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稽古とやら

兄は今朝そう言った。

普段は家に居ないで学園に行く。しかしこれから2ヶ月間は長い長い長期休みらしい。そしたら戦場に実戦訓練として半年間の合宿が待っている。

「剣の稽古に付き合ってやる。お前は剣士の息子だ」

「えー…」

「そうよ、バラド!ルーカスは魔法があるんだから」

「魔法ができたって、その攻撃力じゃだめだろ」

もっともだと思う。

「だからルーカスが国立共立学校に行く前に出来ること。それは体力値、物理攻撃力を上げること」

「え?うそ待って…」

「祖父さん曰く物理防御はそのあと勝手についてくる。心配するな。打たれ続けてれば強くなれる」

「いやだからそれって…」

「痛いじゃん!」

俺はそれから何日間もずっと兄の稽古に付き合わされた。

バラドとの打ち合いは毎日十回はやる。一回も入れることは出来なくて、兄さんの木刀はどこかしこに入って、すごく痛い。

そして基礎体力。

「十周!」

人通りの少ない廊下、広い庭、玄関とを一周と数えてこれを休まず十周する。

休んでいるところを追い抜いてきた兄さんに見つかると、二回木刀で叩かれる。肩と足、時々背と尻。

「しっかり!」

兄さんは息を切らすこともせず、俺が終わるまで何周も走る。俺の倍は走っていると思う。

実際はバラドとラティアが付き合ってあげているのだが、ルーカスはこれまでバラドの稽古というものを真面目に見ていたこともなかったし、なによりがむしゃらで二人が交代で監視官であるということにも気が付いていなかった。


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