2話「助言?」
世界を作り出したといった彼女だったが、到底信じられない…、こんな純粋無垢な少女が世界の創設者なんて。
「そんな、世界を作った凄い私の助言を聞くといいよ」
自慢げに話す彼女の姿を見ると、ますます怪しくなってくる。
「君たちは…冒険者になるべきじゃない。」
冒険者になるべきじゃないって、何を言ってるだろうか。
「君たち双子は、レベル上限が存在しない…」
ますます何を言っているのか分からなくなってきた。
「言ったでしょ?最初に…努力するだけ報われるって。」
努力が報われる世界…でも報われるのは自分たちだけ。
「だったら尚更、冒険者になった方がいいんじゃないか?」
俺は最大の疑問をぶつけた。強くなるならば、その強さが1番発揮されるであろう仕事をしなければならないのではないか…と。
「…君たちにしか出来ないことがある。」
少女は微笑み、気がつくと消えていた。
妹はわけも分からず混乱している様子だった。
俺たちにしかできないことってなんだよ。
冒険者は俺たちじゃなくても大丈夫ってことだよな。
考えたところで答えは出なかった。
─それからまた時が過ぎ…俺たちは15になった。
魔法や勉強、運動などできる限り努力をし続けた…しかしレベルが分からないので、実感がわかないが…
そうそう、この世界では15歳以上から職につかなければならない。
冒険者以外の仕事がいいと親に探してもらうと、ある貴族の使用人として働くという内容の仕事を見つけた。
どうやら人手が足りないと言うよりも、誰もいないらしい。その分給料が弾むからオススメという。
双子の使用人ってことは俺が執事で、妹がメイドってことだ。
漫画やラノベの世界でしか聞き馴染みのない単語の仕事をするのが少しばかり楽しみであった。
そして勤め先の先の貴族っていうのが、神の生まれ変わりとか何とかで神聖な家系らしい。
だが最近、旅行中に襲撃をうけ、1人の娘以外の家族が亡くなり、生き残った娘も酷い怪我だという…
つまりは使える貴族はその娘1人ということになる。
まぁ今からその就職先に向かっている途中なのだが。
「お兄様!神の子孫と言われるルミナス家って、私たちの田舎イモ貴族とどう違うのでしょうか?」
「知らないし、自分の家系をイモとか言うのやめろ。」
妹がなんか変な方向に成長してないか不安だが、まぁちょっとクレイジーな方が仕事にも色が出るだろう。
「アテル、そろそろ着くぞ。」
「はーい」
そして俺たちの、新たな生活が幕を開けるのだった。




