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パパニアン

ボノボ人間(パパニアン)>は、<ボノボ>が名前の由来になっているように、霊長類のボノボを思わせる生態を持つ生き物だった。仲間同士のコミュニケーションが濃密で、頻繁に、<擬似的な性行為>が用いられるのが最大の特徴と言えるだろう。


あまりに詳細に描写するといろいろ問題もあるのでその辺りは割愛するが、逆に、割愛しないといけないほど濃密だということだ。


人間の感覚からすると、


『性的に乱れている!』


とさえ言われるかもしれないものの、実際にはそのお陰で、比較的に良好な関係を築く傾向にもある。ただし、あくまで『傾向にある』というだけで、仲間内での諍いが一切ないというわけでもない上に、いわゆる<イジメ>に相当する行為も存在するのは事実であり、それが原因で命を落とす者も中にはいる。


この群れに属する、<レト>と仮称される個体(雄)も、まさにそういう対象だった。


<擬似的な性行為>が仲間内でのコミュニケーションに使われることの多い種族ではあるが、実は<レイプ>に相当する行為は基本的にほぼ存在しないと見られている。あくまでお互いの関係を良好に保つために<擬似的な性行為>が用いられるため、逆に、双方の合意がないとそれに至らないのだ。


なので、パパニアンにおける<イジメの対象となる個体>は、それをしてもらえない者がほとんどだった。代わりに、暴力を振るわれるのだ。


野生において社会性を持つ動物にも、<イジメ>に相当する行為が少なからず見られることは知られている。これはあくまで、ストレスを解消するための適切な方法や手段が他にないことから生じるものであり、決して、『野生動物においても<イジメ>が存在するから人間社会においても<イジメ>が存在することは容認されるべき』という話にはならないので注意が必要とされている。


が、残念ながらここは野生の世界であるため、<イジメに相当する行為>も、群れを健全に保つためには必要なものとして、存在している。


外見は、真っ白な毛に覆われた<ロップイヤーと呼ばれるウサギ>に似た愛らしい姿をしているパパニアンにもそれはあり、<レト>はまさしくイジメられていた。


「うおっ! うおおっ!!」


「ぐあっ!」


「うおあっ!!」


食事のために、たくさんの実が生った木に群れで訪れていたこの時も、餌にありつこうとするレトに、仲間が威嚇しながら、まだ熟していない固い実をなどを投げつけ、彼を、熟した食べ頃の実に近寄らせないようにしていた。非常に残酷ではあるものの、これも<摂理>というものなのだろう。



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