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死神の能力について


どうも、死神ちゃんです☆

死神としての名前はまだないので(忙しすぎて手続が遅れているの)皆からは新人ちゃんと呼ばれています。

今日も今日とて捕まえたばかりの魂達が五月蝿く喚き散らし今にも逃げようと私の腕の中で奮闘中でございます。


『俺の異世界転生チャンス!チート能力ゲットの夢を逃してなるものかぁー!!』


そんな簡単にチート能力ゲットしてたら苦労しないわ!!

そもそも君、元の世界が魔法も何も無いんだから転生しても魔法なんか一つも使えないからね。


『ちょっと離しなさいよ!アタシにはイケメンパラダイスが待っているのよ?!!』


待ってない。そもそも、そんなもの存在しない。

んな簡単にイケメン侍らせられてたら前世からできてんだろ。あと、それ傍から見ればただのビッチだから。


『でふゅでふゅ!異世界でハーレム天国満喫するぞ!』


まず、笑い方がキモイ。

ハーレム?下心満載すぎるキモオタなお前には無理だろ。

寧ろ女の子たちみんな逃げるわ。


『のんびり田舎で異世界スローライフ!!』


既にお前は田舎でスローライフしてたろうよ!

引き込もりという名の自宅警備員をな!!


『ヒロイン転生?否、悪役令嬢に私はなるっ!!』


そもそも現実に悪役とかヒロインとか意味のわからん役割を持ってくるな。演技がしたいなら役者にでもなってろ!

なれるもんならなっ!!


喚き散らす魂たちを黙らせ、各々の世界へと送り付ける。

これで取り敢えず今日の仕事は終わりだ。


「新人ちゃん、あのちょっと言葉が辛辣過ぎない?回収した魂達みんな泣いてたけど…」


「現実を突き詰めてあげてるだけです、あとここでボッキリ心へし折っといてあげないとこいつらまた逃げるでしょ?そんなの面倒臭いじゃないですか!次逃げたら…アイツらが自然消滅する前に私自ら消滅させてやりますよ…」


「ひぃ、それはやめてあげてぇ!!」




ーーここで突然ですが、死神について説明をするよ!

死神には幾つかの特殊な能力と権限があるの。


一つ、情報の強制開示。

私達死神は特殊な目をもっている。

それは一目見ただけでその魂に込められた生前の記憶…情報を読み取ることが出来るというもの。

つまり、その人の生前の黒歴史を読み放題ってことよ!

人の弱みを握るのにはうってつけの能力だよね!

まぁ、死神同士では使えないのだけど…チッ!

兎に角、この瞳のお陰でその魂がいつ何処からやってきたのか瞬時に調べることができるので、速やかに元の世界へ戻すことができるのだ。


一つ、魂の浄化・消滅。

死神は各々『武器』を持っている。

それは、人によって姿形は様々で一つとして同じものは存在しないとされている。

私も死神になって直ぐに支給されたよ!能力に慣れるまでは死神本部から支給されたものを使うんだって。

で、私に送り付けられてきた武器はこちら!

まぁ、なんということでしょう!

漆塗りをされ、とても趣のある美しい…箸である。

いや、なんでだし。てか、箸って武器なの…?

まぁ、それはいいとして。

こちらの武器(私のは箸だけど)は普段から持ち歩きが可能!(そりゃ。箸だからね)…というか、体の中に取り込まれるので何時でも自由に取り出し可能な優れものなの!(箸だから関係ないけど)その武器には浄化作用が付いており、あまりにも穢れを蓄積しすぎて今にも自然消滅しそうな魂を見つけた時に活躍する。

いざと言う時、己の内から顕現させし武器(箸)をふるえば魂は一時的に浄化され消滅を免れる。が、それにも例外はある。

穢れが強過ぎてそれでも浄化できない魂は輪廻の輪に入れることが出来ない。 逆に輪廻が穢れてしまうからだ。

その時は仕方が無いが私達で穢れを最小限に抑えつつその魂を完全に消滅させるのだ。

これには後々物凄く面倒臭い手続きが存在するので出来ればやりたくない。


でも、こう…自分の意思で何も無い空間から武器を顕現させることが出来るとか超カッコよくない?(箸だけど)

武器を出す時は特に声に出したり念じたりする必要は全くないんだけど、それでも一部の先輩方はやっぱり決まったセリフを唱えてカッコつけながら出す人も多いんだよね。

まぁ、ああゆうのは後々思い返して羞恥心で死ぬ事になるんだろうけど。…わ、私はやらないけどね?!箸だし…。


一つ、スカウト…からの死神化。

1人につき2回。

その人の権限で新しい死神を作る事が出来るのだ。

これは私のように人や動物の魂をスカウトし、所謂『死神装置』と呼ばれるものに放り込むことで新たな死神を作ることが出来る。

若しくは、自分の死神としての能力を相手に分けたり、そのまま受け継がせることが出来るというもの。

まぁ、それには普通ならば面倒な手続きや厳選な審査が必要なのだけど…私のようにその場の勢いで死神にすることも出来るよ!という…人手不足解消のための救済処置である。

因みに、死神歴200年以上の先輩方のみに与えられた権限なので新人な私にはまだその権限はない。

そして勵さん…あなた実は200年以上も死神してたの?

超ベテランじゃんっ!なのになんで貴方は普段からそんなにも腰が低いんだ、不思議だ…。


と、まぁ。


どこの世界の死神もこの能力だけは持っている。

あとはその世界によって少しづつ変わるみたいだけど、大まかなところは一緒らしい。

とはいえ、常に使っている能力と言えば『情報の強制開示』くらいだけど。

これに関しては慣れないとその人の死に際の記憶とかまで見ちゃうからあまり良いものでもなかったり…



あー!本当に死神なんてなるんじゃなかった!!



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