表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

1睡目 診察室に飛び込む夢



挿絵(By みてみん)




逃げなければ!

早く

早く!


とにかく走っていた。

ここにいてはいけない!

暗い怖い高すぎる音と低すぎる音がしずかでうるさい見えない少し見える痛い喉がつまるくるしい息がうるさいからいにがいノドが乾いた痛いわからないわかりようがない

いつまで走ればいいんだ!!

足が痛いのに止まるわけにはいかない

感じてしまうからとまれない

ぼくの息の音と聞こえない音だけ響く

何も見えないのに森だと感じる

ひたすらにひたすらに走る

ふと向こうに何か見える

よく見えない

見えない

でも走る

建物に扉

あくのか押すのか引くのかわからないわからないちかくなる止まらないわからないぶつかる


ドガガンッ

ガッ

ゴロゴロゴロズダァーンッ


ころがりこんだ

白い天井がまぶしい


ここはあんぜんなのかな……

うるさくないし、寒くない。ゆっくりしたスリッパのペタペタが聞こえる。


バタン と 入ってきた扉の閉まる音がひびいた。


 あおむけで、うごけないぼくの視界に

「おう……大丈夫か? 診察するか?」

 だれかが顔を出した。まぶしくてよくは見えない。

 人影にメガネだけがひかっている。

「……」

 ゼーハーと息がとまらず喋れない。

息を吐くたびに、さっきの場所の辛い空気がでる。

「はい息すってー、はいてー」

 いやいや、それしか出来ないよ……

 蛍光緑の聴診器をぺたぺたと、されるがままだ。

「口開けてー」

 あーこの棒は…おえってなるやつだけれど、口は閉じれない。

「ぜー…はっおぇえ…」

 それから無遠慮に、お腹のにくをぷにりと掴み、太ももをつつかれた。

「ん、運動疲労と水分不足だけだな。水持ってくる待ってろ」

 ペタペタと足音は遠ざかっていく。


 息は、はーはーいっているけど、少し落ち着いてきた。

 振り続けただけのウデも痛いけれど、体を起こす。


 目が慣れてきて色々見える。

 白くてやたら広い部屋だ。

 体育館の半分くらいの広さ。

 真ん中だけ棚やついたてで囲んである。

 周りには、何もない。

 窓のない白壁だけだ。

 保健室や病院の独特なにおいがする。


 少し遠い棚を目をこらして見る。

中には、

ナニかわかんない変なネオン色のかざり

紫色の木の枝、

朱色のツルツルなのに凹凸がいびつな石

色とりどりな四角い浮遊物が目立つ瓶。


 ぼんやりと見上げた、やたら高くて白いだけの天井に、サイケデリックな色のコンペイトウが消えていくのが見えた。

 怪しい物しかないけれど大丈夫なのかな…?


「ほい、水だ」

 その子は、ぼくと同じくらいの年の男の子だった。

「あ、ど、どうも…」

 緑の髪でメガネをかけてて、白衣で、白っぽくて細いかんじの子だ。赤い目が眠そうだ。

 へんなもの入ってないよね……?ガラスコップと水に見えるけれどあの棚の物が紛れていたらいやだな。

「普通の水で、何も入ってないぞ?なんなら経口補水液にするか?」

「ううん!ありがとう」

 あーふつーの水だーあー口の中のにがくてからい味がスッキリ流れる。

 乾きがうるおっていくやー。

「足も見るか。脱がすぞ?」

「え??あ、ごていねいにどうも??」

 わーすごい走ってきたから足が…血も出てえらいよっちゃ。マヒしていたのか、見た途端急に痛くなってきた。

「きみは誰?ここどこ?」

「オレはラパードだ。で、ここは多分診療所。暇つぶし兼、善意で、来る奴らを治療?している」

 手際よくカット綿でふいて何か……緑白のクリームを塗って包帯を巻いてくれた。少ししみるけど効きそう。

「で、お前さんの名前は?」

「あっぼくは…」

 と言いかけて

 あれ…名前…

「えーとえーと……えー???」

 名前が出てこないぞ…?

