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復活

「こんどは、アタシが助けるから」

誰を?何から?なんのために?

考えすぎて頭が痛くなってきた。

考えすぎだけじゃない、アタシは吸血樹に襲われて、貧血状態なんだ。

それできっと頭が痛いんだ。

左手も締め付けられている。

他は全然痛くない、ふわふわのベットで寝ているようね。

感覚が麻痺しているのかしら。

そう思いながら、目を開けるとそこは吸血樹の森ではなく、宿屋だった。

アタシはベッドに寝かされているようだ。

頭痛に抗いながら、手足を動かす。

両足は動く、右手も動く、左手は重い。

左手の方を見ると、カンダがいた。

カンダは、眠っていた。

椅子に座り、アタシの左手をカンダは両手で包み込み、ベッドで寝ているアタシの方に前屈みになる体勢はまるで、大切な宝物を抱え込むようだった。

アタシはカンダを起こさないように静かに左手を動かそうとしたが離れない。

仕方なく、左に寝返りを打ち、カンダの手を剥がそうとした。

「アルタ、起きたんですね」

頭の上から声がして、そこに目を向ける。

カンダが起きていた。

目の周りに濃いクマができていた。

アタシは掴まれた左手に意識を向けていたせいで、カンダの顔の様子を見ていなかった。

思わず、驚き左手を引き抜こうとしたが、皮膚が引っ張られる突っ張る感じがしてやめた。

「とりあえず、ありがとう。」

宿屋のベッドにいるということは、あの森から勇者パーティが助けてくれたことになる。

「アルタ、状態はどうですか?」

疲れた様子でアタシを見つめながら聞いてくる。

「軽い頭痛がするだけよ。それと左手が突っ張る感じがするから離してくれないかしら」

とりあえず、今の状態を伝えた。

「頭痛ですか、わかりました。

左手の方は離します。」

そう言って、手を離すのかと思った。

「少し、痛いと思いますが我慢してください。」

カンダの手が少しづつ離れる。

それに従って、少し痛みを感じた。

密着した絆創膏を剥がすような痛みだ。

そして、アタシとカンダの手の間に、赤い糸屑のようなものが見えた。

アタシの手から剥がれるのと同時に、カンダの手の中に戻っていく。

その様子を声を上げることもなく驚き固まっている間に完全に剥がれた。

「カンダ、もしかして、ずっとアタシに輸血していたの? 」

まさかとは思いながら、アタシはカンダを凝視する。

「そうです。アルタは血が足りなくてすぐに神殿に行ってしまいそうだった。

安心してください、私は誰でも輸血できるんです。」

疲れた様子でカンダは無理矢理笑顔を作っていた。

「アタシのせいでそんなクマになったの?」

「輸血でなったわけではないです。輸血しながら、いろいろしていたんです。上との兼ね合いがあっただけ。」

カンダは顔を横に振り否定する。

「目が覚めてよかった。元気になってよかった。

子供たちも心配していました。」

「心配かけたのは悪かったわね。この頭痛が治ったら、早くボスモンスターを討伐しに行きたいわ」

今度は死んでどれくらいすぎたのかしら、失血そんなに時間はかかってないはずだけど急がないと。

「そうですね。でも、頭痛が治ってもしばらく安静にしておきましょう。この街に一週間滞在して修行しましょう。」

一週間、アタシ一人のために大丈夫かしら。

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