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枕の下に 希望の上に(8)

腐乱オーディット

君は

その優しさで

自らを腐らせている

見えていないのか

その右足は骨が見え

蝿がたかっている

もしかして

君が手に持って

身体を支えている棒を

足であると

勘違いしているんじゃないか

それは

君が大切にしている者の時間だ

骨だ

心だ

命だ

君はいつまで

勘違いしたままでいるのか




扉を開ければ

あの世界があるから

胸に落とした

肺弱な心情も

白色の糸で

ぐるぐる巻きにした

眠りに就く為に

命乞いをしているみたいに




君は

その優しさで

自らを腐らせている

見えていないのか

君の左手は骨が見え

蛆が湧いている

もしかして

君はそんな手で

光輝く物を掴めると

遠慮なく掴めると

思い込んでいるんじゃないか

だから

君は砂ですら残らないのだ

一粒も

一粒も

一粒も

君はいつまで

思い込んだままでいるのか




神や仏をどかして

唯の人間に寄りかかる

それを綺麗事で

ぐるぐる巻きにした

協調する事を強調するから

誰かは

その居場所で

肉体を持てないんだ




君は

その優しさで

自らを腐らせている

見えていないのか

君は胴と頭を残して

全てを失くしている

だから

一歩もそこから動けないのだ

君は胴体をうねらせて

何とか進んだ気でいるが

他の人間の一歩にも満たない

君は

その優しさを

今は忘れてしまえば良い

そして

立ち上がって

歩き

掴み

進む

君はいつまで

そんな所で寝転がっているのか




優しさは

無敵の武器じゃない

愛情も努力も

無敵の武器じゃない

正義も悪も

同じで

無敵の武器なんて

この世には無い

たまたま合致した

そんな

数々の例題で作り出した

唯のペテンなんだ




優しさで

自らを腐らせている君

人間の一生という時間の中で

何か一つを

信じられると思えるなら

事柄に出会ったなら

それで良いじゃないか

唯のペテンを

本当かもしれないに

変えれたのだから










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