 おかしい、名前があるはずなのに!

モヤモヤする!思い出せない。

「あー…名前出てこないやつな」

「名前あるのに、思い出せないよ…」

「オレも出てこなくて最初はテキトーにタコヤキと名乗っていた。ラパードっていうのもここに来た患者が…」


トントン


 ノック音が壁の向こうからする。

 ぼくが飛び込んできた方向の壁……境界線があるので、そこが扉なのかもしれない。

「コ ン ニチワ」

 電子音な声が聞こえる。

「はいどうぞー …よし、処置おしまい。しばらくゆっくりしてろ」


ピコンッ

 とゲームみたいな音がして、人が現れた。突然にだ。

 いや、人かどうかはわからない。頭がディスプレイで、ニコニコマークが表示されていて、体は黒ニットセーターを着た女の人だ。


「オヒサシブリネ コンカイ モ チョウセイ オネガイ」

「はいはいどうも。今回は5番で?」

「ソウ!コノ ズ ノ トオリ オネガイネ」

 ディスプレイが回路図?に切り替わった。

 ラパードが服をめくり上げようとしている。えっ女の人の服めくっちゃうのどうしよう、、とおもったら、中は全部回路だった。色んな原色の線や部品が詰まっている。真ん中に並んだハートのブロックが一定のリズムで増えたり減ったりしている。

 あんまり見ていたら失礼な気がしてきた。あまり見ないでおこう。

 ラパードはなにやらぴこぴこパチパチ音を立てながらチョウセイ?をしだした。


 しばらくして、ぼくの疲れも取れてきた。

 少し足はいたいけど、歩いてみる。

 診察室の棚の中はふつうの薬のコーナーもあるけれど、へんなものの方が多い。

 キラキラした透明な虹色の石、ドット絵のペラペラな浮いてる塊、ぷよぷよ動いてる丸、ビンの中で白い炎がゆらゆら燃えている。

「よし処置完了。これでどうですか?」

「エエ イツモ カンペキ!ハヤイワ!アリガトウ!コレ オダイ ネ」

 見ると、中に四角いペラペラのものがたくさん浮いてる箱を渡していた。

 そして来たときと同じようにピロンッ と、消えた。


「と、まあひたすら来る患者?を治療しているわけで。今みたいなやや人型が3割、人間が1割、獣1割、物体2割、その他3割くらいか」

「はぁ…」

「大半は治療するとさっさと帰るけれど、時々お前みたいにじっくり居るのもいるわけで」

「そうなんだーあの、お代……なにも持ってないんだけど……」

「別にいらな……いや、話がしたい」

「話??」

「そう、話。とりあえずイスだ」

 キャスター付きの白いイスをカラカラと出してきた。

「コーヒー紅茶牛乳どれがいい?」

「えーと…じゃあ牛乳で…」

 あっ冷蔵庫もあるんだ。上に電子レンジ…なのかな…なんかまたすごいネオン色だけど…

 わぁ、このイスふわふわだ。

「ホットでハチミツ入れも可だけど」

「お、おねがいします…?」

 入れてボタン押して即出したのにもう湯気がでてる…

「どうぞ」

「どうも…」

 あーおいしい…ほかほか、ほの甘くてミルクとハチミツのにおいおちつく…

 ねむい…

「おーい…」

ぼーっとする

ねむい……

「消えんのかよ……くっそ、温めず出せばよかった」

 最後に、がっくりうなだれている姿がぼやけて消えていった。



 これが今日のぼくの夢だった。

なんだかとってもゴチャゴチャしていた。

五感を伴った夢を時々見る方で、その世界を往く話が脳内で一本道になってきたので書いてみています。


果たしてこれは伝わるのか、面白いのか?

よければ感想、お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