凶報
死や殺すなど不穏な言葉が沢山出てきます。
苦手な人はブラウザバック。
いよいよ次がボスモンスター討伐です。
頭痛は一日寝たらすぐ治った。
だから残りの6日を全て全パーティメンバーが死なないようにする訓練に注ぎ込む予定だった。
しかし、3日目の訓練を街の近くの森でしている時だった。
「勇者パーティ御一行、至急、ボスモンスターダンジョンでボスモンスター討伐せよ」と神託がパーティメンバー全員に聞こえた。
混乱して、訓練を止めていた最中、アタシたちパーティに向かって、一人の神官が駆け込んできた。
「ボスモンスターはマンティコアです。
周囲の生命体や片っ端から取り込んでいます。
ダンジョンからその肉塊が溢れるほど肥大化しています。」
息も絶え絶えで、駆け込んだ神官は倒れて、死んだ。
その体は光の粒に変わり消えた。
「マンティコアはとっても危険な魔物です。
見たらすぐに逃げましょう。
捕まれば、自分の体が取り込まれて、感覚を共有されます。誰かに殺してもらうか、マンティコアのコアを壊すまでずっとマンティコアの体の一部にされます」
そう要注意魔物の一つに入るくらいの危険な魔物だそうだ。
この世界のマンティコアは私の世界の人面ライオンとはまた違った魔物だそうだ。
神官からマンティコアと聞いて恐れ慄きびびっている子供達をあやして眠らせた後、カンダと二人だけで宿屋近くの酒場で、防音結界をはり、カンダと狭い机を挟んで向かい合いながら、軽食を食べながら説明された。
「わかったわ」
アタシは頷く。けれど引っかかることがあった。
「戦ってマンティコアに捕まりそうになったら殺すの?」
本来、戦いは誰も死なないようにするのが1番いいことだ。
けれど今回のようなボスが吸収タイプだったら、捕まった後も生かされ続ける。
アタシが捕まった吸血樹以上に子供達に苦痛を与えることになる。
「ボス戦で守り切れる自信がなく。殺すか迷っているということですね」
カンダはアタシの目をじっと見つめる。
「そうよ。だって、偽物の死なんだから、精神的に辛いと思わせる時間を減らせるなら、アタシはアンタも含めてパーティメンバー全員殺す。」
アタシは強く言い切った。
「もし一人取り取り残されてしまったら、あなたはどうやって死ぬんですか。」
そう聞かれて、私は言葉が詰まる。
カンダはそれに気づいてさらに追い打ちをかける。
「この世界でも、自分を殺すことにはすごく抵抗があります。一人では死ねません。
自分を一人で殺すことがあなたはできますか?」
アタシは、この勇者パーティに死んでほしくないけれど死ぬよりもっと恐ろしい苦痛から守りたいだけだ。
「できるわよ。ナイフで首を切ればすぐ死ねる。」
酒場の雰囲気に呑まれ酔ったアタシは、軽食を食べるために使っていたナイフを右手に取り、首に当てる。
ナイフの先が震え、首にあたり少し傷を作った。
少し痛い。
それでも、アタシは、そう強がって答えた。
「わかりました。もし、アルタがマンティコアに捕まりそうなら、全力で殺します(守ります)。」
カンダはそう微笑んで、左手でナイフを取り上げ、机に置いた。
そして、アタシの首を撫でた。
傷による首の痛みが引いていく。




