アタシがいい子を守るから。
アルタ転生前
魔王をやっている時の心理状態を書いています。
カンダの本名がわかります。
全てが嘘です。現実と一切関係ありません。
君はいいこ。
悪い子は貴方を傷つける周りの全て。アタシが悪い子から守るから、全て、壊すから。嫌なことは全部やるから。君はいい子で本を読んでいて、楽しい本を読んで、泣かないで一緒に本を読もう。美味しいお菓子やケーキを食べよう。
君はを傷つけた悪い子は、全部壊すから。
貴方は楽しく幸せで生きて。
魔王になった日、その日はとても寒かったわね。
君は、とある王国の王子に生まれたわね。唯一の跡取り息子として生まれてきたわ。楽しいことも我慢して、王様になるために血が滲む努力をしてたわよね。けれど、ある日突然、唯一の跡取り息子ではなくなったよね。
王国を突然乗っ取られ、君は王子を辞めさせられた。善良な両親と君に、悪い噂が流されて、誰も助けてくれず、弾圧されて、両親は君を庇って死に、君は瀕死だったわよね。
あんなに、王になるためにいろんなことを我慢して、受け入れてきたのに奪われて、こんな目に合うことをずっと一緒に見て学んでき、励ましてきたアタシは許せなかった。
気がついたら、君は眠って、アタシが体を操っていた。湧き上がる魔力に戸惑った。
けれど、これで復讐できるとわかった。
アタシは、まず君とその両親を傷つけた悪い子が許せなくて、王国の人間を皆殺しにした。
魔法でゴミ掃除をして、綺麗にした城で、アタシは君のために、お風呂やご飯や絵本を用意した。
知識としてあったことを実行しようとすると失敗することはよくある。
ようやく、暖かいお風呂や美味しいご飯を用意、できるようになったから、体を君に返してあげた。
楽しい時を君に与えよう。
冷たい水を運ぶことやご飯の調達、時々くる招かれざる客は、アタシが対応しよう。
君の楽しい時間が増えるように、モンスターを使役した。周りの国から魔王と騒がれ始めたけど、君の楽しい時間が増えるならそれでいい。
君が死ぬ時まで、楽しい時間であるように、アタシが頑張ろう。
そう思い過ごして、何年か月日が過ぎた。
ある時から、招かれざる客の数が増えて、掃除も大変になって、君の楽しい時間が減り始めた。
だから、招かれざる客の家がある国を滅ぼした。
そしたら、しばらくは静かになって、君の楽しい時間を確保できるようになった。けれど、しばらくするとまた増えて、国を滅ぼすことをした。
アタシも疲れるくらい国をモンスターや魔法を使って滅ぼした。
君の楽しい時間が一切取れなくなるほど。
城の周りに結界を張って、やっと静かになって、君の楽しい時間が取れるようになった。
しかし、静かになって、君の時間を優先した結果、外の情報収集を疎かにした。
勇者が選ばれるのではなく、異世界から召喚されたことの情報を入れておけば、城への侵入を許さなかった。
アタシの休憩も兼ねて、君の楽しい時間の間は眠っていた。城の結界は、魔法陣だから無意識でも大丈夫だった。君が本を読んでいることをぼんやり眺めていた。
「こんにちは」
突然、若い男に話しかけられた。
この頃のアタシは、君を眠らせ、城に入った人間は全て敵だと思っていた。だから容赦なく、氷の魔法で作った矢を飛ばした。
若い男は、それを避ける。
「突然話しかけて、悪かった」
そう謝る男に容赦なく雷の魔法を飛ばす。
尚も、男は避けながら話しかけてくる。
「俺の名前はトウキ、この城にいる魔王を倒すためにここにきた。君は魔王?」
トウキは、魔王を倒しにきたようだ。
お目当ての魔王は目の前にいる。
無言でアタシは、魔法を放ち続ける。
「魔王だったら、不法侵入してごめんなさい。
結界は穴開けたけど、ちゃんと塞いだから」
魔法を避けつつ、息を切らす様子もないままトウキは、話しかけてくる。
アタシが、魔法を放ち続けるな中で話す余裕があるのに、トウキは一切反撃してこない。
アタシが魔法を放ち、トウキが一方的に話すと言うのを、三日三晩続けた。
けれど、アタシはただ魔力が異常に溢れているだけの人間だから、限界が近づいてきた。
「わかってると思うけど、アタシは魔王よ」
そう答え、動揺したトウキの足元に氷の矢を飛ばす。
しかし、限界が近づき朦朧とした中飛ばした矢は、ろくなダメージを与えることもできない。それでも魔法を飛ばして、トウキを消そうとした。
そのまま魔力が尽きて、魔法が飛ばせなくなった。
とうとう殺されるのか、最後に君を楽しい時間の中で、終わらせたかった。
「なんで、アタシに反撃しないの?」
「反撃はしたくなかった。できなかった。
元人間だと聞いたから、問い掛ければ答えてくれると思ってやった」
そう言って、トウキは近づいてきた。
疲れて抵抗できないアタシはされるがままだった。
アタシの長く伸びた髪を優しく触り、ひと束にまとめていく。そして、聖剣を振り上げた。
アタシは死ぬ覚悟はしていた。
痛い思いは君にさせない、そう思ったが、首を切られる感覚はなかった。
目を開けると、切れたアタシの長い髪を袋に詰めているトウキがいた。
「この髪で魔王は死んだことにする。
お前は好きなところに行って好きに生きたらいい。
嫌なことを全部忘れるように、もうまおうにならないように。俺は召喚した国に報告してくるから、またね」
そう言って、アタシに水と食料、周辺国のお金を渡して、消えた。
勇者との戦闘で跡形もなくなった城の瓦礫の山を後にした。
その後、買った新聞で本当に魔王は死んだことになっていた。
アタシはもう無理に人のことを殺さなくていい。
狙われることもほとんどない。
もう、嫌なことをしなくていいと安心した時から、アタシと君の境界線はあやふやになり混ざり始めた。
もともと、努力家で人懐っこい君のおかげですぐに人と仲良くなれた。
アタシのしっかりしたところは人に頼られるようになり、信頼されるようになった。
君はアタシがやらかしたことを受け入れてくれた。
アタシと君は一緒になって償っていこうと決めた。
表立って活動はできないけれど、魔王をしていた時より寂しくない、楽しい。
トウキにいつか、アタシはお礼がしたいな。
解説
全てが嘘です。現実と一切関係ありません。フィクションです。
二重人格は正式名称が解離性同一症です。実在する性格です。
主人公は憑依型をイメージしています。
主人公は自分を褒めて、甘やかしてくれる存在を欲してイマジナリーフレンド的なアタシを幼い頃作っていました。
しかし、過酷な環境に置かれて耐え慣れなくて、魔王のアタシに守ってもらっていました。
しかし、勇者が魔王を殺したことにして、安全になったことにより、アタシの必要性、独立性が下がり、主人公とアタシが両方で動くことが必要とされるようになり、主人公はアタシのやらかしたことを受け入れて、統合される結果になりました。
この作品はフィクションです。
大事なことなので2回いいます。
この作品はフィクションです。




