恒例小噺集
【登場人物】
優哉=鈴城優哉
姫風=鈴城姫風(痴女)
寛貴=坂本寛貴
祐介=鳳 祐介
椿 =鈴城 椿(暴君)
沙雪=新海沙雪(ポニ天)
梨華=相庭梨華(女王)
【肝試し】
優哉「肝試ししようぜ肝試し!」
寛貴「男女一組で目的地に行って帰ってくる定番のアレか」
祐介「そんなことより鈴城姫風の前で優哉に抱きつくと言うゲームの方が肝試しにならんか?」
寛貴「その肝試しだけは嫌だ! つかチップが命じゃねえか! 誰得だよ!?」
【孔子】
姫風「孔子曰く――」
優哉「こうしいわく?」
姫風「中国の春秋時代に存在した学者であり思想家」
優哉「春秋時代と言うと……あ、僕知ってる! すぐに戦国時代が有って『戦国の七雄』が生まれた時代だよね? そのあと確か秦が史上初めてとなる中国の統一をするんだよね?」
姫風「ゆう、本物?」
優哉「ゲームの知識だから忘れないの! ちょっと知識が有ったらすぐに疑うのはどうかと思うよ!? で、その時代の『こうし』さんがどうかしたの?」
姫風「孔子曰く『書を嗜む獣ほど怖いものはない』」
優哉「それはどう言う意味?」
姫風「元から怖い獣が知恵を付けると更に手がつけられなくなる様子、と私は解釈した。要は鬼に金棒」
優哉「へー。『こうし』さんはそんなことを言ってたんだ」
姫風「嘘だけど」
優哉「嘘かよ!」
【実力の差】
優哉「姫風! ちょっと一回ガチで殴り合おうか!」
姫風「殴り愛?」
優哉「好きに解釈すれば良いさ! 白黒つけてやる! 男にはな! 負けると解っていてもやんなきゃなんねえ時があるんだ! るあ!」
優哉が拳を突き出す。
姫風は上体を反らして楽々回避。
すかさず拳の連撃を見舞う優哉。
都合十発分の拳を姫風はその場から下半身を動かすことなく、全て回避して魅せた。
優哉「……姫風、お前がナンバーワンだ」
【死因】
姫風「ゆう、おはよう」
優哉「おはよう」
姫風「ゆう、今日も愛してる」
優哉「は、ははは。ありがと」
姫風「好きな死因を教えて」
優哉「そうだなぁ……よく窒息死は気持ち良いって聞くけどっ――てバカ! 唐突に朝からなに物騒なこと言ってんだよ!?」
姫風「もしもの時のために」
優哉「嫌すぎるよ!」
姫風「心配しないで。私もあとを追うから」
優哉「僕が殺される前提で話すな!」
姫風「現実を見て?」
優哉「それ姫風にだけは言われたくないよ!?」
姫風「ゆう、今日も愛してる」
優哉「……嫌すぎる」
【植林】
寛貴「暇だな。お前の家の庭にでも植えるか。バオバブの木」
優哉「んなもん植えないでよ!」
祐介「高さ約二十メートル。幹は直径五メートルを超え――」
優哉「解説も要らないよ!」
【冷やし中華】
優哉「ねね、なんで店内の張り紙に『冷やし中華始めました』って、告知してるんだろう?」
寛貴「ただの誘導だろ」
優哉「え?」
祐介「寛貴の言う通り、冷やし中華を頼ませて効率よく仕事を回す手筈かも知れんな。ちとこの考えはひねくれておるが」
優哉「じゃあさじゃあさ『冷やし中華宥めました』とかは貼り出さないのかな?」
祐介「いや待て、その冷やし中華になにがあったのじゃ?」
優哉「『冷やし中華――今年こそは……』とかは?」
祐介「去年のリベンジかのぉ?」
優哉「『冷やし中華諦めました』とかは?」
寛貴「今年は断念したのかよ」
優哉「『冷やし中華(?)始めました』とかだと面白くない?」
寛貴「なにが出てくるか怖くて頼めねえよ」
【乗車】
寛貴「暇だな。優哉をブラックバードの先端にでもくくりつけるか」
優哉「ブラックバード?」
祐介「アメリカ空軍の戦略偵察機で公式最高時速は3529.56kmものスピ――」
優哉「死ぬわ!」
【おいでよ】
優哉「ほらあのゲームやった? 『おいでよぞうもつの森』」
寛貴「なんだその思わずブチ撒けたくなるタイトルは」
【格闘技】
優哉「漫画や小説の設定で空手と柔道の複合型有段者とかっているよね」
椿「実際は、空手と柔道は両立ができない」
優哉「そうなの?」
椿「両方習うと片方の型が崩れてしまう。まともな道場なら決して教えてくれない。漫画やアニメ、小説限定」
優哉「へ〜」
椿「例外があって、空手なら合気道と両立ができる」
優哉「型が崩れないの?」
椿「合気道と空手の型は相性が良い」
優哉「へ〜柔道と合気道も良さそうだけど」
椿「投げ型も誘い型も違う」
優哉「へ〜」
椿「ゆうやは『へ〜』ばかり」
【占い】
寛貴「暇だな。優哉にさせるか。コンクリート占い」
優哉「コンクリート占い?」
祐介「中国の三国時代に魏の曹操が苦戦に陥っている味方の兵士たちを奮起させる為、城壁に拳を打ちつけて、そこに生じたひび割れから戦況を占わせたという故事由来の風水占いじゃな」
優哉「それただの拷問だよ!」
【フラグ】
沙雪「鈴城くん眠そうだね」
優哉「お昼ご飯を食べたからかな?」
沙雪「なに食べたの?」
優哉「サンドイッチ。なんでこうも、食べ物がおいしいんだろう……。そして眠くなる不思議」
沙雪「健康な証拠だよね。体は資本だから、素直に喜べば良いと思うよ?」
梨華「いや、どう見ても脂肪フラグ」
【ベストハウス】
沙雪「海の傍は潮風に煽られていろんな物がさびていくからオススメできないよ」
梨華「山の中もいろんなものがカビていくからオススメできないわね」
祐介「海の傍では錆び、山の中では黴びるのか。どこに住めばいいのかねぇ」
姫風「空」
沙雪 梨華 祐介「…………」
優哉「ゆ、ゆめのなかじゃないかな!?」
寛貴「フォローになってねえから」