最終地点
「な……ミヤ……」
俺は唖然とした。
なぜなら、敵の後ろで銃を構えるミヤがそこには居たからだ。
いつものミヤの面影は全くなく、あるのは『殺意』だけだった。
「お兄ちゃんから離れろ」
「おお!これはこれは、ターゲットがのこのこと現れおった!」
ターゲット?ミヤがあいつらに狙われてるってことか?でもなんでミヤが。
「て、ことは……」
あいてが俺とミヤを交互に見ている。
「そうか、お前らが例のシスターズとその兄貴か」
「さっきからなんなんだよ、お前」
このまま話してても埒が明かない、隙を見て打つしか。
俺は腰に有る銃に手を掛けた。
「おっと、動かない方がいいぜ」
俺が一歩踏み出した状態で相手が銃口を向けてきた。
俺も相当焦っていた。たぶんミヤもそうだろう。俺って奴はいっつも強がってたのにいざとなったらこのざまか。
「何が目的だ」
今はとにかく隙を作ってミヤにやらせるしかない。
「お前ら二人を連れて行くことだ」
「コード03735から25791へ……」
ミヤが攻撃準備を始めた、たのむぞミヤ。
「どこに連れて行くんだよ」
「そんなの言うわけねーだろ!」
その時銃声と共にチビの体が倒れた。
「ははははは! おめーらがさっさとしねーから人質殺しちゃったじゃねーか!」
鳥肌が立った。吐き気がした。足が動かなくなった。まるで昔見たいな光景だ。
チビの守ってやれなくてごめん! チビチビチビ!
「てめーよくも知咲を! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!」
「知咲ちゃんをよくも!」
「おー怖い」
俺の体は熱くなり今まで以上のスピードが出た。
腰に着けていた拳銃を取り出しすぐさま発砲だが相手の動きの方が早いミヤも俺に続いて発砲したがそれも難なく避けられた。二人で一人を殺そうとしているなんて思えなかった。
これがホントの強さ、強者のなのか!
「弱い弱い! 二人のコンビネーションも当たらなければ意味がない!」
「だまれー!」
俺は声を荒げた。
相手はただ避けているだけで俺の腕の痛みと体力の限界が近づいてきている。
このままで終われない! ミヤと知咲のためにも!
「未来を変えろ!」
その時俺の頭に誰かの声いや、俺の声が響いた。
『今ならこいつに勝てる!』そんな言葉が脳裏を過った。
絶対勝つ!
「うおおおおおお!」
《最終地点への到達を確認。これまでの失敗数238回これにより238人の荒海幸太の死亡を確認。今日もって荒海幸太の第一特別感覚能力『予感能力』を『予知能力』へと変化》
なんだこの声しかも目が痛い!
「お兄ちゃんこれ以上は血が!」
「いける!」
なんだ目の痛みに加え全身が!
《『予知能力』定着を確認。荒海幸太の第三特別感覚能力『自動治癒能力』を発動》
その時俺の体に電気が走ったような感覚が俺を襲い全身の傷、痛みさえ無くなり次相手を見た時には相手の動きが全て『予知』できた。
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