?
にしても、14の成人手前である貴方の半泣き顔は、面白くて可愛かったです♪
ふふっ♪
……泣きましたか?
流石に、まだですよね。
これから泣かせるんですから!
『……泣けないわけないだろっ』
『また、お前に会いたいよ、ブルシア……でもお前はもういない……今から会いに行くよ、ブルシア』
手紙は、途中で終わっていた。
水滴か何かで、紙が滲んでいるのが分かる。
キシッ、キシッ――
縄が括られた天井の、突っ張り棒のようなものが軋む音が、部屋に響く。
段々と、感覚がなくなっていくのを感じる。
「痛い……苦しい……辛い……苦しい……
痛い、痛い、痛い、痛い……会いたいよ……」
―――アルストロメリアは、1回目の死を迎えた。
学生が書いた駄作です。これから矛盾が出ると思いますがお手柔らかにお願いします




