俺の生活
「頭を冷やせ」
そう言われて扉を閉められた俺は、温かい温室でぬくぬくしていた。
つまり寝ていた。
そのまま3日くらい放置されてたんだけど、心配になって探しに来た母が温室で俺を見つけてすごく驚いてた。父も呆気にとられて、それ以降特に怒りもしなくなった。呆れたんだと思うが気にしない。
まぁ本能には忠実にってやつ?
俺はその本能をモットーにして惰眠を続けてきた。
勉強?あんなの大嫌いだ。
運動?それもそう。
だけど俺はそんな太ってない。単に熟睡のために夕食を取り損ねることが多いのだ。しかし自然とお腹は空かない。きっとエネルギーの消費量が低いんだろうと思う。
でもそれだけではないような気もする。ドラマとか観てた時、何年も寝てる人って歩けなくなってたけど、俺はちっとも動かないのに歩けてるし。
異世界補正とかはないっぽいけど、街に出ると太ってるやつはたんと食べてる。だから筋肉もほとんどついてない。
そういえば食べてるといえば剣士の方の叔父も食べてるな。
「ルーカス!いるかー?」
あっやばっ!
俺はとっさに物陰に隠れる。
こちらの小麦色の筋肉のおじさんが、叔父さんだ。
こっちの叔父は父の弟の三男で分家になって、ちゃんと家庭も築いているが、時々うちに来て兄と俺を稽古に誘う。俺は大概惰眠を理由断っている。
だが時々インドアは悪いといって強制的に連れて行かれることもある。
「見つけた!」
「ヒィィィイ!!!叔父さんっ!」
「どうしたルーカス、インドアは体に悪いぞ!」
ほっといてくれ。
インドアはインドアで幸せなんだ。
「また白くなってないか?」
「そんなことないです、あいやあるかも。こないだ会った時は日向で寝てばっかいたから…」
「なんだ、そういうことだったのか!ルーカスがやっと運動するようになったのかと思ったのに…」
そういうことだったのか。
そういえばこないだは会っても稽古に無理に参加させられなかった。
叔父さんには悪いがここは逃げよう。
俺は足に力を込める、が、体が浮いた。
「俺に追いつかれないわけがないだろう、貧弱ルーカス」
「あ、兄さ…」
「いくぞ」
担ぎ上げられた俺は、いつもの辛い辛い素振りをさせられるんだろうか…。
スピード重視で荒く描いてるので、これまでのシリーズ作品と違って一部一部にちゃんとおおよその基準文字数がありません。
読みにくいかも知れませんが、お手数をおかけします。