オネエさんは勇者パーティの秘密を知る。
アタシは起きるとどこか知らない天井の部屋にいた。
「ここはどこかしら」
アタシは、起き上がり周りを見回す。
アタシは、フワフワで綺麗な白いシーツの布団で寝ていた。
しばらくぼんやりしていると、部屋のドアをノックされた。
「はい」
どなたでしょうかと言う前にドアは開く。
「アルタさん、久しぶりです。」
カンダはアタシに近づいてくる。
「あなたがギルドにきたと聞いて、むかってみると倒れていたので、勇者パーティのいる宿に連れてきて、休せてました。体調大丈夫ですか?」
心配した表情をしつつ、こちらの様子をうかがっている。
「こんな良い宿のベッドで寝れているから元気になったわ。ありがとう。」
カンダは嬉しそうな顔をしてアタシの手をとり握手してきた。
「これからパーティメンバーとして、よろしくお願いします」
そう言って、アタシの手を強く握る。
その握る痛みが現実あることを、アタシに知らしめる。
「こちらこそ、よろしくね」
アタシはその手を強く握り返す。
パーティから追放されないために、ヒーラーの重要性をわからせよう。
そうアタシは、勇者パーティのところに案内するカンダの後ろをついていきながら思った。
この世界では、純真無垢なものが聖剣及びそれに伴う聖具を扱うことができる。
そのことにより、記録に残る勇者のパーティメンバーは若い。
平均年齢が、十代後半だ。
思春期真っ盛り、喧嘩もするし、モンスターとの戦闘の場数もあまり踏んでないから、心と体の怪我しまくるはずだ。
それをケアするのがアタシ、ヒーラーだ。
最近の若い子は教会や神殿が身近だから、すぐに病気や怪我をすると死にたがるときいている。
そこで、私が死ぬのを止めて、死なずに冒険することの楽しさとヒーラーの重要性をわからせることで、パーティ追放を回避する。
カンダが立ち止まる。
どうやら、パーティメンバーがいる。
部屋の前についたようだ。
「アルタさん、これから目にすることは、国家いや世界平和の秘密です。
どうか、周りには言いふらさないでください。」
カンダがドアを開ける。
それと同時に甲高い子供の声がアタシの耳に響く。
もう子供が寝ている時間なのにおかしい。
そして、中を覗くとカオスだった。
部屋には四人の子供がいた。
赤、水、黄、緑の髪をした5歳から6歳くらいの子供だ。
「アグニ、にゅいぐるみをふんだのあやまって!」
水色の髪の子が赤色の髪の子に、泣きながら詰め寄っていた。
「ごめんって、まさかベッドをおりたらあるとは思ってなかったんだ。けど、ウダカも悪い。
ちゃんとベッドの上に置いておいてよ」
ふくれっつらで赤色のアグニが謝り、水色のウダカに注意する。
「ちゃんとベッドに置いていた。さっき起きた時はちゃんとベッドの上にあったの!」
ウダカは言い返す。
そこから、ウダカとアグニの言い争いが始まっていた。
緑の子は二人の喧嘩で起きたのか、ベッドから起きやがり、ぼんやりとしてたら、自分がお漏らしをしたことに気付いたらしく泣いていた。
黄の子は、ベッドですやすや寝ている
カンダはパタリとドアを閉める。
「ウダカとアグニの喧嘩の仲裁に入ります。
アルタさんは、ハリタのお漏らしをなんとかしてください。」
アタシは脳みそがフリーズして、カンダの言われるままに、緑の子、ハリタを慰めつつ、お漏らしを対処した。
そして、なんとか起きていた三人を再び眠りにつけることができた。
「このように、私以外のパーティメンバーは子どもなんだよ。
一人だときついから、世話上手で戦闘に強い人を待ってたわけだ」
その言葉を聞いて、アタシはフリーズが解けて、怒りが湧いてくる。
「つまり、アタシは世話係を兼ねた護衛者で、国は世界は、あんな小さい子に聖剣を持たせて、大きなモンスターと戦わせてたわけ」
アタシは、非難の目でカンダを見る。
「戦わせている時は、特殊変身魔法で大人の姿、心にさせてる。けど、酷いとは分かってる。」
カンダは、顔を伏せる。
「だから、こそ彼らには大人の守りが必要なんだ。
変身は一時間しか持たない。」
アタシは、あの四人の姿を見て思い出す。
若くて場慣れしてないのによく頑張るなと思っていた。
けれども、全然子供でまだスライムや一角ウサギを狩るのが難しい年頃だ。
「モンスターを怖がった子供たちは、自決して教会に行ってしまう。
その変身の前後を安心してくれるように、守れる大人がほしくて、子供の面倒見がいいことと強いと評判の
アルタさんをパーティメンバーに組み込みました。」
カンダ以外のパーティメンバーが実は子供。
死にたがりの上、特殊な魔法で大人にして戦わせ、
ワンオペがキツくなったので面倒見が良さそうな誰かを引き入れる。
その誰かにアタシは選ばれたってわけね。
「わかったわ。子供のことは秘密にするわ。そのかわり、ある程度はあなたのお願いも聞くけど、基本的にアタシがしたいように面倒見るわよ」
アタシは、孤児院の大好きなママの真似をして、妹や弟の面倒を見てきたわ。
この喋り方も、動作でさえ、前世を見たあとにすぐに作ったキャラクターでは無いのよね。
全部、孤児院でママの真似をしてたからできたものなのよ。
冒険者をやる時に、その喋り方、動作は良く無いと言われ、しぶしぶ普通の真似をしていたわ。
どうやら、ヒーラーとしてわからせるのではなく、頼れる大人、ママとしてパーティメンバーにわからせる必要があるようね。
そして、アタシはネコのママ役としパーティに入ることになった。
カンダの口調が不安定なのは育児疲れが入ってるからです。
主人公はまだネコのふりしてます。
まだネコじゃ無いです。






